亜人 #19 飼いは大変だな



     亜人14-1

☆前のお話は→ 第14話~第18話 あらすじまとめ

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*斜体は下村の回想

戸崎が病室を訪ね確認する。

田井中陽子。
継父は田井中聡。実の父は陽子が15歳のときに事故死。母親は田井中さわ子。


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「間違いありませんね」と聞かれ、「出てって...そんな名前、聞きたくない」と陽子が言うと戸崎は、「君は亜人未確定者に登録されているんだ。悪いがそれはできない」と言った。

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継父に襲われて抵抗した際に頭を打ち死亡。生き返ったため亜人であることが発覚した。

継父は娘が亜人だと通報しようとしていた。母は電話を置いてと言うが、「あいつの体は金になるんや。わしらもう働かんでええんやぞ」と継父は言った。

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『私を売ろうとしたのに、母さんまたあのクソ野郎の言いなりになるん?』

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陽子は家から逃げ出した。街で体を売って金を稼ぎ場所を変えて生活をした。ダンボールにも寝た。行き倒れて病院に運ばれたときは衰弱しきっていて死が近づいていた。

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陽子:「あいつの、あの女のせいで...きっと今もあのクソ野郎とよろしくやっている」
戸崎:「いや、君の継父と母親はすでに死んでいる」

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陽子:「娘を売った...罰ね」

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戸崎:「違う。いろいろあったんだろうけど、それは違う。警察に通報の録音が残っていた。君が家を飛び出した直後のものだろう」

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「俺の子が亜人や」と警察に通報する継父。母は、「あの子は私の子よ」と言うと包丁で継父を刺した。継父は致命傷を追いながら母を刺し、ふたりとも亡くなった。最後に母の「ごめんね、陽子」という言葉が録音されていた。

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陽子:「それを聞いて、どうしろっていうの」
戸崎:「君の勘違いだ」
陽子:「遅いよ...遅い...」


そう言って涙を流すと田井中陽子は息を引き取った。

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マイヤーズのIBMにやられて倒れた下村が復活したとき、戸崎を乗せた車はすでに走り去っていた。

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拘束した戸崎にアルメイダは「オグライクヤはどこだ」と聞いた。

アル:「あの日あなたは、ボディーガードを射殺しオグラ博士を拉致した。そして今もどこかに監禁している」

何のことかわからないという戸崎にアルメイダはスタンガンを押し付け、博士は我が国でもトップクラスの亜人研究者だから何としても帰国してもらう必要があると言った。

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知らないと言い張る戸崎。アルメイダは、薬を出すとマイヤーズに、忘れているだけなんだろ、思い出させてやれと言った。

戸崎:「何をするつもりだ」
アル:「教えてやれマイヤーズ。君が一番詳しい」
マイ:「ジアングライドよ。横隔膜が麻痺しゆっくりと窒息する感覚に襲われる」

そう言うとマイヤーズは戸崎に薬を打った。苦しむ戸崎。

アル:「亜人の無力化に使う薬だ。薬量を調整すれば殺さず永遠に苦しめられる」

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圭が中心になって作戦の確認。

圭:「当初の予定と場所は変わったけど大きな問題はありません。基本的には以前作ったパターンBの作戦を応用し展開します。変更箇所は...」
攻:「っていうか泉さん遅くね? 戸崎さんと飯でも食ってんのかな」

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攻:「あっ泉さん、お帰り。っていうかどうしたのその服」
圭:「大臣のスケジュールは?」

下村:「戸崎さんがさらわれました。オグラ博士の監禁が露見し国防総省の人間に。これから戸崎さんの救出に向かいます。永井くん作戦を立てて...」

 圭:「平沢さん、すぐに身を隠せる場所を用意してください。一時的なものでかまいません。できますか」
平沢:「ああ、それは可能だが」
 圭:「中野、お前は装備を詰めろ」
 攻:「えっ、装備? なんで」
 圭:「早く」

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 圭:「真鍋さんと黒木さんは必要な物を車に積み込んでください。鈴村さんはオグラ博士を。ぼやぼやしている時間はないですよ...」

下村:「永井くん、何をやってるの」
 圭:「何って、アジトを移す準備ですよ」
下村:「はっ? いや違うでしょ。まずは戸崎さんを...」
 攻:「そ、そうだぞ永井。戸崎さんを助けてやんねえとかわいそうだろ」
 圭:「どうやって? 戸崎さんはどこに監禁されてる? 」

 圭:「僕らの最優先事項は佐藤を止めることだ。戸崎さんはまず間違いなく尋問されてる。もし口を割ればここが狙われるんだぞ。そうなれば僕らは終わりだ」

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 攻:「でもな、あっ、ちっ、平沢さん」
平沢:「永井...」
 圭:「平沢さん、前に言いましたよね。ここでは倫理や感情を打ち切る決断が必ず必要になるって。今がその時ですよ」

 圭:「まずはこちらの安全を確保しその上で今後の対策を立てる。合理的に考えればそれが今とれる最善の策だ」
下村:「いや...でも戸崎さんが...」
平沢:「もし逆の立場なら、戸崎さんも同じ決断を下したはずだ。動け」


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戸崎:「これは私個人と君だけの契約だ。組織は知らない。君の仕事は亜人の未知の脅威から私の命を守ることだ」

戸崎:「田井中陽子は死んだ。今日から新しい人生を始めるんだ」

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新しい人生には新しい名前が必要だから偽名を決めるようにと戸崎。かけ離れたものより多少関係性があるほうが馴染みやすいだろうと言われ、実の父の姓「下村」と母の旧姓の「泉」にした。

戸崎:「そろそろ行こう。風邪をひくぞ。下村泉くん」

下村:「母さん、私やり直してみせるから。今度は最後まで逃げない」

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 攻:「えっ?」
下村:「もし私が佐藤だったら、君は一生監禁されてた。暗くて狭い場所でね」
 圭:「でもあなたは佐藤さんじゃない」
下村:「私にすら勝てないのにどうやって佐藤を止めるつもり? 私たちが佐藤に勝つチャンスはたった一度、大臣を襲う佐藤を迎え撃つしかない」
下村:「でも、それがいつなのかを知っているのは戸崎さんだけ。合理的に考えなさい」
 圭:「アメリカにケンカを売るのは、どう考えても合理的じゃないですよ」

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 圭:「荷物はすべておろしてください。予定変更です。これから戸崎さん救出に向かう」
 攻:「永井!」
 圭:「アメリカ相手なら、ちょうどいい実戦訓練ですよ」
下村:「ありがとう...」
 圭:「お礼言ってる時間はありませんよ。まずは監禁場所を割り出さないと」

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オグラ:「南麻布。この前使ったセーフハウスがある。メガネはそこかもしれんな」
  圭:「なぜ教えてくれるんですか。オグラさんはあっち側の人間でしょ」
オグラ:「ハハッ、貴重なサンプル目の前にしてむざむざ帰れるか」

下村:「南麻布なら1時間もあれば行けるはずよ」
 圭:「すぐ出発しましょう」
平沢:「鈴村、お前はオグラさんを移せ。場所は手配済みだ。中野は装備を積み込め」
 攻:「はっ、イエッサー」

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平沢:「永井」
 圭:「作戦なら移動中に立てますよ」

大臣襲撃の時間が迫っていた。

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知らないと言い通す戸崎。「心拍がかなり低下しています。これ以上は」と言うマイヤーズに、「君の意見は聞いていない、やれ」とアルメイダ。戸崎がマイヤーズに言った。

飼い犬は大変だな

マイヤーズが再び薬を打とうとしたとき部屋の明りが消えた。

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圭のIBMが電線を切って、

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平沢の合図で暗視スコープを着けた救出部隊が突入。

 圭:「IBMはあと何体使えますか」
下村:「たぶんゼロよ」
 圭:「戸崎さんが心配なのはわかりますが、くれぐれも冷静にお願いしますよ」
下村:「わかってる」

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攻は安全装置を外し忘れて圭にバカと言われ、

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撃たれて一度死んだが平沢、下村のフォローもあり、

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リビングを制圧。戸崎を探す。

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階段はIBMが先行し通過。

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残る部屋はふたつ。圭と下村が突入するが戸崎の姿はなく、

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戸崎を乗せて走り去る車が見えた。後を追う。

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圭がIBMを使いアルメイダの車に発信機を付けた。

下村:「やつらは?」
 圭:「セーフハウスの近くにまだいる。今、2本目の道を右に入りましたが焦らないでください」
 圭:「先回りして挟み撃ちに...」
下村:「そんな暇ない。逃がすか!」

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アルメイダの車に追いついた下村だが、ハンドル操作を誤り振り切られた。下村の車は停止。

 圭:「だから言ったのに...」

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攻:「追いつけるか、永井...おい、永井」
圭:「ちょっと黙ってろ」

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 圭:「まずいですよ、平沢さん。あいつらの行き先、アメリカ大使館です」
平沢:「考え得る最悪の展開だな」
 攻:「えっ、何が? なんで?」

平沢:「大使館は完全な治外法権だ。警察だろうが自衛隊だろうが誰も手出しできないんだよ」

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圭:「もし逃げ込まれたら、そこで終わりってことだ」
攻:「だからなんで」
圭:「ちょっと黙ってろ」

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☆次回 「クロちゃん、もう一度だけ」

【感想】
戸崎さん、見事なヒロインぶりでw 下村泉は名字がふたつだったのか。悲惨な少女時代で下村さんにしてみたら戸崎さんは命の恩人(てか死なないけどw)みたいなもんだろうから、冷静でいられないのもわからんでもないが、これじゃあ佐藤を止められないのでは。
さすがに冷徹な圭は有能だね。で、相変わらず中野のバカっぷりは見事。訓練とかしたんだろうに。平沢さんはカッコイイね。ハゲだけど
アニメオリジナルの展開みたいで戸崎さんがどうなるのか、てか、どうしたいんだ~って感じ。大使館に逃げ込む前に何とかできるのか。大臣襲撃の時間に間に合うのか。いろいろと心配だけど次が楽しみです。


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