【テーマ・こくご】


色とりどりの光る小石の原で
ある日わたしたちは出会った

きらきら光る小石のなかから
あなたは赤く透き通った小石を
わたしは青く透き通った小石を
それぞれ拾って御守りにした

あなたもわたしも
誰かを探して旅をしていた

あなたはいつも強かった
旅の途中で出会う魔物も
あなたの剣には敵わなかった

あなたのからだは
倒した魔物のかえり血を浴びて
赤い小石のように光っていた

魔物と闘うあなたの姿は
命を奪って生き延びる喜びと
命を脅かされて生じる怒りで
赤い小石のように燃えていた


わたしはいつも弱かった
旅の途中で出会う魔物も
わたしなぞには構わなかった

わたしのからだは
にらむ魔物のまなこに怖じけて
青い小石のように光っていた

魔物に怯えるわたしの姿は
命を奪われてついえる恐怖と
身の守りさえ忘れた悲しみで
青い小石のように冷えていた


そうしてついに
あなたとわたしは
探していた誰かを見つけ出した

それは大きな
大きな女のひと

数えて七つの眼をもち
大地を呑み込む口をもち
両手を広げればこの世のすべてを
覆い隠してしまうほど

おおきな女の化け物だった


あなたはあなたの限界を超えて怒り
あなたはあなたの限界を超えて闘う

わたしはわたしの限界を超えて怯え
わたしはわたしの限界を超えて叫ぶ

あなたの剣は折れて
あなたは闘いに敗れ
あなたの赤い小石が砕ける

わたしの胸は裂けて
わたしは絶望に陥り
わたしの青い小石が砕ける

身代わりのお守りが砕けたとき
あなたとわたしはどこにいたのか


女のひとが泣いている
女のひとが大切にしていた
虹色のガラス玉が割れたのだ

女のひとの身を守る
虹色のお守りが砕けたのだ

きらきら光るガラス玉の
破片はまるで小石の原だ

あなたとわたしは
そこで生まれて
あなたとわたしは
そこで出逢った

あなたは赤い小石のように怒り
わたしは青い小石のように嘆き

あなたもわたしも
あのひとを探して旅に出た


あなたはわたしで
わたしはあなた

わたしたちは
虹色のガラス玉