今日の読書

 

 

感想+粗筋

 

一人の職人が焼いた、自分でも最高傑作だと思った『青い壺』が10何年に渡り、様々な人の手に渡る。そしてそれは一回りして戻って来るが・・・

壺に関わった人達のそれぞれの人生模様。13話の短編連作集。

 

壺の本当の価値が分からなくてふりまわされて滑稽だと思ったところも多々ありてへぺろ

 

それぞれの人物に考えさせられたが、自分の印象に残ったのは👇

 

50年近く会社で働いたサラリーマンが、定年になりゴロゴロし始め、半年でネを上げた山田の妻

3食作るのはしんどい。しかも夫は朝から良く食べ、家の事は何も出来ない。その山田が世話になった上司のお礼にと、デパートで見つけた『青い壺』を、上司に渡しに来た。山田はそのまま、かつて自分の座っていた机でハンコ押しを始めてしまう。ぎょっとする元同僚の部下達・・・・

☜家にいるようになった夫にうんざりの妻の気持ちも分かるし、定年になっても会社員だと錯覚する夫の気持ちも分かるかも。

 

旧家に嫁に行った娘。嫁ぎ先で、財産分与の地獄絵に辟易した模様を実家の母・芳江に聞かせる

が、娘も同じように自分達の財産を心待ちにしていると解り唖然とする芳江と夫。夫は元部下・山田👆に貰った『青い壺』は誰かにやってしまえと言う、夫婦でお金を使い切ってしまおうと言う夫。

☜まあ、あるある。でも夫婦で楽しく暮らすのが結局娘を安心させることになると思うし・・えへ、甘いかな?

 

夫の仕事でヨーロッパにも赴任していた事のある芳江👆

夫は亡くなり、今は息子夫婦に世話になっている。

戦時中に苦しかった語り草の中で、昔、夫とのパリで食事やダンスの若き頃の思い出と共に嫁に語って聞かせる。

☜いや、これ、知識が無かったとは言え、驚き!戦前の裕福なマダム達はエステローダの下地とか、カルティエのイヤリングとかゲランの香水とか当たり前に使ってたんだね?食事もマキシム・ド・パリとかさ?

 

50年ぶりに女子大の寮生の同窓会に京都に出かけた弓香

30万お小遣いを持って行ったのに3000円でちょっと素敵な『青い壺』を購入。

あちこち具合が悪いのに、あなたはどこも悪くないと友達にも医者にも言われて、イライラ。寒くなって来ると保険のきかない高級な病院で療養している。お掃除婦のシメ👇にたまにダメになりそうな薔薇を上げる。

☜笑えるけどあるあるね?恵まれてる事に分かってないのね!

 

元気なお掃除婦のシメ。薔薇の花の手入れが得意。弓香👆の療養している病院で『青い壺』を触ったら壺の持ち主に怒られた。

息子と一緒に買った公団住宅に満足し、嫁や孫にも恵まれた。薔薇の花びらを枕に入れ、極楽だと思いながら眠りにつく。

☜うんうん。結局のところ毎日元気に健康に暮らせる事が最強!

 

壺を巡り楽しい人生模様でした!