進撃の巨人 3 #54 (3期17話) 『 勇者』
☆前のお話は → 「第38話~第53話 あらすじまとめ」
★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」
★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」

「団長が...!!」
「振り返るな。進め!!」

「哀れだ...」

「歴史の過ちを学んでいないとは...」

「レイス王によって世界の記憶を奪われたのは悲劇だ。だから何度も過ちを繰り返す」

「しまいには壁の中のやつら全員、年よりから子供まで特攻させるんだろうな...どうせ誇り高き死がどうとか言い出すぞ...ふざけやがって」

「あ、粉々にしちっゃたか...ハハ、何やってんだ俺。何マジになってんだよ。お前は父親とは違うだろ」

「何事も楽しまなくちゃ。みんなを誇り高き肉片にしてあげようぜ」

「二発目来るぞ。撃て!!」
(来る...これが死か...)

(ヒッチは今ごろ何を...いや、あいつはまだ寝てるか...ああ、いいなあ...)

(わからない...なんで俺は今ごろ...)

「しゃー。ゲームセット!!」

「ハハ、わかるか。投げ方を変えたんだよ。これならイチコロでしょ」

「だから、そんなもん撃って何になるってんだよ。そんなに叫んで何の意味があるってんだよ」

「あーあ、可哀そうに...ん? 何だ? 俺の巨人が倒れて...」


「え? ひとりの兵士に気をつけろって?」
「はい。リヴァイ兵長は危険です」

(こいつがリヴァイか...うなじを...何だ何も見えない...目をやられたのか...足が...)
「さっきはずいぶんと楽しそうだったな」

(クッ、硬質化...ダメだ、間に合わない...)
「もっと楽しんでくれよ」


「巨人化直後、体を激しく損傷し回復に手いっぱいなうちは巨人化できない。そうだったよな」

(こいつはまだ殺せない...誰か、生きてるやはいねえのか...瀕死でもいい。まだ息さえあればこの注射を使って巨人にする。そいつにこいつを食わせて獣の巨人の力を奪う...誰か...ひとりだけ生き返らせる...)

「おい...どこに行く...止まれ...」

「お前ら、あいつを殺せ...痛え...やりやがったなリヴァイ...痛えよ...だが武器は使い果たした頃だろ...お前らはこれで全滅。かなり危なかったが我々の勝ちだ」

「待てよ。俺はあいつに誓ったんだ...必ずお前を殺すと...」

「誓った!!」

「何で...俺...生きてるのか?...誰か...おい、生き残ったやつはいないのか...」

ジャン:「あの野郎...本当に生き返りやがった...あいつ、どうやったら死ぬんだよ...俺たちにあれを、どうしろっていうんだよ...」

「痩せてる...超大型巨人が少し細くなってる」

「ハンジさんの言ったとおりだ。やっぱり超大型巨人は消耗戦に弱い。エレンの実験を思い出して! 続けて巨人化できるのは3回まで。15mの巨人でそれなら60mの巨人はもっと燃料効率が悪いはずだ。熱風を使った攻撃もあれはたぶん骨格以外のすべての肉を消費することで熱を生み出していたんだ」

アルミン:「作戦がある。みんなでライナーを引きつけてくれ。ベルトルトは僕とエレンで倒す」
ミカサ:「わかった。ライナーは私たちにまかせて」
ジャン:「遅えよ、バカ。本当にもうダメかと思ったぞ」

(この作戦が上手くいけば僕はもう...海を見には行けないな...)
「僕はなぜか外の世界のことを考えると勇気が湧いてくるんだ...」

「エレン、起きろ! 海を見に行くよ!」


「エレン。作戦は以上だ」

「あとはすべてを実行に移し、ベルトルトを騙すことさえできれば、この勝負、僕たちの勝ちだ」


「いいか。ベルトルトはアルミンとエレンで何とかすると信じろ。俺たちはライナーをアルミンたちの方から遠ざければいい。微妙な距離を飛び回って注意を引け」

「無視かよ」
「野郎、エレンに狙いを絞る気か...」

「殺すしかない」

ミカサが雷槍で足を攻撃。
「ライナーの注意を引けないのなら今ここで息の根を止めるしかない。ここでエレンとアルミンを守る!」
「ああ、わかった」
「雷槍は残り3本だぞ。クソッ、でも...」
「やるしかありません。だって戦わないと勝てませんから」

(何だ? 何を食らった? 一撃で鎧の膝が...)

(あれから記憶が飛んでいる...ベルトルト...俺にいったい何があったんだ...状況がわからない...力もあまり残っていない...だがあそこにエレンがいる...)

(エレンを奪い去ることが俺たちの勝利であることに変わりはないはずだ...そうだろ、ベルトルト。早くこいつらにカタをつけてそっちの加勢に行くからな!)

(向こうに行った4人はライナーの相手。奇しくも爆風から生き残ったのはエレンについていた104期生のみんなだけか...正直言えば、みんなまとめて吹き飛んでほしかった...でもこんな試練ももう慣れたよアルミン。そんなボロボロになったエレンを起こして何ができるのか...僕に見せてくれ...君たちが最期に何を残すのか...)

「自分で考えた作戦だけど、成功は僕がどれだけ耐えられるかでほとんど決まるな...」
(アルミン。お前...まさか...)

「エレン。悪いけど僕は海を見るまでは死ねない。だから大事に至らないあたりで切り上げるけど...あとは任せたよ...ほ、ほら...僕ってそんな勇敢じゃないから...」
(いいや違うぞ...俺が知ってるお前は...)

「エレン...わかってるよね。一緒に海に行くって約束しただろ。僕がエレンに嘘ついたことあった? だから何があっても僕の作戦守ってくれよ!」


エレン落下。

「やっぱり...勝負はもうついてたんだ。おそらくは重度の脳震とう。まだまともに立ち上がることもできないようだね」

「もう十分だ。終わりにしよう」

「アルミン。君は最後までよく戦ったよ」


「3本の雷槍でライナーを仕留める方法があるとすりゃもうこれしかねえ。やつが動かねえうちに勝負をかける。勝負は一度きり。どうなろうとこれが最後だ。まずは俺が囮になる。コニーとサシャは雷槍を2本使って両側からライナーの顎を狙え」


「1本外した...」
(顎を吹っ飛ばされたらライナーの口が開くはずだ。ミカサは残りの1本でライナーの口の中からうなじを狙え)

「口は開いてない...それでもやるしかない!」

ベルトルト (なぜだ...アルミンを吹き飛ばせない...なぜアンカーが外れないんだ。近づくことはできないはずなのに...)
*アルミンはアンカーを超大型巨人の歯に刺している
アルミン (やっぱり! 骨は消費しないんだ。肉に刺さなければアンカーは抜けない。そして何より熱風を放っている間は筋肉を動かせない! )

「けど、アルミン...それが君の最期か? 君がその知恵をしぼってようやくできる抵抗は...そうやって炙られ続けることなのか?」

「息が...これ以上はもう...いや、まだだ。この程度じゃ足りない。もっと時間を稼ぐんだ」
「いったい何がしたい? 陽動か。エレンならまだあそこでくたびれたままだぞ。ミカサたちもあっちでライナーに手いっぱい...本当に何もないのか...これで本当におしまいなら...わかったよ。今楽にしてやる」

「耐えろ...まだ離すな。エレンに託すんだ...僕の夢...命...すべて...僕が捨てられるものなんて、これしかないんだ...きっと...エレンなら...海に...たどり着く...海を...見てくれる...」

「ミカサ、無茶だ!」
「いや、よくやった」

「ハンジさん!」
「今だ、ミカサ!」

「ライナー出て!」



「終わった...さあ次はエレンと馬を...ん? これは...硬質化...?」


「殺(と)った!!」

(陽動作戦!! 最初にエレンは動けないと思わせたのも、アルミンの抵抗も、硬質化した巨人のカカシを作るための時間稼ぎ...)

(すべては僕のまわりに敵がいなくなったと思い込ませるため...僕の隙を...作るため...)



「僕がエレンに嘘ついたことあった?」

「クソ...わかってたはずなのに...」

「お前、なんでやり返さないんだよ」

「やり返さないからナメられる。負けっぱなしでいいのかよ」

「僕は...負けてないよ。僕は逃げてない」

「わかってた...お前が誰よりも...勇敢なことぐらい...」
★次回 「白夜」
