進撃の巨人 #84 終末の夜

☆前のお話は → 「The Final Season 第76話~第83話 あらすじまとめ」
☆ Part 1 → 「The Final Season 第60話~第75話 あらすじまとめ」
★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」
★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」
★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」
*ジャンの妄想からスタート ('ω')ノ

(家は当然セントラルの一等地を要求する。朝だろうと昼だろうと上等の酒をかっくらってやる。誰にも文句は言わせねぇ。嫁も子供も孫の代まで幸せに暮らせる権利があるはずだ)
*ん? この嫁はミカサか?


*ほい現実。ハンジさんが窓をたたく。

(俺は気が付かなかった...何も聞かなかった...行くな。考えるな。このままじっとしていればセントラルの一等地が手に入る。このまま...)

「よく来たね。ジャン。ミカサから状況を聞いたところだ。現場にいなくて申し訳ない。過酷な状況下でよくやったよ君たちは」

「リヴァイは...無事ではないが生きてるよ。しばらくは戦えないけど...そして...私たちは車力の巨人らマーレ残党と手を組んだ。エレンを止めるためだ。皆殺しは間違ってる」
「どうやって止めるんですか?」
「まずは協力者を集める。何ができるかは協力者次第だ。だが君たちや九つの巨人がなければ何もできない...従来の兵団組織は壊滅してもう私は君たちの上官ではない。その上で聞くけど...」

「やります。これ以上エレンに虐殺なんてさせたくありません。それが私たちやこの島を守るためであっても...エレンを止めたいんです」
「もし...本当にエレンを止められたとして...どうするつもりですか? エレンが始祖の力を維持できたとしてもあと4年の命なら...その後この島はどうなりますか? その後の何十年後の未来もずっと...世界から向けられる憎悪が消えないなら...エレンを止めることはこの島を滅ぼすことになります」
「私が思うにマーレからすれば島に奇襲を仕掛けた途端地鳴らしだ。少なくとも...今後しばらくはこの島に手は出せないと思う」

「『完全に島を滅ぼさないといつ世界が滅ぼされるかわからない』と...ヴィリー・タイバーの演説以上に世界を焚きつけることになりますよ」
「それはもっともだろうが...いずれにしろ島が滅ぶにしても何年かは猶予ができるはずだ」
「でも!! そうやって可能性を探しているうちに時間が過ぎて何ひとつ解決できなかった!! だからエレンは世界を消そう...」

*バン!!
「虐殺はダメだ!! これを...肯定する理由があってたまるか!!」

「ごめん...大きな音出しちゃった...ジャンの言う通りエレンがこうなったのは私の不甲斐ない理想論のせいだ」
*あらOPなしか。

「それに...こんなこと吠えておいて逃げようとしていたんだよ...すべてを捨てて...すべて忘れて生きようって...でも私はまだ調査兵団の団長だ。人類の自由のために心臓を捧げた仲間が見ている気がする...大半は壁の外に人類がいるなんて知らずに死んでいった...」

「だけど...この島だけに自由をもたらせばそれでいい。そんなケチなことを言う仲間はいないだろう」

「虐殺を止めることができるのは...今しかない」



*マルコ...

「ハンジさん...俺は...まだ調査兵団です」



「誰か手伝ってくれないかな? 睨み合ってないでさ...」

フッ。散々殺し合った者同士で飯を囲むか...おもしろいな。どうして気が変わった? エレン・イェーガーを放っておけばお前らが望む世界が手に入るのだぞ? 島の悪魔どもの楽園がな。我々はあと少しのところでエレンとジークの接触を阻止できた...お前らがやつの手助けをしなければな」

「説明した通りだよ元帥殿。私たちは虐殺なんて望んでない。じゃなきゃコソコソ森に逃げ隠れてシチューなんか作ってないよ」
「つまり正義に目覚めたというわけか」

「正義だと? 今、正義を語ったのか? ...あんたが? ...あんたらが送り続けてきた巨人に抵抗してきた俺たちが悪だったのか!? いいか!? 俺たちが必死に戦ったのは巨人に食い殺されたくなかったからだ!! それが悪魔の所業だって言いたいのかよ、おっさん!!」

「あぁ...お前たちは悪魔に見える...パラディ島脅威論は現実となり今や世界は滅びつつある。お前らが必死に戦った結果がこれだ...違うか?」
「あのなぁ...そもそも壁破られて目の前で母親が食い殺されていなきゃなぁ!! エレンはこんなことしてねぇよ!! 地鳴らしまで追い詰めたのはお前らだろうが!?」
「おい。今さら歴史の話をしようっていうのか? 先にマーレを苦しめ蹂躙したのはエルディアだってことぐらいは理解しているんだろうな?」

「二千年も前のことで、いつまで被害者面してやがる!?」
「まったくガキと話しているようだ。そのような戯言が実在する二千年の歴史に通用すると思っているのか?」
「何だと...!?」

「あ~...やめよう。見たわけでもない二千年前のいざこざ話なんて退屈だ...ジャン。元帥殿は私たちの存在に困惑しておられるのだよ。この島を根絶やしにしようとした世界の人々を楽園を捨ててまで助けようとする奇怪な悪魔の存在に...私たちは外の世界で数か月暮らした。もう何も知らない島の悪魔には戻れない...」

「それで...あんたたちに殺せるの?」

「エレンを殺せるの?」

「エレンを止める方法は殺すだけじゃない」
「あんたならそう言うと思ったけど...それじゃ何? 説得でもするの? それで考え直すくらいのやつが人類大虐殺なんて実行する?」
「それはわからないよ。エレンと話してみないと...」
「じゃあ...対話が可能だとして...それでも虐殺を止めてくれなかった時はどうするの? エレンが敵だとアホになるからわからないの? ...やっぱりね。マーレに故郷を持つ私たちがエレンを殺そうとするなら...あんたらはエレンを守るために私たちと戦うことになる...きっと。結局はそうでしょ? ミカサ」

「あんたにとってエレンより大事なものなんて考えたこともないだろうからね」

「つまり私を殺すべきだと?」

「えぇっ!?」
「レオンハート!!」

「...あんたの気持ちはよくわかる。私もエレンを止めたい理由はひとつ。マーレにいる父親を殺されたくないから。だからあんたの助けがいる。説得してエレンを止められるならそれでいい。少なくともその時まで私たちは争うべきじゃない」

「...わかった」

「はいはいはい! さあシチューができたよ! 食べよう!...馬を休めても港まで最速で5時間かかる。頼りはアズマビト家だ。キヨミさんいわく地鳴らしの視察用に飛行艇を港に用意してあるらしい。それを使えばあの始祖の巨人に近づける」
「やはり...アズマビトが裏で手をまわしていたのか...」
「問題は始祖の巨人がどこにいるかだ。闇雲に飛んでもすぐに燃料は尽きる」

「そうだ。だからこいつを攫った。イェーガーがまず向かう先はどこだ?」
「...知るわけない。知ってたとしてなぜ私が答える必要が?」
「大陸のことを何も知らないイェーガーに知恵を貸したのはお前だ。やつは前もって地鳴らしの進路を想定している。何らかの予想はできるはずだ」
「クソ野郎」
「...は?」
「なぜ私がマーレ人のクソ野郎に協力する必要があるのかと聞いている」

「あんたの命をこっちが握ってるからでしょ」

「無駄だ。死にたがってる」

「でも自分の故郷のためにマーレと戦ってたんだろ? 故郷がこのまま踏み潰されてもいいのかよ?」

「...」
「イェレナ?」
「構わないだろう。なぜならこいつも同じクソ野郎のマーレ人だからだ」

「レベリオであなたにまんまとやられたからね...イェレナ。あなたの過去を洗いざらい調べて驚いた。ごく一般的なマーレ人家庭の出自をマーレに併合された小国出身と偽った。ジークと初めて出会った時から。マーレに失望していたあなたはある物語を作り出した。それは王子様と世界を救う奇跡の物語。自らを嘘で塗り固め人類史に刻まれんとする。その欲深さに敬服いたします」

「フッ...世界を救う。これ以上に人を惹きつける甘美な言葉があるでしょうか? 何億もの命を救うという崇高な胸の高鳴りに身を任せ、これまでの遺恨などなきもののように喉へと流し込む。それが今、私の目に映るあなた方の姿です。少し...思い出してみませんか?」

*公開可能な情報がハンジのシチューって...

「ライナー・ブラウン。あなたが壁に穴をあけたことで、どれだけのエルディア人が巨人に食い殺されたでしょうね...アニ・レオンハート。あなたも随分と調査兵団を殺したそうですね。ついでにストヘス区でも大勢の住人を踏み潰したとか...ああ、もちろんパラディ島の皆さんも。普段は良識人のあなたが、あそこまで派手に軍港を破壊するとは...アルミン。民間人を含めどれだけの死体の山と戦果を挙げたことでしょう...皆さんのレベリオでの勇士を私は忘れてはいません。特にジャン。あなたは車力を討つために、そこにいるファルコ少年めがけ勇猛果敢に雷槍を撃ち込みました。そして...そこにいる少女ガビによってサシャが撃ち殺されました...」

「サシャは本当にいい娘でしたから...私も悲しかった...しかし、訓練兵から家族のように一緒に過ごした皆さんの悲しみと憎しみとは比べ物にならないでしょうが...」

「プハー...おいしいですハンジさん。おかわりありますか?」
「ああ。まだまだあるよ」

「ありがとうイェレナ。お互いのわだかまりをここで打ち明けて心を整理させようとしてくれてるんだよな? ...お前も大事な仲間の頭を撃ちまくってまで叶えたかった幻想的な夢がすべて無意味に終わって死にたがってたのに...気を遣わせちまったな」

「ああ忘れてた。何でしたっけ? 以前教えてもらったあなたの親友の名前は...そうだ...マルコだ。確か...彼の死にアニが関わってると言ってましたよね? もうアニから聞いたんですか? マルコの死の真相を」

「私がマルコから立体機動装置を取り上げた。だからマルコは巨人に食われ...」
「アニは俺の命令に従っただけだ」

「マルコは俺とベルトルトの聞かれてはいけない会話を耳にした。俺は正体がバレることを恐れ...マルコが巨人に殺されれば、うまく口封じができると思った...俺は空中でマルコを屋根に叩きつけ動けないように押さえつけている間にアニに立体機動装置を...外させた...」
*なんか画像が枝ばかりだね。森?

「マルコはその場から動けないまま巨人に食われた」

「マルコは...最期に何か言ってなかったか?」
「『俺たちはまだ話し合ってない』って...」
「そうだ...そうだよ! ...俺たちはロクに話し合ってない。だから...どっちかが死ぬまで殺し合うみてぇなことになっちまったんじゃねぇのか?」

「今からでも遅くないよ。これだけしのぎを削り殺し合った者同士が少なくとも今は殺し合わずに言葉を交わしてる。誰が想像できただろうか? 私たちが火を囲んで食事するなんて」

「マルコが巨人に食われるのを見ながら俺は何でマルコが巨人に食われているんだと思った...」
「え?」
「そして怒りに身を任せてその巨人を殺した。よくもマルコをとか言いながら...」
「もういいって...罪悪感で頭がおかしくなっちまったんだろ?」
「許さないでくれ...俺は...本当にどうしようもない...」
「もういいって! 」
「...すまない」



「おいジャン!!」
「ダメだ!!」

「ジャン!!」

*ジャン、止めに入ったガビを蹴ってしまう。

「ガビ!!」
「うっ...ごめんなさい...」

「私たちは...パラディ島のあなたたちを...皆殺しにすることが...希望でした...世界から認めてもらい許してもらうために...この島が...悪魔が消えてなくなることを願い続けてました...」

「そしたら...お父さんやお母さんが...レベリオのみんなが消えてなくなることになりました...ごめんなさい...」

「すごく...図々しいことはわかってますが...皆さんの助けが必要です...どうか...私たちに力を貸してください!」

「お願いします! 地鳴らしを一緒に止めてください! 」
「お願いします...」
「お願いします! ...」

「...離せ」
「どこ行くんだジャン!?」
「ジャン!? おかわりどうするの!?」

「ダメだ...行っちゃった...」

「ガビ...」

「うるせぇな...」


「起きろ」

「出発の時間だ」

「協力してくれるの?」
「あぁ...もちろんだ」

「オラ! いつまで寝てんだライナー! ケガなんてとっくに治ってんだろうが! 」


「ガビ。蹴って悪かった。大丈夫か?」

「うん。大丈夫。平気」
「そうか...」

「ライナー。お前には謝らねぇからな」
「あぁ...それでいい」
「私は?」(アニ)
「...」

「車力が! 」

「止めろ。何かあったようだ」

「港が! 」

「港がイェーガー派に占拠されています」

「おそらくは機関車で先回りしたのでしょう」

「対巨人用装備の兵士が多く戦闘態勢でした」


*ジャンが一番上だ...
★次回 『裏切り者』
