私は料理をする時、

野菜スライサーに頼らず

包丁一本で勝負をする。

 

勝負だなんて大袈裟な言い方だが、

これにはワケがある。

 

かつて転勤族だった私たちは、

海を渡る引っ越しが多く

簡易キッチン付きのホテルで

数週間近く生活する事が

何度かあった。

 

スーツケースには、季節の衣類・

靴・バッグ・化粧品の他、

調理道具も入れていた。

 

薄いマナ板・包丁・菜箸・卸し金

などであったが、野菜スライサーを

入れる余裕がなかったので、

どこに行っても包丁1本でこなす

必要があった。

 

と言いながら、実は、現在暮らす家に

引っ越してきた時にお祝いとして頂いた

野菜スライサーセットが

我が家の台所にある。

しかし、一度も使ったことがない。

 

 

 

 

 

先日、夫に料理を教えることに

なったと書いたのだが、

夫が包丁を使いこなすようになるには、

結構な練習量が必要である。

 

乱切りや5mm程度の薄切りなどは

初心者も出来るだろうが、

薄切りにしたものを更に千切り、

微塵切りにするには、

中級〜上級の腕前がなければ

難しいだろう。

 

なので、夫にはできれば

野菜スライサーを使わせる方が良い

と考え、その未使用の野菜スライサーを

引っ張り出して試したのだが…。

 

 

結論としては、これはあまり良くない。

 

 

使い方としては、これ一台で

いろいろな種類の刃に

交換することができるのは

大変な優れもののようだが、

これをこのまま使うと、使用後は、

全く使っていない刃も一緒に

洗わなければならない。

 

 

刃は全部外し、溝という溝も

隅々まで洗うとなると、

かなり大変。

 

しかも、4・5人分以上を

作るのならまだしも、

たったの2人分であれば、

ほんのちょっとしか

切る必要がないわけで、

スライサーよりも包丁で

ササっと切る方がずっと便利である。

 

さて、スライサーの使い心地は

どんな風だったかというと…。

 

まず、野菜スライサーで

トマトを切ってみたが、

切れ味がとても悪く、

トマトが押し潰されながら

スライスされる感じ。

だから、切った表面がとても汚い。

 

 
 
この後、トマトを包丁で切ったら、
そっちの方がずっと綺麗だった。
 
スライサーの刃、今まで一度も
使っていなかったけれど、多分、
あまり鋭くないのではないかと思う。
 
こういうスライサーの刃は
研ぐことが出来ないだろうから、
どうにもならないかも。
 
玉ねぎもなんだかなぁ…。
根元の方なんか崩れてしまうし。

 

と言うわけで、夫に事情を説明し、

スライサーには期待できないので、

これから包丁を使いこなせるよう

特訓をすると伝えてある。

 

今のところ、夫には

トマトと玉ねぎの薄切りだけを

担当してもらっている。

 

そばで見ていると、夫の

危なかしい手つきに冷や冷やするが、

夫を褒めちぎり(無理があるが)、

おだてまくっている。

 

とにかく夫のやる気を

損なわないように

私も最大限の努力をしている。

 

大人だって褒められないと

凹んでしまうし、何しろ、

褒めて育てると言う方針のもとで

育ったアメリカ人の夫だから、

日本のバリバリ体育会系のノリで

特訓されるものなら、

すぐさまイジけてしまうのだ。

 

私もとっても気を使っているのである。