【テーマ・ほけんたいいく】
わたしはどこかの河原で
小石遊びをしています。
気になる小石
そうでない小石
きれいな小石
そうでない小石
好きになった小石
そうでない小石
どう感じたものであっても
感じたものはできるかぎり
慎重に積み上げていく遊びです。
言葉を集めれば集めるほど
ひとつひとつは間正直でも
集合体はうそになるように
小石も集めれば集めるほど
ひとつひとつは美しくても
集合体は重力に対して弱い。
崩れ落ちることを予期したときから
無垢な遊びごころは徐々に失われて
崩れ落ちることを恐れたときから
それは小石遊びではなくなります。
予感はあったのです。
劇的に快復していたはずの冷え症が
春ごろからまた訪れていました。
呼吸はいつしか浅くなり
足はひどくむくんでいました。
積み上げた小石の塔。
次に積み上げる小石は
あそこでわたしを呼んでいたのに
わたしはその声をきかないで
塔が崩れないような小石を探した。
次に積む小石がどんな小石であっても
あとひとつ積んだら塔は崩れるのです。
ならばあそこで積まれることを
切に望んでわたしを呼んでいる
あの小石を積み上げればいい。
それなのにわたしは
今にも崩れてしまいそうな
塔の傍らを離れられず
別の小石をつかんで積んだ。
そして、塔は崩れ落ちた。
これまでひとつひとつ積み上げた
気になる小石もそうでない小石も
きれいな小石もそうでない小石も
好きな小石もそうでない小石も
すべて、崩れ落ちた。
そういう心境です。
魔女の一撃とよばれる
腰への激痛は文字通り
わたしを腰砕けにしました。
生まれてはじめて
ハリ治療を受けました。
まだ思うように動けません。
あそこで次の小石が
光っています。
見失わないように
気をしっかり持っていたい。
なにがいけなかったのか
わかっているのです。