進撃の巨人 3  #57 (3期20話)  『 あの日』



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☆前のお話は → 「第38話~第56話 あらすじまとめ

★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話

★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話

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『あの幼き日、私はこの世の真実と向かい合った』

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フェイ:「おっきいな~」

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「お前たちも飛行船を見に来たのか。レベリオ収容区の者だな。外出許可証を見せろ」
「え、えっと、持ってません」
「無許可で市内に入ったんだな。どうなるかわかっているな...労働か、制裁か?」
「制裁を」

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「ほお。親に迷惑はかけたくないか」
「はい。僕が妹を無理やり連れ出しました。妹の分も僕に制裁をください」
「わかった」

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グロス:「まったく、容赦ねえなクルーガー。ほら、嬢ちゃんは先に帰ろうね」

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「腕章を外さなかったことは賢い。たとえガキでも腕章を外したエルディア人は楽園送りだからな」
「もう帰ります」
「待て。飛行船を見に来たんだろ。せっかくだから見て行けよ」

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妹は翌日、川で発見された。

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グロス:「私があの子を送ったのはレベリオの手前までだ。仕事が忙しくてな。そもそもエルディア人の子供が許可もなく街をうろつくのが悪い...お前の息子は一族の立場をよく理解していないようだが、お前らの先祖が犯した過ちはしっかり教育しているんだろうな」

私はこのマーレ治安局の男が嘘をついていることがわかった。彼らは仕事をサボって河原で寝てたのだ。忙しかったわけではない。

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母は悲しみに暮れ、父は...

「ご指導いただきありがとうございます。我が愚息には教育し直しておきますので...」

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この男たちにへりくだった。私は父に、この男に、めまいのするような憎しみを覚え、それ以上に自分の愚かさを呪った。

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父:「今から1820年前。我々の祖先ユミル・フリッツは大地の悪魔と契約し巨人の力を手に入れる」

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「ユミルは死後も九つの巨人に魂を分けエルディア帝国を築いた」

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「そして大国マーレを滅ぼしこの大陸の支配者となる。そこからは暗黒の時代だ」

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「ユミルの民は他の民族を下等人種と決めつけ弾圧を始めた。土地や財産を奪い他民族に無理やり子を産ませユミルの民を増やした。その民族浄化が約1700年続いた。だが、かつての大国マーレは増長を極めたエルディアに内部工作を挑み、さらには九つの巨人のうち七つを手駒に従え80年前の巨人大戦に勝利したのだ」

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「当時のエルディア王はこのパラディ島に三重の壁を築き国民とともにそこへ逃げ込んだ」

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「我々の祖先は見捨てられ、この大陸に取り残されたが、寛大なマーレは我々を殺さずに...」

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娘を失った直後の父親にしては饒舌だった。ご主人様の言いつけを守り嬉々として己の祖先を卑下する姿は犬さながらであった。

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「あの男は嘘をついてた。何か都合の悪いことがあるから嘘をついた」
「言うな。この建物は壁が薄い」
「きっとあの男がフェイを...」
「黙れ」

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「言っただろ。我々の祖先は大罪人だ。優勢思想に走り民族浄化を...」
「俺もフェイもそんなことしてない。街を歩いただけだ」

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「お前はなんだ。そんなに父さんと母さんと楽園に行きたいのか。いいかグリシャ。我々が直接の加害者でなくても関係ないことだ。我々にできることはこの収容区でただ慎ましく生きることだ。頼むから父さんと母さんをフェイと同じ目にあわせないでくれ...」

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「うん...わかった」

『間違っているのはどちらだろうか。私か、この世界か...おそらくは両方だろう。私は無知で愚かで、世界は理不尽で狂っている』

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私が己の道を見つけたのは18の時。何の感慨もなく父の診療所を継ごうとしていた頃だった。

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「この切り傷はどうしました?」
「これは同胞の証です」
「同胞?」
「あなたの妹はマーレ当局の男に殺された。我々にはマーレ政府の内通者がいます。詳しい話をお聞かせしましょう」

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「嘘だ...そんなことが...」

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妹の事件の真相を知ったとき心に誓った。本当の悪魔はどちらか教えてやる。

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我々の祖先がやったことは正しかったのだ。ふたたび世界を正すためにはエルディアを復活させなくてはならない。

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マーレ政府の内通者はフクロウと呼ばれ姿を見せることなく復権派を導いた。

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グリシャ:「見ろ。これが真実だ」

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「我々の始祖ユミルは巨人の力に目覚め、荒れ地を耕し道を造り峠には橋を架けた。人々を豊かにしこの大陸を発展させたんだ」
「俺たちが教わった歴史は、すべてマーレに都合のいい妄想だったわけか。しかしグリシャ。よくこの古語が読めたな」
「いいや。まだほとんど解読できていないんだ」
「ん? ではなぜ真実がわかった?」
「そんなこと、すぐにわかるだろ」

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「なぜなら俺は始祖ユミルを信じている。俺たちは選ばれし神の子。ユミルの民だ!!」

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「同士よ。フクロウが人を遣わしたぞ」
「みなさん、はじめまして。私はダイナ・フリッツと申します。王家の血を引く者です」

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私は運命に導かれるままにその身を委ねた。彼女は大陸に存在する王家の末裔の最後のひとりであり、王家だけが持つ巨人の情報を復権派にもたらした。それはまさしく勝利への活路だった。

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「間違いない。王が壁の中に持ち去った始祖の巨人」

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「これさえ手にすれば他の巨人すべてを支配しマーレを討ち滅ぼすことができる」

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「しかし、そのような絶対的な力を持っておきながら、なぜ島まで退くことに...?」
「それは戦うことを否定したからです」

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ダイナ:「当時の王は巨人大戦時、大陸内の力の均衡を保つという役目を放棄し辺境の島に都を移したのです。私たちのこの惨めな日々は王が争いから目を背けたことから始まったのです」

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「戦おう。我々エルディアの民のために大陸に踏みとどまった真の王家に始祖の巨人をお納めするのだ」

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「同士諸君よ。マーレを打倒し、エルディアの誇りを取り戻すのだ!!」

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翌年、私たちは結婚し男子を授かった。名はジーク。

「王家の血を引く子だ。きっとこの子は私たちを勝利に導いてくれるぞ」

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時代は移り変わる。世の中が急速に発展していく頃、エルディア復権派は転機を迎える。

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マーレ政府が我々ユミルの民から七つの巨人を継承する器としてマーレの戦士を募ったのだ。

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「フクロウからの情報によるとマーレ政府が動き出した理由は軍事技術の発展による資源争奪の時代にいち早く対応するためらしい。マーレを世界の指導者たらしめる七つの巨人の力が絶対でなくなる日は近い。莫大な化石燃料を埋蔵するパラディ島は決して無視できるものではなくなった」

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「しかし壁の王が80年前に言い残した言葉がある『今後我々に干渉するなら壁に潜む数千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう』この脅威が健在であるうちは正面から手出しはできない...つまりマーレ政府の目的は我々と同じ。壁内に侵入し始祖の巨人を奪還することである...」
「どうする...このままじゃマーレに先を越されてしまう...」
「そうなったら、もう永久にエルディアは日の目を見れない...」
「いや、手段は残されている」

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「我々の息子ジークをマーレの戦士にするのだ」

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「いいかジーク。マーレの人間が言っていることはすべて間違っている。だがお前は誰よりもマーレの教えに従順に従わなければならない」
「エルディアの屈辱はあなたが晴らすのよ」
「うん...わかった」

しかし私は知っていたはずだ。親が子を自らの思想に染め上げる罪深さを。王家の血を引く子でもエルディア復権派の希望でもなくジーク自身と向き合ったことが一度でもあっただろうか...

何にせよジークは自らと祖父、祖母の安全を選んだ。愚かな両親をマーレ政府に差し出すことと引き換えに。

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「着いたぞ」
「ここが...楽園...」

クルーガー:「そうだ。エルディア人反逆者の流刑地、パラディ島。お前たちはここで終身刑となる。無垢の巨人となってな」

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「答えろ。フクロウは誰だ」
「頼む。もうやめてくれ。すべて話した。もう何も...」
「それは残念だ。もう1本いこう」

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「あんたと会ったことがある。子供のころに」
「覚えていたか」
「あの日のことを...忘れるものか」

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グライス:「グリシャか?どうなってる? なんでジークが俺たちを密告するんだ。お前の子供だろう...お前にすべてを託したのが間違いだったんだ。復権派もダイナも...なんでこんなやつに...エルディアは終わりだ...」

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「イキのいいやつがいるな。お前は自由だ...北にまっすぐ走れ。運がよかったら壁までたどり着けるぞ」「...こうしておくと、これから生み出す巨人どもがあいつに引かれてさっさといなくなる。まあすぐに食われるがな」

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(こいつ、間違いない。妹を殺した当局の男...)

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「さあ、今回は数が多いぞ。どんどんやっていこう」

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「みんな...」

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「やめろ!! みんなやめろ。グライスだ。わからないのか!!」

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  グロス:「クルーガー。うるさくてかなわんぞ」
クルーガー:「こいつにはまだ尋問したいことがある。先に進めてくれ」

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  グロス:「お、次は女か。もったいねえ。悪魔の血じゃなきゃなあ...」
 グリシャ:「なぜここに? 俺は洗いざらい全部話したぞ...彼女は王家の...」
クルーガー:「黙れ」
 グリシャ: (まさか...こいつがもみ消したのか?)
  ダイナ:「グリシャ。私はどんな姿になっても、あなたを探し出すから...」

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「うわぁぁぁぁぁ」

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「ここは...私は...なぜ...」
「エレン、落ち着いて。ここは懲罰室でエレンとミカサは兵規違反のお勤め中だよ」

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「怖い夢でも見たの? エレン」

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「今さ...『私は』って言った?」
「え?」
「言ってた。泣いてるの? エレン」
「なんか、すっげー長い夢を見ていた気がするんだけど...」
「いや、夢じゃねえ...記憶だ...今、親父の記憶とつながった...」

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「あの巨人、お前だったんだな。ダイナ...」

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「お前だろう。15年前、8歳の妹を犬に食わせたのは...」

グロス:「チッ、俺にそいつをよこせ。お前らは先に船に戻ってろ...クルーガー。尋問はもう済んだろう。今回はそいつに踊ってもらうぞ...思い出したよ少年。お前は巨人にしないでやる。3~4mくらいの巨人に調整するからこいつと戦ってくれ」

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「なんでこんなことをするんだ...人が巨人に食われるのを見たいとでも言うのか...」
「なんでって、そりゃ面白いからだろ。どうかしてると思うか。でも人は残酷なのが見たいんだよ。平和ってのはたいへん結構なことだが何か物足りんのだろうな。生の実感ってやつか...俺はその日を受け入れる心構えがある。なぜなら、こうやって残酷な世界と向き合い理解を深めているからだ」

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「心は痛まないのか」
「...お前らエルディア人をこの世から一匹残らず駆逐する。これは全人類の願いなんだよ。心が痛むわけないだろ。人殺しはそっちだろ。お前ら復権派は俺たちマーレに何をしようとしてた...」
「嘘だ...俺は真実を知っている。始祖ユミルは大陸の人々を豊かに...」
「ああ、わかったよ。偉大な歴史があったんだろう。下にいる友だちと語り合うといい...」

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クルーガー:「どうだ。これが面白いと思うか?」

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「あんたは...」
「俺がフクロウだ」
「覚えておけよ、グリシャ。巨人の力はこうやって使う」

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★グリシャの過去から明かされた巨人の能力。自由のため進み続けた男たちの思いはエレンへと受け継がれる... 次回「進撃の巨人」

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