義父とその再婚相手である義父妻。2人は自宅から6kmほど離れたところにある教会に毎週通っていた。3年前までは。

 

新型コロナの流行で教会に集まることを禁止されて以来、2人はテレビやネットで中継される教会の説教を受けるようになった。いちいち教会に通わないことがすっかり心地良くなったのか、現在もネットで説教を受けている。

 

教会に通わなくなっても義父は献金を続け、教会からは定期的にニュースレターのような冊子が義父の自宅に送られてきている。私たちはそう聞いていた。

 

しかし先日、義父から聞いた話では、もう2・3年は届いていないようだった。

 

 

 

教会で働いている人はごく一部を除いて大体がボランティアであり、そのボランティアの人たちが清掃、信者へニュースレターなどを発送、冠婚葬祭の受付や準備、後片付けなどを行なっているらしい。

 

先日、義父に教会から電話がかかってきたそうで、義父から聞いた話では、会話はこんな感じであった。

 

教会の人「毎月送っているニュースレターなんですけど、ずっとこちらに返送されてきているんですよ。引越しでもされたんですか?」

 

義父「引越しなんてしてないよ。もう30年はここに住んでいるけど?」

 

教会の人「そうなんですか?でも、そちらに送っているものが毎回戻ってくるのは何故なんですか!?」

 

と、教会の人は義父に問い詰めるような感じで言ったらしい。義父は自分が悪いわけじゃないのにそんな言い方をされてムッとしたようだ。

 

義父「んなこと聞かれても分からないよ。」

 

教会の人「お宅の住所って ○○市 XXXX通り 1234番地 ですか?」

 

義父「1234・・・?違うよ。B市 A通り 9876 番地 だよ。」

 

教会の人「え?でも、○○市 XXXX通り という住所で届け出されていますけど?」

 

義父「そんな住所を届け出たことはないよ。」

 

教会の人「おかしいですね。どうして間違った住所になっているのでしょう・・・?」

 

と、なおも納得行かないと言いたそうな声で、言い返されたそうだ。

 

 

 

義父は私たちにその時の話をしながら、「全く何を言っているんだか。あっちが勝手に俺の住所を間違って登録したんだろう。○○市 XXXX通り なんかに住んでいないのに!」と怒っていた。

 

後で我が夫が私に言ったのは、「多分、パパが教会に小切手を送ったことがあるんだと思う。その ○○市 XXXX通りって、パパが使っている銀行の所在地だと思う。」と。

 

そして、夫がその銀行の所在地を調べると、やはり、○○市 XXXX通り 1234番地 であった。

 

小切手の裏には発行元の銀行の住所が印刷されているのだが、義父が教会に渡した小切手の裏にも当然、その住所が記載されている。もちろん、銀行の名前もそこにある。

 

おそらく、教会から何かの発送の際に義父の家の住所が分からなくなり、義父から送られてきた小切手の裏に書かれているその住所を、教会の人たちが「この住所でOK!」ということで登録したのではないかと、我が夫は推測している。

 

教会から電話をしてきた人は、義父がきちんとした住所を届け出ていないと解釈したようで、義父はなおもブツブツ言われたらしい。