【テーマ・りか】
地球の若かりしころ
…今も若いのかもしれないが
かつて酸素のない時代があった
当時の生物にとって
酸素は有害なものだった
しかし地球はその後
奇跡的な生命に有害な酸素原子を
大量に増幅させオゾン層をつくり
のちに溢れる多種多様な生命の
誕生の条件を生み出してゆく
生物は長い時をかけて
なかば地球と運命を共にしながら
絶えず変化を続けてきた
現在もまた
その長い変化の時代にありながら
わたしたち人間ひとりの寿命は
あまりに短く
宇宙規模の変容についてゆけるほど
ひとの一生は長くはない
生命体として進化の過程にあれど
既にあてがわれた肉体は
現時点で完成されたメカニズムに支えられ
今さら有害物質に怯えようと
たかだか数世代では
生物学的な進化も変異も
都合よく望みようもない
生前の歴史を知るがゆえの
罪深い恐れと諦めである
しかしわたしたち人間は
今も確かな変化の流れのなかに
生きるべき一生を預かっており
この短く儚く愚かな命でさえ
途絶えればそこで何かが終わるような
小さくても確かなつながりを持っている
わたしの肉体を巡った酸素が
体内で炭素と結合して
吐き出した二酸化炭素を
他の生命である植物が
光合成に使うそれだけで
わたしと世界はつながっているのだ
日々絶えず変化する細胞を
何億も抱えておきながら
わたしはなかなかにして
大きな変化を感知できない
それは自分の寿命をはるか上回る
長い歴史のなかに生きていることに
思いを偏らせ過ぎることで生まれる
「なんてちっぽけな自分」という
錯覚の甘い誘惑である
わたしたち人間は
少なくともわたしは
何か大きなものに包まれていることで
安心しようとする
幼い精神の生き物であると思う
それでいて
大きなものの懐では
あまりにちっぽけな自分に
不満や頼りなさを抱き苛立つ
矛盾を孕んだ生き物である
既に数えきれない細胞を
爪を切ったり垢をすったりする度に
その死を見つめておきながら
自身が既に大きな存在であることに
まったく気づかない節穴ぶりで
いつもこの身を包んでくれる
より大きな懐を求めて
その欲求に翻弄されては
愛だのなんだのと渇望を繰り返す
母親の子宮という懐で
胎児として過ごした
十月十日の記憶が
そうさせるのかもしれない
その記憶こそ
種の保存につながる
本能なのかもしれない
だとしても
より大きな懐を求めて
右往左往するよりも
自分自身のなかに宿る
何億といういのちを感じて
既に自分がより小さなものの
懐になっているのだと思えば
ちっぽけだと思っていた世界が
不思議と大きく拡がり
隔絶されたと思っていた世界が
植物ひいては自然とつながっているとわかり
意識が大きく変化する
わたしたちは
既に現時点で完成された
一世代では進化しようもない
肉体を預かっていて
今さら肉体的な変異や変化は
望みようもないと知っているが
そんなカラダのなかに
いかなる環境変化にも
たくましく適応してゆく
変幻自在なこころを
宿している
短く儚い一生のなかで
宇宙の歴史や進化の歴史に
匹敵するくらいの変容を
遂げることができるのだ
ときに錯覚し
ときに混乱し
七変化しながら
これという形に留まることなく
いつも変化し止まらない
変幻自在なたましいの自由を
生まれたときから
与えられているのだ
肉体が存在できる条件は厳しい
肉体が存在できる期間も短い
しかし与えられた自由には
条件や期間はない
むしろその精神の自由が
世界を存続させる条件にさえ
なっているように感じる
思うように書けず…無念である
地球の若かりしころ
…今も若いのかもしれないが
かつて酸素のない時代があった
当時の生物にとって
酸素は有害なものだった
しかし地球はその後
奇跡的な生命に有害な酸素原子を
大量に増幅させオゾン層をつくり
のちに溢れる多種多様な生命の
誕生の条件を生み出してゆく
生物は長い時をかけて
なかば地球と運命を共にしながら
絶えず変化を続けてきた
現在もまた
その長い変化の時代にありながら
わたしたち人間ひとりの寿命は
あまりに短く
宇宙規模の変容についてゆけるほど
ひとの一生は長くはない
生命体として進化の過程にあれど
既にあてがわれた肉体は
現時点で完成されたメカニズムに支えられ
今さら有害物質に怯えようと
たかだか数世代では
生物学的な進化も変異も
都合よく望みようもない
生前の歴史を知るがゆえの
罪深い恐れと諦めである
しかしわたしたち人間は
今も確かな変化の流れのなかに
生きるべき一生を預かっており
この短く儚く愚かな命でさえ
途絶えればそこで何かが終わるような
小さくても確かなつながりを持っている
わたしの肉体を巡った酸素が
体内で炭素と結合して
吐き出した二酸化炭素を
他の生命である植物が
光合成に使うそれだけで
わたしと世界はつながっているのだ
日々絶えず変化する細胞を
何億も抱えておきながら
わたしはなかなかにして
大きな変化を感知できない
それは自分の寿命をはるか上回る
長い歴史のなかに生きていることに
思いを偏らせ過ぎることで生まれる
「なんてちっぽけな自分」という
錯覚の甘い誘惑である
わたしたち人間は
少なくともわたしは
何か大きなものに包まれていることで
安心しようとする
幼い精神の生き物であると思う
それでいて
大きなものの懐では
あまりにちっぽけな自分に
不満や頼りなさを抱き苛立つ
矛盾を孕んだ生き物である
既に数えきれない細胞を
爪を切ったり垢をすったりする度に
その死を見つめておきながら
自身が既に大きな存在であることに
まったく気づかない節穴ぶりで
いつもこの身を包んでくれる
より大きな懐を求めて
その欲求に翻弄されては
愛だのなんだのと渇望を繰り返す
母親の子宮という懐で
胎児として過ごした
十月十日の記憶が
そうさせるのかもしれない
その記憶こそ
種の保存につながる
本能なのかもしれない
だとしても
より大きな懐を求めて
右往左往するよりも
自分自身のなかに宿る
何億といういのちを感じて
既に自分がより小さなものの
懐になっているのだと思えば
ちっぽけだと思っていた世界が
不思議と大きく拡がり
隔絶されたと思っていた世界が
植物ひいては自然とつながっているとわかり
意識が大きく変化する
わたしたちは
既に現時点で完成された
一世代では進化しようもない
肉体を預かっていて
今さら肉体的な変異や変化は
望みようもないと知っているが
そんなカラダのなかに
いかなる環境変化にも
たくましく適応してゆく
変幻自在なこころを
宿している
短く儚い一生のなかで
宇宙の歴史や進化の歴史に
匹敵するくらいの変容を
遂げることができるのだ
ときに錯覚し
ときに混乱し
七変化しながら
これという形に留まることなく
いつも変化し止まらない
変幻自在なたましいの自由を
生まれたときから
与えられているのだ
肉体が存在できる条件は厳しい
肉体が存在できる期間も短い
しかし与えられた自由には
条件や期間はない
むしろその精神の自由が
世界を存続させる条件にさえ
なっているように感じる
思うように書けず…無念である
【テーマ・こくご】
うしろの正面どこにある
西か東か北側か
内か外か頭の上か
うしろの正面だれがいる
笑っているのか怒っているのか
泣いているのか憎んでいるのか
うしろの正面そこにある
振り返ってもそこじゃない
目をつぶっても見えやしない
うしろの正面きみがいる
昨日のわたし去年のわたし
会いたくっても会えやしない
うしろの正面それはここ
うしろはまえで昨日は明日
きみは見えぬがきみは居る
うしろの正面いつ見える
生まれたときから見えている
うしろの正面どこにある
西か東か北側か
内か外か頭の上か
うしろの正面だれがいる
笑っているのか怒っているのか
泣いているのか憎んでいるのか
うしろの正面そこにある
振り返ってもそこじゃない
目をつぶっても見えやしない
うしろの正面きみがいる
昨日のわたし去年のわたし
会いたくっても会えやしない
うしろの正面それはここ
うしろはまえで昨日は明日
きみは見えぬがきみは居る
うしろの正面いつ見える
生まれたときから見えている

