マイナーな神様、夜トは交通事故に遭いそうになったところを壱岐ひよりに助けられる。ところがそれがきっかけで、ひよりは魂が抜けやすい体質になってしまい、夜トに治してくれと頼み行動を共にするようになる。

ノラガミ 第9話 「名前」



夜トを助けてほしいと小福と大黒のところへ担ぎ込んだひよりだが、大黒は一線(境界)を引き、ひよりだけ中へ入れる。小福がひよりを浴室に連れていき庭の湧き水を直接引いた水で身体を洗うように言う。ひよりが夜トにもこの水をと言うが小福は、夜トちゃんのはこれじゃもう手遅れ、ユッキー(雪音)が罰を受けなきゃと言う。

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夜トを助けるためには、ヤスミを祓う儀式「禊(みそぎ)」をしなければならない。それには神器が3人必要。自分の他にあとふたり、社をまわって探すと言う大黒に小福は、もし禊に失敗したらどうなるかわかっているよねと言う。大黒は、とにかく早く神器を連れて来ないと夜トは明日の朝まで持たないと言い、雪音にそこから動かないように言い渡すと神器を探しに出かけて行った。

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天神のもとを訪れる大黒。禊と聞いて神器たちは下手すると妖に食われてしまう、重い禊に手を貸して帰って来なかった友だちがいるなどと話す。真喩(もと伴音)は、お許しをいただけるなら私をと天神に言う。「一度は伴の名をくださった方ですから」

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大黒から小福にあとひとりが見つからないと電話。小福のこのままじゃ夜トちゃん、死んじゃうよの言葉にひよりは外へ飛び出す。あとひとり神器を見つけなくちゃ。野良が思い浮かんだ。野良なら夜トのために来てくれるだろうが、雪音を斬るだろう。ひよりは命が惜しければ来るなと言われていた毘沙門のところに行き兆麻(かずま)に力を貸してくださいと呼びかける。

真喩ひとりを連れて帰った大黒。どうするのよと小福。雪音が出て行こうとすると止めたのは兆麻だった。夜トはお前のところは仇じゃないのかと大黒。兆麻は、でも僕には借りがある。それに、ひよりが呼びに来たからと言う。

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夜トのヤスミは身体中に広がっていた。こんなに重篤では持たないから雪音の名を取って破門するようにと兆麻は言うが夜トは首を横に振った。だから禊をやるしかないと大黒。何をしたと聞かれ、何もしてないと言う雪音。大黒が服を脱がせると背中に複数の妖(あやかし)が張り付いていた。早く取ってくれと慌てる雪音。

覚悟はできているなと大黒が言い、真喩と兆麻が頷いた。禊が始まる。3人が境界線を引き三角形を作る。そして雪音をその結界に閉じ込め苦痛を与える。禊とは身を削ぐこと。神器が境界線を使って行うリンチなのだとひよりに話す小福。神器の罪はもと人間である神器たちにしか裁けない。禊は始めたら途中でやめるわけにはいかない。神器が自分の罪のすべてを洗いざらい吐き出し懺悔しない限り。さもないと......

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何をしたか吐けと言われた雪音は、うるさいと言い罪を認めようとしない。すると雪音の背中から羽が生えてきた。妖に転じようとしている。攻撃を強めると夜トにも苦痛が増す。自分は何も悪くないと雪音。小銭を盗ったくらいで何だ、未来も思い出も家族も友だちも、あいつらには全部あるのに自分には何もない。みんなおれみたいに死ねばいいんだ。

妖に転じようとする雪音。3人の神器にも止めきれなくなってきた。諦めるなと大黒は言うが、体の「雪」のしるしが消えそうになる。あれが飲み込まれたら......名前を呼んでやらないと、名前が消える、あっちに行ってしまう。夜トは雪音を呼ぼうとするが声が出ない。

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「雪音くん、あっちに行っちゃダメ。妖になんかならないで」危ないと止めるのも聞かずひよりが結界に駆け寄り呼びかける。夜トの言葉、「こいつは、ろくでもねえクソガキだが、おれが見つけておれが名付けた。雪器はおれが鍛える」あの言葉はまるでお父さんだったとひより。裏切られてもずっと耐えていた夜トをまだ裏切るなら、もう友だちじゃないからねとひよりは雪音に言った。夜トが力を振り絞って顔を上げると言った。

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「確かにおまえはもう此岸の人間と対等にかかわることはできない。だが雪音、おまえには人の名を授けた。だから、だから人として生きろ。生きるんだ雪音」

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「ごめんなさい」雪音のしるしが元に戻った。雪音は夜トを刺したことを詫びた。金を盗ったこと、ひよりに触ろうとしたこと、スケボーを盗んだこと、ガラスを割ったこと......すべてを詫びてもうしませんと謝った。

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禊が無事終了してみんなヘトヘト。夜トは、このバカのためにすまないなと礼を言った。ひよりにも迷惑をかけた。雪音におまえも謝れと言い、「ごめん、ひより」雪音は謝った。

夜トは思った。もしここに連れてきてもらわなかったら、あのまま死んでいたかもしれない。もし連れてきた神器が野良だったら、苦痛に耐えかねて野良で雪音を斬っていたかもしれない。もし雪音を呼び止めてくれなかったら、もしひよりがいなかったら......

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「こいつは、おれたちを救ってくれた」

「ありがとう」

その頃、野良は、

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「あの子、妖に食われちゃうと思ったのに。やっぱりあなたに起きてもらって正解だったわね。蠃蚌(らぼう)」

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「夜ト、あれが確かにかつての禍津神(まがつかみ)夜トなのか」

「自分で確かめてみればいいのよ」


☆次回 「忌むべき者」


【感想】

雪音が妖になってしまわなくてよかったです。それにしても、みんないい人ですね。真喩は生理的にいやとか言っていたけど、危険を承知で協力したし、兆麻も恩があるといっても毘沙門に知れたら大変でしょうに。強面なのにグチャグチャに泣いちゃう大黒もとても優しいですね。そして夜トはひよりのこと好きになっちゃうかな。

さて、野良の一緒にいた人物は不気味で謎ですね。アニメオリジナルらしくて何もわからないので興味津々です。夜トと過去に因縁があるんでしょうか。