昨年の春のこと。

 

食洗機を稼働させながら、一方で手洗いが必要なものをシンクで洗っていると、大さじ1杯分くらいの水が床に垂れているのに気づいた。

 

そこは、シンクと食洗機が設置されている隙間の前。その時は、自分が皿を洗いながら水を跳ねたと思って拭き取った。しかしその後、同じ場所に水があるのを何度か目撃し、変だと思うようになった。

 

何度拭いても、繰り返し微量の水が垂れていることが気になったので、懐中電灯を使いながら周辺をチェックしたのは5月に入ってからのこと。

 

食洗機とシンク下の間の隙間はとても狭くてライトがなかなか当たらず見にくかったが、時々、チラッと、何かが膨らんでいるように見えた。

 

その膨らみの前には食洗機に繋がる排水用ホースがあるので、すぐに水漏れを疑い、膨らみは水を吸った化粧板じゃないかと思った。

 

 

 

急いで食洗機を引っ張り出してみると、ちょうどシンク下と食洗機を収める場所の間にある化粧板はすっかり濡れて、ふやけて膨らんでしまっていた。

 

食洗機全体を覆う断熱材も濡れていて、水漏れの箇所を探していると食洗機のホースが接続されている周辺に小さな亀裂を発見した。ここから、食洗機を使うたびにちょっとずつ水が漏れて行ったと思われる。

 

その後、この機種はかなり古いことが分かり、廃棄処分することになった。

 

 

しかし困ったことに、すぐに買い換えたいと思っても、2021年はどこも品不足だった。

 

2020年以降、コロナで流通がストップし、いろいろな業界で生産に悪影響が出て、車も電化製品も、そして修理用の部品も不足しているというニュースが聞こえていた頃だった。そんな状況で作られたものは、なんらかの問題を抱える確率が高くなることは容易に想像がつく。

 

もちろん、調査をしたわけではないので断言できないが、運悪く不良品の購入という結果にならないよう、リスクを回避するにはよく考えなければならない。それで夫は、慌てて買うことは得策ではないと言った。

 

当時の私は食洗機を使うことに慣れていて、失ったらそれはそれで不便だと思った。早く新しいものを取り付けたかったものの、不良品を購入することになるのは嫌だったので、しばらく待つという案に賛成したのである。

 

意外にも無かったら無いでどうにかなってくると買う意欲が湧かず、1年以上、このままになった。

 

しかし、義父の再婚相手である義父妻から見たら、これは見苦しいだけで恥ずかしいと思っているので、買ってやるから早く食洗機を設置しろ、と言ってきたのである。

 

義父妻は家の内装を常にモデルハウスのようにしたくて、義父の家を何度も改装しているほどで、見かけよりも質を重視する私の思考が到底理解できないようである。

 

義父妻の行動は余計なお世話といえばそうなるが、我が夫は

 

「(義父妻の)気が変わらないうちに、遠慮なく買ってもらった方がいい。」

 

と言っていた。

 

ま、そりゃそうだね。