僕だけがいない街 第1話 走馬灯
藤沼悟(ふじぬまさとる) 29歳(2006年現在) マンガ家デビューしたものの売れず担当者にはもっと踏み込んで描かないと作品からあなたの顔が見えてこない、うちではちょっと難しいと言われた。
「日々、心によぎるあの時こうしていればという言葉。
でもそれは後悔という切実な形をとることもなく浮かんでは消えていく言いわけの言葉だ。俺は自分の心に踏み込むのが怖い」

ピザ屋で働く悟。配達に行こうとすると同じくアルバイトの高校生、片桐愛梨(かたぎりあいり)が途中でピザを食べちゃダメだよと声をかける。平成生まれのジョークかいつも同じことを言う。俺に特別な感情があるようにも見えないし変な女だと悟は思った。

バイクで配達の途中、まあ「アレ」が起きて悟は違和感を探す。運転手が意識を失ったまま走るトラックを発見し止めようとする様子を片桐愛梨が見ていた。交差点にトラック突っ込むのを何とか阻止し子どもが事故に遭うのを防いだ悟だったが対向車と衝突した。


小さい頃の自分の姿が写る。走馬灯ってやつか。雪の中を歩くランドセルを背負った悟。暗くなった公園に女の子がいた。と、おはよう、2日たったよと片桐の声がして目が覚めた。病院だった。奇跡的に外傷はほとんどなかった。誰かに連絡とってやろうかと言われ、わざわざ知らせたいやつはいないからいいと悟が言うと片桐は薄い幕で覆われていそうだと手でチョキを作り、藤沼さんて他人に心を開かなそうだと言った。でも少し見直したと事故の現場を見ていた片桐は話した。

トラックの運転手は心臓発作で運転中に亡くなっていた。よく気づいたなと言う片桐にたまたまだよと悟。悟が窓から手を入れてハンドルを切り少年を助けた後、トラックは倉庫に突っ込んだが死傷者は運転手と悟だけだった。片桐が店長に話していてバイクも当てた車のことも気にせず戻って来いと言っていると聞いて悟はありがとうと言った。

何でバイトしているのかと悟がたずねると、その質問されたの初めてだと片桐。夢があるんだと聞き、人に話してしまって実現しなかったらとか思わないかと悟が言うと別に恥ずかしいとは思わないと片桐。言葉って口に出して言っているうちに本当になる気がすると聞いて悟は何だかとても懐かしい感じがした。でも親しくないから夢は教えないと言うと片桐は帰って行った。
「リバイバル」 あの現象を悟はそう呼んでいた。損することはわかっているのに関わってしまう。だいたい1分から5分くらい前に戻って決まって何か悪いことが起きる直前に同じ光景を見る。まるで誰かにおまえが防げと強制されているかのように違和感を探している自分がいる。結果、何度となくトラブルを回避してきたがマイナスだったことがプラマイゼロになるだけなのがほとんどで、たまに今回のように自分にとってマイナスになったりする。

悟が退院してアパートに戻ると母、佐知子が来て食事の支度をしていた。事故を聞いてビックリして北海道から出て来た母は当分ここに住むからと言った。かわいいひとり息子が頭を打ったんだから様子見と言う母は52歳とは思えないほど昔のままで、人の心を読んだようなことを言うので妖怪めと悟は思った。
テレビのニュースを見ていた母が悟に小学校5年の時に近所で起きた誘拐事件を覚えているかと聞く。あんたたちから事件の記憶を取り除こうと必死だったから記憶は薄いだろうが、あんた危ないところだったんだよ。母に言われて悟はクラスメイトが二人いなくなったんだったと思い出した。

幼い頃、ユウキさんという二十歳くらいのお兄さんがよく遊んでくれていた。ユウキは名前ではなく「勇気、勇気」を連発するからそう呼んでいた。事件から半年後に連続誘拐殺人犯として捕まったのは、白鳥潤(しらとりじゅん) ユウキさんだった。

母がカレーを作るというのでふたりでスーパーに買い物に行った帰りにリバイバルが起きた。違和感を探すがわからない悟は母に変な感じがするから回りを見てくれないかと言った。そういえば昔も同じことを言ったときがあってボヤ騒ぎだったと言った佐知子は少女を連れた男が自分を見ていたことに気づいた。


男は車で去り少女は残された。写メを撮る母を見て何も起きなかったのかと悟は思った。そこに片桐が通りかかって声をかけた。佐知子を悟のお姉さんだと思ったと片桐。妖怪って信じるかと悟に言われて今日から信じるよと答えた。カレーを作るから食べていかないかと佐知子が誘って片桐も家に来ることに。三人の様子を車の中から男が見ていた。

悟がマンガを描いていると知って凄いじゃんと片桐。佐知子が彼女じゃなくて残念と言うと悟のことを尊敬できるお友だちですと言った。3人でカレーを食べて片桐を送って戻った悟に母は、鈍いね脈ありだべさと言った。そして昼間の件だけどと言うと、誘拐事件が未遂に終わったよと言い、悟が驚くと冗談にきまってるべさと言った。


子どもの頃の事件のことを調べる悟。被害者は雛月加代(ひなづきかよ) 10歳。悟は思い出した。あの子は18年前の誘拐事件でいなくなったクラスメイトのひとり雛月加代でいつもひとりで公園にいた。あの日、悟は声をかけようとしたがやめて家に帰った。あれが雛月を見た最後の姿だった。
僕なら助けられたはずなのに。あの時、一緒に帰ろうって言えば雛月はと事件の後、悟は母に言った。それこそが一番忘れたかった思い。そしておそらく母が消そうとしていたものだと悟は思った。もっと踏み込んで描かないと顔が見えてこないと言われた言葉を思い出した。

佐知子は昨日のスーパーの駐車場でのことを考えていた。「わ」ナンバーはレンタカー、自分を見て連れ去るのをやめた。あれは間違いなく誘拐だ。顔を隠したあの反応は私を知っていた。あの目の男......図書館で調べて佐知子は思い出した。そして思った。犯人は本当に白鳥君じゃないのかも。

電話してひとり部屋に帰る佐知子。18年前の事件は時効だが同じような手口で犯行を繰り返しているに違いない。あの事件はまだ終わっていない、悟と話さなくちゃ。とうとうあの時の事を話す時が来たんだ。ドアが開く音がして悟かと見ると男に刺された。
悟に帰って来るなって電話しなきゃ、そして謝らなくちゃ。あの時、僕なら助けられたはずなのにと言った悟は、絶対ユウキさんじゃないと泣きながら佐知子に訴えた。警察が信じなくても私が信じてあげなきゃいけなかった。携帯に手を伸ばす佐知子。男がそれを取り上げた。幼い悟の姿が目に浮かんだ。悟、ごめんね......


バイトを終えて部屋に戻る悟。階段で顔を隠した男とすれ違った。玄関のドアが開いている。何やってんだ、北海道の実家じゃないんだぞ、鍵くらい閉めろよ。落ちていたメモを拾い部屋に入ると血まみれの母が倒れていた。嘘だろうと近づくと刃物が突き刺さっていた。母は殺されていた。


座り込む悟。昨日のカレーのお礼にとやって来た管理人が悲鳴を上げた。藤沼悟さんですねと警察が来た。どうなってるんだ、違う、俺じゃない。走り出す悟。リバイバルが起きた。

見覚えのある町。遅刻するぞとランドセルの男の子が走って行く。小学校の前に立つ悟。昭和63年。18年前に戻っていた。
☆次回 「掌」
【感想】
大好きな作品でアニメを楽しみにしていました。原作は最近では一番すぐに続きが読みたくなった本かな。アニメでは少し省略された部分もあって軽くなった感じがしないでもないけど、ストーリーはほぼ原作通りのようです。違和感を感じたのは私はリバイバルじゃなくて悟の声かな。数話で慣れるか上手になるか?とも思うけど想像と違った。先日、映画館で実写版の予告を観たんだけど、悟役の藤原竜也さん、顔は違うけどナレーションは違和感なかったようなw
原作を読んでいるけどネタバレはしたら面白くなくなるのでしません。原作はそろそろ完結するので、そちらも気になってしかたないんだけど、アニメも完結するのかな。オリジナルの画像なんかも出て来るみたいなので、じっくり楽しみたいなと思っています。
本館の画像容量と投稿文字数が大幅に増えたので初回のびのび拡大版にしてみました。僕だけがいない街の良さは、読まないとわからないのもあるけど、テンポの速さと張り巡らされた伏線がきれいに回収されていくこと。何気ない画像が何かを暗示していたり、後で重要な意味を持っていたりする。そういうのを探しながら見るのも楽しいと思います。
【本日のおまけ?】

★リバイバルの時はチョウチョが飛ぶみたいですね。

★このシーン、気になっているんだけど、佐知子の頭上に蜘蛛の糸が垂れている?
・記事は書いていくつもりですが放送日が他の続きものと重なってしまった上にメインの旅行記の取材時期です。更新は遅れることが多いかと思いますが、自分の感想よりもあらすじ重視の手抜きしない記事を作っていきたいと思っています。よろしくお願いします。