「人柄や人格を知らずに一人歩きしたまことしやかな噂(中略)犯人だと断じるようなひどい噂まであった」
「噂ってなんだろうな」
「あんな荒唐無稽な噂が立ったなんて信じられない」
「言ってたのは、誰なんだろうな。自分じゃない。加担してたわけじゃない。そんな噂があったのは知ってたけど、当時からひどいと思ってた。」
「噂は軽薄な娯楽だ。一時興じて、あとは忘れる。消費して捨てる。(中略)意図的に責任から逃げるよりも、ある意味では罪深く、だからこそ恐ろしい。」
25年前に起きた百貨店受付誘拐殺人事件を軸に
・同時期に起きた小学男児轢き逃げ事件
・現在時の小学男児行方不明
・猥褻事件
が絡んでくる。
久しぶりの辻村氏の長編作品。
不穏な空気を作るのが上手い。読み進めていく毎に、こうくるか!と感嘆させられる。
噂。今はネット炎上も日常茶飯事のように起きている。
噂を信じて、罪を犯してしまった者。
フィクションとはいえ、自分だってなんらかの事情に巻き込まれたらそうなってしまうかもしれない。
ちょっとした世間話でさえも、そういえばネットで見たけど‥なんてしている自分。
気をつけないといけないなぁと反省。
久々に読み応えのある作品でした。