今日の読書

 

 

感想➕粗筋

 

 

女子が仕事帰りに1人でも入れるような、京都料理のおばんざいや。

女将1人で切り盛り、場所は分かり辛く、雑誌にも紹介された事もないので、カウンターの顔ぶれは大体同じ。が、初めての客でも決して不愉快になる雰囲気では無い。

 

東京の丸の内にある、そんな素敵なお店の女将・吉永と、常連でもありアンティークショップ経営の親友・清水、彼女達に関わったお客。女将・吉永の余りにも過激な過去、それに関わった人達、吉永と清水が親友から淡い恋人になるまでのお話。

と、大筋はそんな感じ。

 

7編の連作短編集。どれもぐぐっと来る話だったが、私の胸に響いたのは次の作品達👇

 

聖夜の憂鬱

クリスマス・イブに父が殺されてからクリスマスが嫌いだと言うお客の真奈美。父はイブの夜、酔った男に絡まれて電車のホームに落ちて死んでしまった。幼い彼女にプレゼントを買った筈がプレゼントは見つからず、しかも父が浮気していた事が分かってしまう。

父は家族じゃ無く、愛人に会いに行ったのだろうか?

 

桜夢

緑色の桜が咲くと、夢が叶うと御伽噺的に話してくれていた浩美の祖母。常連客で、緑色の桜で花見をしようと言う事になり。ある日、常連客の塚本が殺されてしまう。

塚本を殺したのは保険金の受け取りになっていた愛人なのか?

 

たんぽぽの言葉

常連の斎藤が連れの同級生、タンコと言うあだ名の友達を連れて来る。彼女は結婚しているが、若い頃、空き巣に母親を殺されたり、弟を事故で、続いて父も無くしたりと苦労人だが今は幸せに暮らしているらしくてほっとしていると言う斎藤。

後日、その話をお店で一緒に聞いていたお客の中の警察勤めの村山は職業柄、昔の事件を調べて見たという。なんとタンコなる女性の結婚した相手は、当時、タンコの母親の空き巣の容疑者に上がったと言う、彼女の家庭教師だったびっくり

タンコは何も知らないで彼と結婚したのだろうか?

 

ふたたびの虹

清水の過去。放浪して落ち着いた感じ。吉永(女将の事)をいつまでも待とうと思う。ある日、吉永を探しているのだと言う老婦人が清水を訪ねて来る。彼女は、吉永がかつて結婚した相手の妹であった。そこで開かされた衝撃の過去!

彼女の結婚していた相手とは?そして息子は?

☜う~ん、中々過激な人生だったかも。

 

お料理も食べたくなるし、女将・吉永の過去も気になるし、文章も読みやすいし、ミステリー要素も有りで、一気に読めるかな。

 

周りの常連さん達もだけど、彼女を隣で支え良き友達でありながら、しだいに互いに心を寄せ合って行く清水との関係もいい感じだった!