【テーマ・架空日記】


あれから3日。

夢見るように過ぎていく真夏の日々。
夏休みという名の悪夢。

星子の身に起こったことを書いたら
あとあと後悔することになると
わかっているのだけれど
書き留めずにいられない私がいる。

星子が何処で誰に会おうと
私には関係のないことなのだけれど
何処かで星子が誰かに
傷つけられたとしたらそれは
私にも深く関係のあることに変わる。

星子の受ける傷は
私の傷でもあるからだ。

深く傷ついた星子は
誰にもわからないように悲しむものだから
せめて私くらいはその悲しみを
星子にわからないように気づいていたい。

それができるのは
たぶんこの世で私だけだ。


星子は今日ムラサキに会った。

私はムラサキが嫌いだけれど
星子はムラサキが好きなんだ。

私がムラサキを嫌いなわけは
ムラサキが星子を好きだからだ。

星子とムラサキは
お互いがお互いを好きなのに
どうしてか傷つけ合うばっかりで

星子はいつも
こっそり泣いている。

ムラサキは星子を好きだと言わないし
星子もムラサキを好きだとは言わない。

言ったら星子でもムラサキでもない
他の誰かが深く傷つくことを
ふたりとも知っているからだ。

けれど、他の誰かを傷つけないために
星子もムラサキも傷だらけになっていく。

私はそれを夢見るように黙って見ている。

星子、そんなに辛いなら
いつでも私があなたになってあげるのに。

ムラサキなんか忘れて
もっと幸せな毎日を送ってあげるのに。



そんなことはできないって
わかっているのだけれど

星子、あなたが泣いているのを
せめてムラサキに伝えてやりたい。

そうしたらムラサキの傷も
少しは癒えるような気がするのに。


夏休みという名の悪夢。
私は明日もきっと夢のなかだ。