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夕暮れ。昔なつかしいのどかな田園風景。いやここは1000年後の世界。

♪遠き山に日は落ちて....

『家路』(交響曲第9番ホ短調・新世界より)が聴こえてくる。

「すぐに家に帰らないと。ネコダマシが出る.....」

☆前の話は→ 第1話~第13話 あらすじまとめ


第14話 「雪華」

   新世界より14-1

守は見つかったが戻る意思はなかった。言い訳要員として覚が町に戻った。心配になった早季も守と真理亜に、とにかくここで待っているように告げ、いったん町に戻る。

   新世界より14-2

町に戻ると両親が待っていた。教育委員長から呼び出しがかかっていると言う。何でもたずねられたことをありのままに答えるようにと母は言い早季ひとりで教育委員会に赴く。

   新世界より14-3

早季は査問会にかけられ、正直に質問に答えるように言われる。

覚は守を見つけたがケガをしていたのでと話していた。早季は守はどうしても帰りたくないと言ったと答えた。ひとりにしておけなかったので真理亜が残ったと。

   新世界より14-4

「自活するんだ。呪力があれば何とかなるよ。僕は町で生きることを許されないから仕方ないけど、真理亜はそうじゃない」

「だから私に一言も相談しないでひとりで家出したのね。本当に守みたいに優しい子はどこにもいないわ。でも、これからはずっと一緒よ。いいわね、約束よ」

   新世界より14-5

「もう会えないの?」

「そんなことないわ。きっとまた会えるから」

(かまくらで早季と真理亜、最後の夜?)

守が帰るのを嫌だと言った理由を聞かれる。町は守の行動が原因で外出禁止令がひかれて住民は不安に慄いているとのこと。早季は、守が逃げ出したのは、死にたくなかったからと思うと答えた。不浄猫に殺されかけたことを話す。

ありのままを話す早季は査問会を侮辱した、言動を倫理規定に照らして重大な罪を構成すると言われる。処分されるのかとたずねると「何ておぞましい子なの」と。

   新世界より14-6

その時、ドアをノックする音が聞こえ、そこに朝比奈富子が入ってきた。

「早季ちゃんのことは私にまかせていただけないかしら」

富子は自分が早季にいろいろなことを教えたから責任がある。不浄猫のことも。それは将来の町の指導者を養成するため。1班の子供たちに実験を指示したのも自分だから。だが、こうなったのは、守の処分を性急に決め、その上その処分さえ満足に果たせなかった教育委員会にも重大な責任があると告げる。今はこれからどうするかを一番に考えないと。富子は皆を説き伏せると早季と話をしたいから囲炉裏端を貸すようにと言い早季を連れて行く。

   新世界より14-7

そこには、3匹の不浄猫がいた。命令しない限り襲わないと富子は言う。教育委員会はこれで早季を処分するつもりだったのだろうか。早季は富子が言っていた実験について聞いてみる。

早季たちは特別だった。ふつうの生徒は幼い頃から何度も繰り返される睡眠暗示によって思考内容までが操作されているが、早季たちは思考の自由を奪うようなことはほとんどなかった。それは「従順な子羊だけでは町は守れないから」だと言う。

   新世界より14-8

守と真理亜は二度と町に戻らないと思うから何か悪影響を与えることはないので、そんなに大きな問題とは思えないと言う早季に「あなたは問題の本質がまったく見えていない」と悲しげに言った。そして、古代文明には核兵器という恐ろしいものが存在したが、今の状況はそれよりひどいかもしれない。今の世界は潜在的には、それよりはるかに恐ろしい存在で満ちている。それは「人間」だと。

たったひとりの悪鬼によって、容易にひとつの町が皆殺しにされてしまったように、ひとりの人間の精神の平衡が失われただけで、理論上は地球が消滅してしまうことさえ考えられる。教育委員会を抑えておくから、3日でふたりを連れ戻すようにと富子は早季に言った。このまま逃げ続ければ教育委員会は処分に全力を挙げる。ふたりは生きられない。戻ってくれば命は自分が保証すると。

   新世界より14-9

守と真理亜を連れ戻しに出発する早季を富子は船着き場まで送ってくれた。早季は富子はどうしてこれほど強い影響力を持っているのかとたずねた。富子は自分が恵まれたのは唯一「時間」だと答えた。

富子は267歳だという。悪鬼に遭遇したのは今から245年前、倫理委員会の議長に就任したのは170年前だと。呪力は平凡だったが、誰も習得していない、自分しかできない技があった。それは「自分のテロメアを修復できる」

テロメアは染色体の末端部分のことで細胞が分裂する時に少しずつ短くなる。テロメアがすり減ってしまうと細胞はそれ以上分裂できず死を待つしかない。テロメアの長さは寿命を示すろうそくのようなもの。自分はそれを修復することができた。みんないなくなって私だけが残った。それが権力の源。そして早季の舟が出発する直前にまるで餞のように言った。帰ってきたら新しい課題をやってもらうことになる。それとテロメアを修復するイメージは早季がやっていた課題の壊れた壺を元通りにするのと、ちょっとだけ似ているのよと。

   新世界より14-10

早季の舟に覚が追いついてきた。早季の後を追ってふたりで守と真理亜を連れ帰るようにということだった。早季と覚は守と真理亜の元へと急ぐ。

   新世界より14-11

守がいた目印の松の木がある場所。そこに「かまくら」はなく、守と真理亜は姿を消していた。

   新世界より14-12

「さよなら」


★不浄猫、おとなしい~www 富子さん、若作りとは思ったけど、267歳とは驚きですね。テロメアの修復ですか。すご過ぎというか、恐ろしい能力だわ。いろいろなことを淡々と話す富子に怖さを覚えると前に感想を書いたけど、267歳の大人?にしたら、14歳の娘をその気にさせるなんて赤子の手をひねるようなもの、200歳以上年下の教育委員会の面々を説得するなど朝飯前の話でしょうか。覚は孫といっても何代目がわからないくらいで、知らないのも無理なかったですね。かなり興味深い人物ですね。

★真理亜と守は戻る気持ちは全くないようですね。全国指名手配みたいな感じになるのでしょうか。逃げても捕まっても、明るい未来はないように感じます。かわいそうですね。話、進んでおもしろくなってきたような気がします。次も楽しみです。