今月陸上自衛隊のとあるtweetが大きな問題となっている。以下↓


第32普通科連隊のツイート

 この投稿で文の1行目に「大東亜戦争最大の〜」と確かに書かれている。私は目を疑った。゛大東亜戦争゛という言葉は、戦中に日本軍部が東アジア侵略を正当化する為に「我々は東アジアの人民を解放している」と主張して用いた言葉だ。これは日本の軍事組織としてあるまじき言動であると言わざるを得ない。

 日本が「東亜解放」の名の下、無実のアジア人民に何をしてきたか、幾百万人ものアジア人民が旧日本軍に虐殺された事実を陸上自衛隊は、どう考えているのだろうか?

 インドネシア人は今でも独立記念日に「日本軍の悪行の数々」と題したパレードを開催している。そこでは木の棒に突き刺された女性や絞首刑にされた徴用工の人々の像が通っていく。

※ショッキングな画像が写ります※
インドネシア抗日闘争を祝うパレードの被害者の像

 私の知り合いのあるインドネシア人留学生は、「日本人の多くがインドネシアは旧日本軍のおかげで独立出来たと考えているのにとても腹が立つ」、「日本はスペインやオランダと同じただの侵略者だ」と私に語ってくれた。

 インドネシアを含め、旧日本軍は「大東亜戦争」の名のもとに多くの東アジア及び東南アジア占領地で現地人を「戦争協力」の名の下、徴用し奴隷として酷使した。第32普通科連隊はその事実を知りながら「大東亜戦争」という言葉を使ったのだろうか?この自衛隊ツイートを巡り各マスメディアは、批判記事を展開した。

 朝日新聞は「自衛隊の歴史観 戦争の風化を懸念」と題した批判記事を出した。

 日本共産党機関誌の赤旗新聞は「自衛隊の戦争賛美、ここにも」と題して過去の自衛隊の言動も深堀りして追及した。

木原防衛大臣
 
 32連隊の「大東亜戦争」の投稿を巡っては、木原稔防衛相が「硫黄島が激戦の地であった状況を表現するため、当時の呼称を用い、その他の意図はなかった」と、苦しい釈明に追われている。