複視、視野欠損、変視症のコラボによる視界不良がストレッサーとして絶賛活躍中と、前回のブログでご報告しましたが、
その中でも左眼の変視症が、視界不良チームの新参者でありながら徐々に存在感を増しています。
横線だけでは物足りなかったらしく、縦線が歪んだかと思うと、見慣れた視野欠損とは異なる「霞み?」を点在させる技をいつの間にか身に付けて、着々とパワーアップを図っているようです。
白内障手術により濁りが無くなり、視力回復に伴いそれらを認識するようになったのかもしれませんが・・・
実際汚れていないにもかかわらず眼鏡が汚れているのではないかと頻繁に確認したり(特に逆光時)、
逆に汚れていても気付かないことが多くなったのがきっかけで、霞みの存在に気付いた次第です。
単なる歪みであれば、重症筋無力症(MG)の複視によるグチャグチャな視界に紛れてしまうのですが、霞みとなるとその存在感は抜群。
グチャグチャな視界の中にあっても、しっかり自己主張してくるため本当に厄介です。
⬇️複視の世界はこんな感じです(私の普段の見え方)
(画像処理のスキルが低くて表現出来ていませんが、左眼で見ている斜めっている画像の所々がボヤッと霞んで見えています。)
普段は、左眼で顕微鏡を覗き、右眼で紙と鉛筆を見ながらスケッチをするという学生時代の実習時に覚えた技を応用して(本当か?)、
左眼に抑制を働かせて(左眼の景色を消して)、意図的に右眼の景色を追うようにしています。
左眼の霞みや欠損が飛び込んで来るたび抑制が外れるのには困ったものですが・・・
前フリが長くなりました。
受診結果をかい摘んで申し上げれば、視野検査(30-2)の結果、左眼の視野欠損がまた少し拡大していました。
主治医の説明では左眼の欠損拡大スピードは右眼の5倍らしく、中心視野を囲むようにしたドーナツ状の欠損の完成に向け順調に推移?しているとのことでした。
また昨年来原因が判らずモヤモヤしていた変視症は、今回初めて『強度近視による網膜の変性によるもの』との説明を主治医から受けました。
『変性はこの部分』と、主治医の指し示すOCT(光干渉断層撮影)の網膜断面画像を見ると、
黄斑部から離れるに連れて網膜と脈絡膜の境界が曖昧になり、終いには境界すら無くなって網膜と脈絡膜が一体化しているのが素人の私にもハッキリ確認出来ました。
強度近視が原因の網膜変性とすれば治療法は無く、経過を見守るしかないようです。
元来、強度近視というよりは病的近視だったのでしょうが、早期発見、早期治療が大切だと、身をもって経験させていただきました。(←遅い!)
何れにしても緑内障による視野欠損と、強度近視による網膜の変性で、左眼は相当ヤバい状態のようです。
が、成るように成るさの精神で、慌てず騒がず付き合って行くことにします。
以下に経緯と受診記録を記しました。自分記録用で悠長な内容なためご興味のある方はご覧ください。
では、皆様もどうぞご自愛ください
経緯 ※緑文字は緑内障関連
2015年10月 人間ドックにて緑内障(疑い)の指摘
2015年12月 複視を自覚
2015年12月 緑内障診断(左眼:中期、右眼:初期)
※ラタノプロスト処方(両眼)
2016年 1月 ドライアイ診断、ジクアス処方
2017年 1月 複視が悪化 ⇒ MG治療へ
2017年 2月 シェーグレン症候群(疑い)の診断
2017年 6月 左眼欠損拡大によりエイゾプト処方
※左眼 : ラタノプロスト・エイゾプトの計2剤
※右眼 : ラタノプロストの1剤
2019年 2月 後部硝子体剥離(左眼)の兆候
2019年 6月 左眼欠損拡大によりアゾルガ処方
※左眼 : ラタノプロスト・アゾルガ(配合剤)の計3剤
※右眼 : ラタノプロストの1剤
2020年 3月 後部硝子体剥離(左眼)
2021年 1月 後部硝子体剥離(右眼)
2021年 5月 緑内障末期一歩手前(左眼)の診断
2021年 7月 変視症を自覚(両眼)
2021年 9月 左眼にSLT(レーザー線維柱帯形成術)
2022年 3月 眼圧低下も期待して白内障手術(両眼)
2022年 4月 緑内障末期(左眼)、中期(右眼)の診断
※白内障手術後に眼圧下がらずアゾルガ(両眼)復活
2022年 7月 眼圧下がらずラタノプロスト復活
※左眼 : ラタノプロスト・アゾルガ(配合剤)の計3剤
※右眼 : ラタノプロスト・アゾルガ(配合剤)の計3剤
2022年11月 変視症は網膜変性が原因との診断
受診記録
10時過ぎに病院へ入る。
先客は10名程。予約しているため直ぐに検査室に呼ばれる。
変視症は、今までの横線だけではなく縦線も歪んで見えるようになったこと、視野欠損なのか判らないが所々霞んで見えることなどを視能訓練士さんに報告して検査に入る。
屈折率の測定装置を活用した、恒例の複視、重症筋無力症(MG)のセルフチェック・・・
⬇️今回は左眼の回旋斜視が強く出ており、右眼は弱いようだ。よって気球の傾きは左眼の方が大きい。
【右眼】
【左眼】
(⬆️ニデックさんのHPからお借りした画像を加工)
視力検査の結果は良好で、白内障手術後の視力改善が順調なのは嬉しい。
【裸眼視力 / 前々回⇒前回⇒今回】
左眼 0.08 ⇒ 0.10 ⇒ 0.08
右眼 0.12 ⇒ 0.15 ⇒ 0.20
【矯正視力 / 前々回⇒前回⇒今回】
左眼 1.20 ⇒ 1.20 ⇒ 1.50
右眼 1.20 ⇒ 1.20 ⇒ 1.50
次は暗室でハンフリー視野計による視野検査(30-2:中心から30度以内の周辺視野を含んだ視野検査)。
今年の3月に大学病院で視野欠損(30-2)を受けた際、ゴールドマン視野計の検査結果と合わせて、左眼は緑内障末期の診断となった経緯にある。
それから左眼の見づらさが増しており、今回の結果が気になる。
眼瞼下垂が出ているため、視能訓練士さんが上瞼に絆創膏を貼って瞼を上げてくれる。(恒例行事)
ハンフリー視野計は、何段階かの明るさの光がランダムに光り、どの明るさの光点が認識出来るかを測定する検査。
今回も左眼は『ピッ』と音がしても光点が見えないことが多く、両眼とも従来通り弱い光を認識しづらい。
次はOCT(光干渉断層撮影)
角膜が乾燥して目を開け続けるのが難しかったが、一度だけ左眼で失敗したものの今回は順調に終了。一旦ロビーにて待機の指示。
診察室に呼ばれる。
角膜チェック、アプラでの眼圧測定後に主治医からの説明。
『左眼の角膜に傷がありますが前回より改善しています。よって、今回はムコスタの処方はしませんが、ジクアスをしっかり点眼してください。』
『相変わらず歪んで見えるとのことですが、OCT画像を見ても、(強度近視により)眼球後方が突出していますが物理的に歪みが生じる程ではなく、また、黄斑部も綺麗なため歪みの原因が見当たりません。』と、主治医。
「当初は横線が波打っていたが、縦線が歪んだかと思うと、いつの間にか中心視野の所々が霞むようになった。逆光時にその霞みが目立つ。」と、
症状が悪化しつつある現状を、今回はいつになく力強く主治医に伝えてみると・・・
『中心視野に感度が落ちている所があっても、広範囲で霞みが生じるような欠損はありません。症状と視野検査の結果とが合いません。』と言って主治医が考え込む。
ハッと気づいたように『網膜が変性しているのが原因かもしれません。OCTのこの部分を見てください。黄斑部から離れるに連れて網膜と脈絡膜の境界が曖昧になっています。この曖昧になっている所が変性している部分です。』と、過去のOCTデータを見比べながら説明してくれる。
『網膜の変性は強度近視が原因だと考えます。残念ながら治療法は無く、経過を見守るしかありません。』と、主治医。
主治医の指し示すOCT(光干渉断層撮影)の網膜の断面画像を見ると、次第に網膜と脈絡膜の境界が曖昧になり、終いには網膜と脈絡膜の境目が無くなり一体化しているのが判る。
重症筋無力症による複視も1年間、主治医に放置された実績がある。変視症も診断(仮?)が付くまで1年掛かってしまった。
あれだけ騒いてやっと診断が付いたものの、その治療法が無いとは・・・
急転直下とはこういうこと?
劇的な治療法が無いのは神経系疾患共通のことと理解しつつも、情報不足から、消化不良などから頭の整理が出来ていないため、今日はこれ以上の深掘りは止めることにする。
『眼圧は左眼13、右眼14です。左眼が下がって来たようです。』
【眼圧の推移(右端が今回)】
左眼 15 ⇒ 14 ⇒ 14 ⇒ 13
右眼 14 ⇒ 14 ⇒ 14 ⇒ 14
『ただ残念ながら、左眼の視野の下側(時計盤で言えば18時から21時あたり)の、中心視野と周辺視野の境界に新たな欠損が生じました。』
『左眼の欠損拡大のスピードは右眼の5倍ほどで、中心視野を囲むようにして視野欠損が広がって来ています。』
『両眼とも欠損が無い部分の感度が更に落ちています。弱い光を認識出来ない領域が徐々に広がっており、更に進行すれば欠損になると考えてください。』と、主治医。
過去からの画像データをスライドショーのように見せながら説明してくれるのは、いつものことながら有り難い。
新たに視野欠損が生じた所は以前から感度が低く、既に網膜がペラペラになっていた所。欠損拡大は想定内のことでありさほど驚かない。
緑内障手術の予定はあるのか主治医に確認してみると・・・
『眼圧は左眼が若干下がったように見えますが、白内障手術前とさほど変わりありません。かと言って、大学病院での日内変動検査で眼圧の左右差が無かったこと、網膜変性症への影響や、手術により眼圧が下り過ぎるリスクなどを考えれば、今すぐ緑内障手術には踏み切れません。』
『次回(半年後)の視野検査(10-2)により治療方針を決定したいと思います。』と、主治医。
今般網膜の変性が判ったばかりで、慎重にならざるを得ないのは理解出来る。
主治医が今日は店じまいとの雰囲気を醸し出しており、こちらとしても変視症が消化不良気味なため長居は無用と点眼薬の必要数を伝え、診察室を出ることにした。