およそ遠しとされしもの。下等で奇怪、見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達。
それら異形の一群をヒトは古くから畏れを含み、いつしか総じて蟲と呼んだ。


★2014年4月より放送の「蟲師 続章」はこちら→ 第1話 野末の宴

蟲師 第1話 緑の座


     蟲師1-2

山奥にひとりで暮らす少年、五百蔵(いおろい)しんらは生命を呼ぶ体質を持っていた。左手でものの形を象るとそれは生命を持って動き出した。祖母に左手でものを描くことを禁じられていたが右手を負傷。ギンコからの調査の申し入れに断りの手紙を左手で書こうとしたら鳥の字が逃げ出した。そこにギンコが訪ねてくる。

     蟲師1-3

しんらは祖母の言いつけを守って山を下りることもなかった。4年前に亡くなった祖母はしんらが時々見る不思議なものを描いた絵を見て、こんな幻(ゆめ)を見るのはおそろしい力のせいだと言った。それは「蟲」あるいは「みどりもの」と呼ぶ生命の原生体に近いものたちだとギンコは話す。五感で感知しにくいものを感じる「妖質」は誰でもが持つがその能力は眠らせていたり忘れたり、見える性質とそうでない者に分かれると。

     蟲師1-5

ギンコの前に少女の姿の蟲が現れる。しんらには見えないがそれは祖母の廉子(れんず)で緑の半欠けの盃を持っていた。蟲がヒトに擬態して客を招く「蟲の宴」でつがれた酒を飲みほすと蟲になってしまうが祖母は宴が中断されてしまい半分をあちら側に置いてきてしまいヒトと蟲の中間のモノになっていた。

     蟲師1-4

31年後に生まれる特殊な力を持った孫を生涯目付けをするようにと「光酒」をふるまわれて言われた。半分飲んだところで宴が中断した。しんらの知っている祖母は半分でしかなかった。しかしもう半分もずっとしんらを見守ってきたのだった。しんらに会いたいという廉子に完全な蟲になれば見えるとギンコ。しんらにお前の能力を使えばできると言った。

     蟲師1-6

しんらが緑の盃を描き割れた盃と付けた。廉子は光酒を飲みほし、しんらの前に少女の姿の廉子が現れた。ギンコに祝いだからと言われてしんらも飲むと、祖母の感情が流れ込んでしんらの眼から涙があふれた。そしてそれに感応するように光酒も盃から溢れた。

お目付け役が復活したから調査はあきらめたとギンコは帰って行った(緑の盃はお持ち帰りw) それ以後、神の筆(ひだりて)を持つ少年の新しい噂は途切れた。

★だいぶ前の放送で、忘れている話や見逃した回もあるので、続章と一緒にこちらも第1話からアップ予定です。

★原作では第1巻にあります。

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