先日の

 

 

の続き・・・。(いつまで続くのか・・・)

 

 

自宅で朝ご飯を食べて以来、途中で水くらいは飲んだけれど、移動で忙しくて何も食べないままNYへやってきた私たち。

 

午後3時半過ぎにホテルのチェックインを済ませ、以前から調べてあったお目当てのピザ屋に辿り着いたが、目の当たりにした途端、そこで食べる気がすっかり失せてしまった。

 

どこか別の場所で、ゆっくり座って食べられるピザ屋はないかと探し回ったのだが、この付近にある飲食店はほぼ、バーを併設している店だらけ。

 

しかも、この日はフィラデルフィアにて大きな大学のフットボールの試合があり、その中継を見ながらお酒を飲もうと大勢の人が集まっていた。

 

とてもじゃないが、落ち着いて食事ができるわけがない。

 

 

 

引き続き歩いて行くと、夫がある店を発見。

 

「君が好きそうなところがあるよ。ほら、美味しそうなパンも置いてあるよ。」

 

と、指差した店はフレンチのカフェ。私はフレンチの店が大好きである。

 

「ほら、寒いから早く!」

 

と言って、夫は私の背中を軽く押し、店の中へ。

 

「うわぁ、デニッシュが美味しそう!」

 

興奮した私は店のショーケースの中にあるマフィン、クッキー、パン各種を眺めた。

 

もちろん私が住んでいる街でもこのようなものは買えるし、似たような店はある。しかし、なぜか地元では買おうという気があまり起こらないのである。ちょっと奮発して買って食べても、「なんだ・・・、こんなものか」と、期待以下だったという感想が多い。

 

その原因として、私が住む田舎街とNYのような洗練された都会の決定的な違いは“こういうお洒落な感じの有無”だと思っている。

 

例えば、“うわぁ、ここで買いたいなぁ”と思わせてくれる店で選んだものは、奮発して買ったことを後悔をしたくないという心理が働くのか、“やっぱり買って良かった”と思いたくなり、結果的に“美味しい!”と思い込み易いのだと思う。

 

ひょっとするとNYで買っても、私の田舎街にあるパン屋で買っても、大して変わらないかもしれないが、たとえ思い込みだとしても“買って良かった”と思えることは1つの幸せでもあると思っている。

 

日常生活でこういうことがあるかどうかは、かなり重要だと思う。でも、私の地元では、滅多に起きることがない・・・。

 

 

 

さて、案内された席のテーブルと椅子を見ると、シンプルで少々古めかしい感じがするが、その代わり、丈夫な造りらしいことが分かる。椅子の背もたれを軽く揺すってもグラグラする感じがしないし、テーブルも安定している。そして、どちらも重さがある。今どき、重くて丈夫な家具はなかなか手に入らないので、これは貴重である。私がこういう家具が大好きだ。

 

 

メニューを見ると、どれもこれも私の好きなものばかりで、私は機嫌がすっかり良くなった。

 

「うーん、これも良いし、あれも良いな。あ、やっぱりそれにする。いや、やっぱり、これかな・・・」

 

と、迷ってばかりでなかなか決められず、「ねぇ、3つともオーダーしたらダメかな?」と聞く私だったが、もちろん料理を3つも食べられるわけがない。

 

コーヒーは熱過ぎることもなく、ぬるくもなく、ちょうど良いのが気に入った。熱々のコーヒーが好きな人からすれば文句が出そうな温度ではある。

 

やや薄めだが、自宅で飲むものと香りが少し違うところも、なんだか贅沢な感じがする。

 

注文した料理はキッシュで、期待通りの美味しさ。そして、ドレッシングが美味しいサラダ付き。

 

 

欲張ってトマトのスープも。スパイシーだと聞いていたけど、全然辛くない。

 

 

デザートも注文。もちろん、私の大好きな濃いチョコレート系だ。

 

私が住んでいる地域では、こんなふうに“美味しいなぁ、幸せだ〜。また来たいなぁ。”と感じられる店は、あることはあるのだろうが、全く知らない。

 

店の外観や内装に凝ったところは幾つかあるが、残念なことに、そういう店ではスタッフの対応が良くなかったり、料理に対する店のプライドを感じない(つまり、不味い)ところが多いと思う。見た目はお洒落、でも大した料理じゃないのに値段はやたらと高い、とか。

 

その逆で、自信を持って料理を提供する店はストリップモール(小規模のショッピングモールとでも言えば良いか・・・?)に入っていたり、店の周辺がただの住宅街だったり、ちょっと治安を疑うような怪しげなところにあったりする。

 

勇気を出して入ってみたら、すごく美味しい!ということは何度か経験がある。でも、やっぱり店構え、営業場所は様々な意味で“良いところ”であって欲しい。

 

こういう時っていつも、「やっぱり、(アメリカの)田舎より都会が良い」とつくづく思ってしまうのである。

 

そういう私と違って、我が夫は都会の魅力が全く分からないらしく、田舎が良いそうだ。