「台湾有事は本当に起こるのだろうか」「私には米国や西側が中国をけしかけているようにしか見えない」こう持論を展開するのは2009年の政権交代の立役者で2009年から2012年まで続いた民主党政権の初代首相を務めた鳩山由紀夫元首相だ。


政権交代の立役者 鳩山由紀夫元首相

 鳩山由紀夫元首相は10日、映画監督の太田隆文氏と会見した事がエコノミスト紙の記事で報じられた。

鳩山由紀夫元首相と太田隆文

以下エコノミスト紙引用↓

「台湾有事が全くないとは思いませんが、この台湾有事は非常に作られていると思います。有事が言われ、1番得をしているのは軍産複合体です」と鳩山元首相は語った。

 実に的を得た指摘と言える。今の岸田やバイデンが反中、反共を熱心に煽っているのも中国との戦争で金儲け出来るアメリカの連中がそう言わせているのだ。

鳩山氏「習近平さんは福建省長時代には台湾の方々と親しかったわけです。台湾は中国の一部と言っているわけですから、すぐに武力で統一しようと思うわけがないじゃないですかね。ただ、アメリカが台湾を独立させようと動いて、日本がそれに協力するとなれば、武力行使もあるかもしれません。その時に攻撃されるのはアメリカ本土ではなく、日本です。そうなったら、沖縄だけではなく、東京だって、危ないということは気づかないといけないと思います」

 これも最もな指摘だ。今の自民党を支持する日本国民は自分の身は安全だろうと考え無作為に他国との戦争を煽る好戦内閣を支持してしまっている。

太田「沖縄の方々からも、中国は侵略しようとは思っていないんじゃないか、という話を伺いました。攻めようとして、だれが得をするのかを考えると、ミステリーですよね。マスコミで言われている台湾有事は違うかもしれない、と考えるようになりました。僕としては、どこの国が危険だぞ、と伝えたいわけではなく、時代の流れを見て、考える力が大事。自分の目線を持とうよ、というのがテーマではありますが」

 現在公開中の太田監督製作の「沖縄狂想曲」米軍基地が本当に日本にとって沖縄にとってメリットがあるのかを問いかける映画で静かに話題を呼んでいる。

 日本の右翼や軍国主義者ら好戦的な人達は沖縄の人達の意見を踏みにじり中国が侵略してくるから米軍に守ってもらうという理論で米軍の沖縄占拠を正当化しているがそれ自体が作られた世論なのだ。

鳩山氏「もっとこの国は自分たちで安全を守っていかないといけない。でも、自衛隊を強化していけばいい、というわけではないんです。東アジアは運命共同体です。戦争が起こりようもない状態にすればいいだけで、それには周辺の国々と友好関係を築いていくことが大事。それもしないで、脅威を叫べば、相手も当然脅威を感じて、戦力を高めてしまう。軍事費を2倍にする金があったら、教育や高齢者福祉に回せば、もっと住みやすい国にできるんじゃないかなと思います」

 鳩山元首相は日本から米軍基地を全廃することこそ日本の真の独立だと考えている。それに対してSNSなどでネトウヨが「非現実的」「対案を出せ」噛みつくが東アジア諸国の友好関係、友愛政治がその対案である。
日本と東アジアの平和の為に米軍基地撤退を
以下エコノミスト紙引用↓
太田監督「アメリカは沖縄から撤退したからといって、困らない。むしろ、日本側が『行かないでくれてくれ。その代わりに土地出すから』と言って、そこで儲かる人がいたという構図が取材で分かってきました。それが、何で間違ってしまったのか。沖縄には基地があるから、豊かになれると思っている人がいますが、それは間違いです。むしろ、基地があることで沖縄は全国最低所得になっていますし、基地の跡地に建てられたアメリカンビレッジ(リゾート地)は非常に成功しています」

 今も辺野古移設問題が大きく揺れているが、沖縄から米軍基地がなくなる日は来るのか。

鳩山氏「なくなる日は来ると思います。それは、外から眺めて、『なくなればいいな』ではなく、行動しないといけない。一方、トランプ氏が秋の大統領選に勝てば、来年くらいには全部なくなっても、おかしくない。トランプ氏が大統領在任中、在日米軍駐留経費(年間約80億ドル)を要求したのも、米軍引き上げのための口実作りだと思うんです。彼らにとっては、日本に基地を置くメリットはない。軍事的には中国のミサイルはアメリカ本土に届く性能はある。ならば、別のところにお金を使おうと計算している気もします」

 普天間基地移設問題で「最低でも県外」と発言し、その“公約”を果たせなかった鳩山氏は、この『沖縄狂想曲』に出演し、沖縄問題について語り、映画の発信力に期待もしている。