ミトミくん
今日、バスに乗ってるとき急に背中が痒くなった。でも、コートも着てたし、手も届かないところだったので我慢していたら、ミトミくんを思い出した。
俺が中学生のころは、体育教官というくくりの人達がえらく暴力をふるっていた。
なかには、女の子にまでビンタをして鼓膜を破ったような人までいた。今だったら完全に事件だと思う。
そんななか、中学1年生の時の先生は、まだまともな人だった。
しかし、ある日、これはうちらが悪かったのだが、プールの授業のとき皆だらだら着替えていて、授業に遅れてしまった。その時はさすがに怒られて、全員プールサイドに正座させられ授業時間中少しも動くなと言われた。
先生が説教をたれながら歩いていると、どこからともなくハエが一匹飛んできて、俺の前で正座していたミトミくんの背中に止まった。そのハエ、最初は一点に止まっていたが、しばらくしてからミトミくんの背中をちょこまかと歩き出した。ミトミくんも我慢していたが、モゾモゾしだし、終に手が背中に行ってしまった。
その瞬間、先生に見つかり、ミトミくんは何発も蹴りをくらってしまった。
ミトミくん、君が痒がっていた時に何もしてやれなかった友を許してくれ。
