進撃の巨人 #61 闇夜の列車

☆前のお話は → 「第60話 海の向こう側」
★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」
★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」
★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」

☆「半島の自治権をめぐる戦争に4年も費やしたあげく敵艦隊とこちらの主力の巨人2体があわや刺し違える失態を演じた。人類の英知はついにマーレの鎧を粉々に砕くに至った」

☆「どの国もそう報じ中東連合国をたたえている...マーレの勝利だと言えるのか? マガト。これはどういうことだ」

☆「元帥殿。いよいよその時が来たのです。人類が巨人の力を超えるその時が。我々が巨人の力を過信し植民地政策を進める中、諸外国はそれに抗うべく兵器の開発に力を入れた。その純然たる結果を突きつけられているのです」

☆「それでも我が巨人兵器は当分の間、陸上戦においては無敵を誇るでしょう。しかしこのまま航空機が発展していけば爆弾が雨のように降り注ぐ」

☆「その時には大地の悪魔たる巨人は、ただ空を見上げ続けるほかなくなるでしょう」
(ん? 屋根ないのかそこ...w)
「羽の生えた巨人はいなかったか」
「元帥殿。つまり我々はもう巨人の力に...」
「わかっておる。近い将来、我々は戦争の主導権を失う。いやすでに遅れをとっている。かつては悪魔エルディアを討ち取りし英雄の国マーレが今や何たることだ...」

☆「恐れながら元帥殿。進言のご許可賜りたく存じます」
「驚異の子ジークよ。言ってみろ」
「今こそパラディ島作戦を再開し始祖の巨人奪還を急ぐべきです。マガト隊長のおっしゃる通りマーレは今後、通常兵器の開発に力を注ぐべきです。しかしそれまで諸外国が黙っているでしょうか。今我々に必要なのは軍備再編までの時間。それには一刻も早くマーレがパラディ島を占拠し、すべての巨人の力を収めたという新聞の見出しが必要なのです」

☆「うーん。お前の任期はあと一年足らずだったな」
「ええ。コルトが私の獣の能力をすべて引き継げるのかとても不安でして...」
「そうだな。残り一年の命をもって4年前の雪辱を果たしたいというわけか」
「そのとおりでございます。あの忌まわしき驚異グリシャ・イェーガーの行いに終止符を打つのは、かつての息子である私でなくてはなりません」

☆「悪かったなコルト。お前をダシにしちまって」
「いえ。素晴らしかったです。エルディア人がマーレ軍元帥に意見を通すなんて。ジークさんの獣の能力は歴代とは全く違う。まるで話に聞く始祖の巨人だ。どうして特別なんでしょう。王家の血をひいているわけでもないのに」
「さあな。結局俺が死ぬまでわからず仕舞いだろう。あ、記憶を継承するお前には知られちまうかもな。俺の秘密...」

☆「一年でパラディ島をおとせるらしいな」
「私には一年しか残されていないという話ですよ」
「この3年間パラディ島に向かった調査船は1隻も帰ってきていない。ジーク。お前はこれをどう見る?」
「軍の船が32隻も沈められたのならそれは巨人1体の仕業とは考えにくい」

☆「少なくともエレン・イェーガーを含む巨人が2体以上、調査船に立ちふさがったのではないでしょうか」
「同じ意見だ。島を攻めるには戦艦の支援が必要になるだろう」
「ええ。そして何より敵の脅威は巨人だけじゃない」




☆「待っ...」

☆「楽しい夢でも見てるみたいだったから起こさないでおいてやったよ」
「あの時の礼をまだ言ってなかったな。ガリアード...助かったよ」
「礼には及ばん。そもそも9年前に俺が鎧を継承していればこんなことにはならなかった。兄貴がお前をかばってその辺の巨人に食われることもなかった」
「マルセルの記憶を見たのか」
「いいや。だが前身のユミルって女のことは少しわかった」

☆「大層な名前をつけられた哀れな女だ。兄貴の顎を返してくれたのも、あの女の意志だろう?」
「ああ。そうだ」
「じゃあ、お前はあの島で何をしたんだ? 誰かに助けられてばかりじゃねえかよ...女の記憶を見たが...ありゃ何だ? ずいぶんと頼れる男を気取っていたようだったが...まるで兄貴の真似事じゃねえか」

☆「ポッコ。艦砲射撃をくらった人をいじめちゃダメだよ」
「その名で呼ぶな。ピーク」
「大丈夫か」
「人間に戻るのは2か月ぶりだからね。そのたびに二足歩行を忘れてしまうよ」
「それよりライナー。ガビたちに顔を見せてあげなよ。すごく心配してたよ」
「そうしよう」

☆「久しぶりに会った気がするな」
「えー。戦場じゃいつも一緒だったろ」
「まあ...しばらくは休めるだろう」
「だといいね」

☆「なあ、巨人が戦争で役に立たなくなったら俺たち戦士隊は...エルディア人はどうなるんだろうな...」

☆「あーライナー! もう歩いていいの? 」
「ああ。みんなも大丈夫だったか」

☆「ねえ、私たちレベリオの本部に帰れるんだって。それまでにこの街をまわろう...」

☆「待てガビ。そっちは子供が行っちゃダメだってマガト隊長が...」
「でも私、隊長が行ってるの見たよ」

☆(ベルトルト、マルセル、アニ...)

☆「待って...」

☆「え?」
「そっちの店はまだお前らには早い」
「え~」
(ん? この後姿...)


☆コルト 「お前らは見たか。エルディアの女神・ガビの雄姿を。ガビは800の同士に代わり果敢にも走行列車に挑んだ...このバカタレが誰のために命を張ったか? 俺にはわかるぞ。それは君たちエルディア人部隊のために他ならない...うおおおおお」

☆「やつらを黙らせてきます」
マガト隊長 「今宵だけだ。目をつぶろう」

☆「ガービ! ガービ! ガービ!」

☆「また見事に担がれたな」
「兄に酒を飲ませるのが悪いんです。ガビもすぐ調子に乗るから...」
「しかし実際に鎧の継承権を獲得するのはガビになりそうだ」
「ええ。あなたを慕う少女がこのまま鎧を継承すればガビの寿命は27歳...あなたはそれでいいんですか?」
「今おまえ何て言った? 九つの巨人を継承する名誉を冒涜したのか? もしこれを報告したらお前はコルトや親族と共に巨人兵器に加えられる」
「ま、待ってください。発言を訂正させてください。戦士候補生ファルコ・グライスは己の一族を悪しきユミルの血から解放すべく、この血を生涯マーレに捧げます」

☆「では九つの巨人を継承する名誉を何と心得る」
「名誉マーレ人として栄誉と誇りを授かり祖国マーレへの忠誠を存分に示す権利が得られることと存じます」
「鎧の巨人を継承したいのか」
「鎧の巨人を継承するのは俺です」
「そうだ。お前がガビを救い出すんだ。この真っ暗な俺たちの未来から」


☆「誰が兄に酒なんか飲ませたんですか」
ピーク 「コルトが欲しそうな顔してたから」
ジーク 「まったく。ピークちゃんの思いやりを車両中に吐き散らすなんて」
マガト 「昨夜は黙らせるべきだった...」

☆「昨夜はまんまと担がれたんだってな...」
「いいじゃない。担がれるうちが花だよ。実際、大活躍、だったんだもん」
「ピークさん...」

☆ブラウン副長...もし副長が俺と同じ考えでエルディア人を戦争から解放したいんだとしたら...信じていいのか...


☆家族と再会

☆ピークちゃんの父 (病気みたい)

☆ジークの祖父母。

☆「コルト! ファルコ!」

☆「父さん。母さん」

☆「ライナー。疲れたでしょう。帰ってゆっくりなさい」
「母さん。そうさせてもらうよ」

☆心的外傷を負ってしまったエルディア人負傷兵にファルコは声をかける。
「大丈夫ですよ。きっと良くなりますよ。もうあなたは戦わなくていいんですから...」

☆「どっか~ん! 狙ったとおり! 装甲列車は脱線してひっくり返った。作戦大成功」

☆「でも敵は逃げ去る私に機関銃を撃ってきた。鉛玉をくらう寸前のところでガリアードさんが顎の巨人で私を守ってくれたの」
「すごいわ。ガビ」
「お前の勇気が多くの同胞の命を救ったんだ。お前はエルディアの救世主だ」

☆「ライナー。ガビは戦士になれそうなのかい?」
「ああ。ガビが鎧の巨人の継承権を得るのは決定的だと思う」
「それはよかった。一族からふたりも戦士を授かるなんて...誇りに思うよ。あとはあの島に住む悪魔どもさえ消えてくれれば...エルディア人はみんな幸せになれるのにね」
「でもライナー。お前でさえ島の悪魔から逃げるのがやっとだったんだろ」
「ダメだよ父さん。凶悪で残虐な悪魔たちの住む島に5年も潜入してたんだよ。どんなにつらい目にあったか...機密情報じゃなくたって言えないよ」

☆「いいや、話せることもある。俺はあの島で軍隊に潜入したんだ。連中はまさしく悪魔で残虐非道なやつらだったよ」
「入隊式の最中突然芋を食い出したやつがいた。教官が咎めると悪びれる様子もなく答えた。うまそうだから盗んだと。そんな悪党だがさすがに悪いと思ったのか芋を半分譲ると言った。しかし差し出した芋は半分には到底満たないものだった。やつらに譲り合う精神などないからな。本当にどうしようもないやつらだった」
(サシャ(*´艸`*))
「便所に入るなりどっちを出しにきたのか忘れるバカだったり、自分のことしか考えてねえ不真面目なやつに、人のことばっかり考えるクソ真面目なやつ。突っ走るしか頭にねえやつに何があってもついていくやつらだったり...それにいろんなやつらがいて...そこに俺たちもいた。そこにいた日々はまさに地獄だった」
(コニー、ジャン、マルコ、エレン、アルミン、ミカサwww)
「少し話し過ぎた...忘れてくれ」

☆「いろんなやつらって何? 悪いやつらでしょ」
「そうだよ、ガビ...島にいるのは世界を地獄にした悪魔だ。いつまた強大な巨人で世界を踏みつぶし進撃してくるかわからない。それを阻止するのは私たち善良なエルディア人でなくてはならない」

☆「私たちを置き去りにして島に逃げたやつらに制裁を与えなくてはならない。私たちを見捨てたやつらに...」

(ん? 何?)

☆「おばさん、すごく心配してたよ。島からひとりだけ帰ってきて別人みたいになったって...」
「...12歳だった息子がオッサンになって帰ってくれば、さぞかし心配させるだろう」
「何か...嘘ついてる」
「嘘? 何のことだ」
「私にはわからないけどカリナおばさんにはわかるみたいだったよ」

☆「珍しいですね。戦士長の部屋に集合なんて。マーレ軍の人は?」
「この部屋にはいない。お茶ぐらいたまにはいいだろ」
「さて、先の戦いで通常兵器が巨人兵器を上回る未来がより明確に知れ渡った。マーレが弱ればエルディア人はより生存権を脅かされる立場になる。これは民族滅亡の危機だ。唯一の解決策は早急に始祖の巨人とパラディ島の資源をマーレに納めること。まずは改めてあの島の脅威を強く世界に知らしめなければならない」

☆「物語には語り手が必要だ。それをタイバー家が引き受けてくれるそうだ」
「戦鎚の巨人を管理するタイバー家?」
「確かにタイバー家は一度も巨人の力を敵国に向けたことがない。なにより巨人大戦でフリッツ王を退けた一族として諸外国に顔が利く。世界は耳を傾けざるをえないでしょう」
「しかし広い土地で優雅に暮らしてきたタイバー家がいまさら出てきて英雄を気取るなんて...虫が良すぎませんか」
「気持ちはわかるがタイバー家も祖国マーレを憂いているんだ」
「これで祖国マーレが救われるならありがたいことです。俺たち戦士もタイバー家と協力して英雄国マーレ復活の礎となりましょう」
「そうだ。近くこのレベリオで祭事が行われる。諸外国の要人や記者を招いてタイバー家は宣言を行う」

☆「一年以内にパラディ島を制圧すると。エルディア人とマーレ人の運命はこの作戦にかかっている。もう失敗は許されない。祖国マーレの未来のために今一度、皆の心をひとつにしよう」

☆「ガリアードは多少不満があるようだが、まあ任務となれば徹底するやつだ」
「密室でこの内容なら問題ないだろう」
「ジークの一言がなければな」

☆この部屋にはいない...か。俺はまた行くのか...あの島へ...
★次回 『希望の扉』