「どれだけ愛されたか、ではない。 どれだけ愛したか、だ。」(トカレフ藤木)


9月11日、金曜日。

朝、AM7:29の加古川発新快速に乗って、三ノ宮へ。

三ノ宮駅西口改札を出てすぐ、伊丹空港行きのバスが出ているのだ。

AM8:15発のバスで、AM8:50に空港へ。

飛行機はAM9:50発なので、およそ1時間ほどある。
飛行機のチケットはあらかじめ、ホテル代と一緒に代金を払っていた。

飛行機代往復+ホテル1泊の料金が込みで、30300円か。悪くない値段だ。

チケットレスなので、入ってすぐの機械に、代金支払い時の9ケタの番号を入力する。
名前が出てきて、座席を選択できるようになっている。
いまどきの機械は便利だ。

大きな荷物を預けて、楽器と手荷物を手に、空港内へ。ここでも、厳しいチェックを通り過ぎて、いよいよ搭乗する。

チケットレスだったので、20分くらい余裕があり、

空港内の洗面所にて、ゆったりとヒゲを剃ったり、いろいろ出来た。

■飛行機内にて。

一人で、飛行機に乗るのは初めてだ。
俺は、「初めてのおつかい」のように緊張しつつ、やっぱりキャビンアテンダントのお嬢さん方は美しいな、なんて見とれている。

銃型のウクレレなどの荷物を、しっかり上の荷物入れに収納し、

手荷物は、前の座席の足元へ。

やや緊張気味に、緊急脱出時のビデオや、救命胴衣の使い方などを真剣に見る。
携帯電話などの電波を発する機器は、飛行機の飛行の妨げになる恐れがあるので、電源を切っておく。

手持無沙汰になり、なんてことない航空機内の雑誌を眺め、ANA限定のロクシタンのセットを買おうか、内田恭子デザインのストールもなかなか、とあれこれ迷っていると、飲み物のサービスがはじまった。

俺の隣の男性は、いかにも仕事の出来そうなこじゃれたサラリーマン風の男性。

年のころは、30代後半あたり。
今日は金曜なので、こいつも仕事で仙台に向かっているのだ。高価そうな時計がきらり、と光っている。

CAのお姉さんが、俺達の隣にかしづき、笑顔で「お飲物は?」と聞いてくれる。

とりあえず、殺し屋らしくアップルジュースをお願いしたが、隣の男は慣れた調子で「スープを。」と、またいかにも仕事が出来そうな感じで注文。
まるで、「いつもの。」とでも言わんばかりだ。

美しいCAの手から、湯気をたてたスープが容器に注がれる。

目の前を通り過ぎる容器の中から溢れ出たオニオンの豊かな香りが、俺の鼻をくすぐる。

そう、朝メシを食べていない俺は空腹だった。


・・・なぜ俺もスープにしなかったんだ!

心の中で「チェンジ!」と叫んだが、遅かった。

去りゆくCAの背中を見ながら、

「帰りの飛行機では、絶対にスープにしよう。絶対にな。」と固く誓う。

続く。