昨日(3月31日)は、8週間振りの受診でした。


前回受診日から振り返ると、複視は相変わらず朝っぱらから派手に暴れて、全身の脱力・筋力低下は進行が止まることなく、


視界不良によるストレスと倦怠感、筋肉痛などから平日の帰宅後と休日は布団から動けず、何をするにも億劫になりがちな日々を過ごしていました。


複視は半年ほど前から悪化したまま・・・


直近の緑内障受診記録でもご報告した通り、今では徐々に悪化しつつある変視症も加担して、不用意に両眼で見たりすると一瞬で吐き気を催すほどで、


更に雑踏の歩行者も認識出来ず、脱力・筋力低下で急に立ち止まったり方向転換が出来ないことから人混みの中で立ちすくむことも度々。


ストレスフルな視界に悪戦苦闘していました。




脱力・筋力低下を自覚したのは2017年春頃・・・


その後も日差変動を繰り返しながらゆっくり進行していましたが、2021年6月からのステロイド減薬作戦を開始してから少し加速したような気がします。


脱力・筋力低下は、従来から体幹と下肢が顕著で、横臥姿勢での首上げや足上げも一瞬のみ。1秒たりとも持ち上げたままでの保持が出来なくなり、


歩行時は常にふらつき、エスカレータに乗っている時によろけることもあり、いつの頃からか外出時はアスレチックの連続と化しました。




握力は10〜15kgをフラフラ・・・


肘から指先までジーンとした痺れか筋肉痛のような違和感が徐々に強まるとともに箸の上げ下げが増々キツくなり、洗髪も休む頻度が増えました。


文字を書けばグダグダで、ボタンを留めたり、小銭入れから小銭を出すのに難儀したりと指先も不器用になったような気がします。


気合で乗り切れるぎりぎりのレベルだと自覚しており、産業医が以前発した『自宅療養』も現実味を帯びて来ました。


3週間ほど前に、半日で収まったものの1年半振りに目眩が発生していたこともご報告しておきます。久しぶりに参りました。




調子に乗って前フリが長くなりました。



受診結果を要約すると、MG症状の悪化で仕事に差し障りが出てきたためステロイドの減量は一旦中止となりました。



10㎎/日の据え置きです。


眼科医としては半年ほど前から複視が悪化したままなため治療強化が必用との見解でしたが、


脳神経内科の主治医としては考えがあるらしく(詳細未確認)、ステロイドの減量ストップに留まりました。


8週間後の次回受診まで脱力・筋力低下を気合でしのぎながら、無理せずやり過ごすという様子見のフェーズとなりました。


では、受診記録を以下に記します。ご興味のある方はご覧ください。




眼科



眼症状(複視)は、想定通り悪化したまま。



下に記した昨年4月からのプリズム量推移を見ても明らかで、3回前(半年前)から上下左右のズレが拡大しています。



悪化してからというもの若干の変動はあるものの複視が消えることは無く、常時複視の視界が当たり前になりました。



【手元距離でのプリズム量の推移(右端が今回)

 上下 7⇒12⇒12⇒12⇒16  ⇒16  ⇒18  18

 左右  14⇒14⇒14⇒16⇒20>⇒20>⇒20>⇒20

 

【5m先でのプリズム量の推移(右端が今回)

 上下 3⇒  3⇒  8⇒10⇒16⇒16⇒16⇒18

 ※1プリズム=1度のズレ



眼圧、視力、プリズムレンズによる眼位検査、ヘスチャート検査後に診察室に入ると大学病院からの派遣医。



『眼科医として、ここまで酷い複視を放置する理由は思い浮かばない。治療の主導権は脳神経内科にあるため主治医に治療薬の変更や、入院治療など治療強化をお願いしてください。』と、いきなりやや緊迫した表情で伝えられました。



「左眼が緑内障末期で進行中なためステロイドの副作用を気にしていたりして、一昨年の6月からステロイドを減量中です。脱力・筋萎縮もステロイドミオパチーの可能性がある・・・」と説明していると、



途中で遮るように、『ステロイドを5㎎/日以下にするのはガイドラインでも求められています。様々な副作用の懸念があるので・・・』



『ただ、ステロイドの服用で眼圧が上がることは極めて稀というのが定説になっているのですが、情報がアップデート出来ていない医師が多いのが現実です。』と派遣医。



もしかしたらキャラなのかもしれませんが、何やらお怒りモード。



ステロイドと眼圧の関係は、緑内障主治医と同様の見解で、取りあえず安心材料が増えたと呑気なことを考えつつ、



それはそれとてリスクはゼロではないため治療の責任者としてリスク回避したいという脳神経内科主治医の立場も理解出来ることから、



板挟みになりそうな予感がしたことから、「脳神経内科の主治医に相談します」とだけ派遣医に伝え、そそくさと診察室を出ることにしました。



【緑内障主治医の見解】

ステロイド点眼では眼圧が急に上がる可能性があるが、ステロイドの経口服用では眼圧が上がり難く、仮に上がったとしても経口服用を中止するなどして直ぐに対処可能なため、ステロイド服用に対して過剰に神経質になる必要は無い、というもの。





脳神経内科


 

脳神経内科の診察室に入り、冒頭の症状変化と眼科派遣医の見解(治療薬の変更、治療強化など)を主治医に報告。



主治医により眼球運動チェックを受けると、『ボールペンを追う眼球の動きがとてもギコチナイです。眼球の動きを診ただけで体調の悪さが判ります。』と主治医。



カクカクとボールペンを追う瞳が一瞬だけ同じ方向を向くものの、下図のようにあっという間に右眼が上斜視に、左眼が外斜視になるらしく、体調のバロメーターとしてしっかり機能したと褒めて遣わした次第。


 ⬆️回旋斜視は外見上認識出来ないのは悪しからず・・・



いくつかの症状に関する質問に答えた後、ステロイド減量はどうなるかと主治医に確認すると、当然ながら『減量ストップ、現状維持』とのこと。



眼科派遣医のカルテも踏まえているのか複視の悪化に加え、話している最中に息切れしたり、次第に声が小さくなってくるのも決め手になったようです。



ステロイドは10㎎/日の据え置きとなり、次回(8週間後)に減量再開すか否かを判断することとなりました。



いつになく主治医から『治療強化は必用』という雰囲気を醸し出しているなか、私から入院治療をお願いしようかと思いましたが、



当面仕事が詰まっていること、母の施設入所の準備などを思い出して何だかんだと忙しい旨主治医に伝えると、仕事を続けている方が、若干のストレスがある方が体調を維持出来る場合もあるとのこと。



適度なストレスが体調維持に貢献していると解釈して、もう少しポンコツに付き合うことにしました。


 

以前『ステロイドが効きにくい体質かもしれない(ステロイド抵抗性を獲得)』と主治医から伝えれたことを何故か都合良く思い出し、



ステロイド減量に関係なく、従来からの延長でゆっくり症状が悪化しているだけだとこじつけて、誤魔化しながら生活さえすれば入院治療せずとも何とかなるという謎の理論で、



「ステロイド減量=ステロイドミオパチーの検証」の再開を待つことに対してお墨付きを与えたのは、ここだけの内緒です。



吉と出るか凶と出るか8週間後が楽しみです。

やっぱりキツいかな〜?





⬇️主治医から渡された血液検査の結果。いつもながら主治医から褒められました。来月の人間ドックは自信を持って受けられそうです。





今回の受診を終えた雑感



一昨年6月からのステロイド減量は骨粗鬆症などの副作用回避の他に、脱力・筋萎縮も副作用(ステロイドミオパチー)によるものではないかと疑い、その検証目的で始めたものです。


2017年12月から今の主治医に診ていただいていますが、初診時から重症筋無力症に加え、脳脊髄液減少症や胸椎骨折の合併症などから鑑別に時間が掛かること、最終的には原因が特定出来ない可能性もあることを伝えられていました。


その後の経過観察などを経て、現時点で以下の6つが原因候補に絞られています。(⑦⑧は番外編です)


① 重症筋無力症(原疾患)
② 脳脊髄液減少症
③ 胸椎骨折の合併症
  (脊柱菅狭窄症・椎間板ヘルニアの診断が追加)
④ その他の神経疾患
⑤ ステロイドミオパチー
⑥ ①〜⑤の共同作業

【番外編】
⑦ 未発見の神経疾患(緑内障主治医の思い付き)
⑧ 廃用症候群
  (充分な運動量を確保しておりMG主治医は否定的)


現時点での評価は、重症筋無力症やステロイドミオパチーにしては筋肉が減りすぎらしく、脱力はさて置き筋萎縮の可能性としては低いとのこと。


更に、ステロイドミオパチー特有のCPK値の上昇が無いことからステロイドミオパチーの可能性は最も低いと主治医から言われています。


ステロイドミオパチーの検証が手っ取り早いため最優先で行われているというのが実態で、


筋萎縮が止まるであろう、当面のゴールであるステロイド量7.5㎎/日になっても止まらなければ他の原因(仮説)を検証して行くことになると思います。


ステロイド以外で重症筋無力症の治療を強化するのはもとより、


脳脊髄液減少症ではブラッドパッチをしてみる、少々乱暴ながら脊柱菅狭窄症の手術をしてみるなどの診断的治療も選択して行くのでしょうが、各主治医との連携には苦労しそうです。




ゴールは遥か彼方ですが、脱力・筋萎縮探求の旅はいつの間にか7年目に突入しました。



以前のブログでも書きましたが、神経疾患の診断と治療の難しさを自分なりに理解して消化してからというもの「成るように成るさ」と考えるようにしており、


強いて言えば、休息などによる体調の維持改善を基本としつつ対処療法を駆使したQOLの維持向上を課題に据えるようにしています。


特効薬も無いことですし・・・


ブログタイトル通りに「あせらず・のんびり行きたい」と思います。

 


またまた悠長な内容になってしまいました。申し訳ありません。


 

では、皆様もどうぞご自愛ください。

 

 

 

 

経緯


(赤:MG・脳脊 青:諸症状 緑:緑内障 ピンク:整形)


2015年  4月 高血圧症の診断('20年5月完治)

2015年  5月 高尿酸血症の診断('20年5月完治)

2015年  5月 失神により自宅階段転落(胸椎骨折)

 ※以後、疼痛のため頻繁に鎮痛剤を服用

2015年12月 複視を自覚

2015年12月 緑内障の診断(左眼:中期、右眼:初期)

2015年12月 白内障の診断('22年4月・両眼手術)

2015年12月 食道裂孔ヘルニアの診断

2015年12月 逆流性食道炎の診断

 

2016年  1月 ドライアイの診断

2016年  3月 歩行障害、頭痛、耳鳴りを自覚 

2016年  9月 大腸ポリープ切除①(炎症性)

2016年10月 味覚障害を自覚

2016年12月 粉瘤切除

2016年12月 腰痛により鎮痛剤と筋弛緩剤を服用

 ※筋弛緩剤服用後に脱力、複視悪化

 

2017年  1月 重症筋無力症(MG)疑いの診断

 ※ステロイド10㎎/日服用するも躁状態になり断薬

2017年  2月 シェーグレン症候群疑いの診断

2017年  2月 母指CM関節症(左手)の診断

2017年  4月 腹筋痙攣・腓返り・上腕ピクつき

 ※徐々に脱力も進行しながら夏頃まで頻発

2017年  7月 A大学病院にてMG(眼筋型)確定診断

2017年  8月 脳脊髄液減少症(脳脊)の診断

2017年  9月 B大学病院にてMGと脳脊の鑑別診断

       (12月・併発との診断)

2017年12月 B大学病院にてMG(眼筋型)確定診断

 

2018年  5月 脂質異常症の診断('20 年5月完治)

2018年  9月 臀部と下肢の筋萎縮自覚(以後全身に)

2018年  9月 大腸ポリープ切除②(腺腫性)

 

2019年  5月 脾腫の診断

2019年  5月 虚血性心筋症の診断

2019年  5月 ダイエット開始

2019年  7月 目眩①にて救急搬送

 ※前庭神経炎疑いの診断

2019年  7月 便秘(脊柱菅狭窄症手術により改善)

2019年11月 ステロイド5㎎/日(服用開始)

2019年12月 ステロイドパルス(フル)

 

2020年  1月 ステロイド10㎎/日(5㎎増量)

2020年  3月 ステロイド15㎎/日(5㎎増量)

2020年  3月 後部硝子体剥離(左眼)

2020年  4月 ダイエット終了(1年間で13㎏減量)

 ※高血圧症・高尿酸血症・脂質異常症が完治

2020年  5月 目眩②

2020年  8月 脊柱管狭窄症(胸部)の診断

2020年  8月 椎間板ヘルニア(頸部胸部腰部)の診断

2020年  8月 側弯症の診断

2020年  9月 重症筋無力症(全身型)の確定診断

2020年  9月 ステロイド15㎎/日(同量)

2020年  9月 プログラフ2㎎/日(服用開始)

 

2021年  1月 ステロイド15㎎/日(同量)

2021年  1月 ネオーラル100㎎/日(種類変更)

2021年  1月 後部硝子体剥離(右眼)

2021年  5月 大腸ポリープ切除③(腺腫性)

2021年  6月 ステロイド12.5㎎/日(2.5㎎減量)

2021年  6月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2021年  7月 変視症を自覚(両眼)

2021年  8月 ステロイド11.0㎎/日(1.5㎎減量)

2021年  8月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2021年  9月 目眩③(新型コロナワクチン接種2日後)

2021年  9月 左眼にSLT(レーザー線維柱帯形成術)

2021年  9月 頻尿(脊柱菅狭窄症手術により改善)

 

2022年  3月 眼圧低下も期待して白内障手術(両眼)

2022年  4月 ステロイド10.0㎎/日(1.0㎎減量)

2022年  4月 ネオーラル100㎎/日(同量)

2022年  4月 緑内障末期(左眼)、中期(右眼)の診断

 ※SLT、白内障手術でも眼圧下がらず点眼治療再開

2022年  4月 脊柱菅狭窄症(腰部)手術⇒諸症状改善

2022年  5月 大腸ポリープ切除④(過形成性)

2022年  6月 ステロイド11.0㎎/日(1.0㎎増量)

2022年  6月 ネオーラル100㎎/日(同量)

 

2023年  2月 ステロイド10.0㎎/日(1.0㎎減量)

2023年  2月 ネオーラル100㎎/日(同量)