今日の読書
感想+粗筋
推理小説&ヒューマンドラマって感じね。
23年度の、このミス大賞の作品だそうだけど読後感も爽やか、温かい気持ちで読み終える事が出来たかな!
主人公の楓は小学校教師。一人暮らし。大のミステリー好き。
幼い頃の経験から白い服が着れない。
大好きな祖父をたまに見舞いに行っている。
祖父は大昔、早稲田大学のミステリークラブでならしたメンバーの一人。
並外れた読書量、記憶力、知識力、観察力、推理力らを兼ね備え、元小学校の校長も務めたスーパーおじいちゃん!!
楓の憧れでもある。
が、まだ70代のこの祖父がここのところ、認知症にかかった。ルビー小体型認知症。
症状としては、幻視を見るのが特徴。
青い虎が部屋に入って来たり、楓が血に染まって倒れているところや、カワウソがベットの下に巣作りをしてたりする。庭の鈴虫も。
その祖父は体調の良い時は、突如、名探偵と化す。
楓の周りに起こる事件を、楓の撮って来たボイスレコーダや話から、見事に犯人や真実を割り出して見せるって・・・・大筋。
《居酒屋の密室》
入れ墨の入った客がトイレで殺されているのが発見される。しかし容疑者として捕まった客は黙秘。
☜女子高生がその昔、世間を騒がせた押し込み強盗の片割れだったとか『俺たちに明日は無い』のボニー&クライドに被せた説明が面白かったわぁ。
《プールの人間喪失》
楓の友人の務める小学校で美人のマドンナ先生がプールに飛び込んだその時から消えてしまった!!
美人特有の恋愛の三角関係のもつれによる殺人か?それとも失踪したのか?
☜祖父の後輩である校長先生との話が意外でびっくりだったぁ。
《33人いる》
楓の授業での英語のクラスの時。32人の生徒のはずが33人に増えていた?
☜タイトルは我らが萩尾望都先生の『11人いる』から来ています。そして祖父を元気付ける為の楓の生徒3人組をハリーポッターの3人組にかけた説明が微笑ましかった。
《まぼろしの女》
楓の大切な同僚である岩田先生が殺人事件の容疑者で捕まってしまうが、彼は被害者を助けていただけ。現場にいたはずの目撃者の女性は姿を消してしまい、ウォーキング仲間の人達も誰もそんな女性は知らないと言う。
☜タイトルは旅行中にペストで死んでしまった『幻の女』にかけています。
楓の悲しい過去が明らかに。ちょっと生意気な四季君がついに楓に告白!
《ストーカーの謎》
楓は日々ストーカーされていたが、ついにつかまってしまう。犯人は誰か?
☜この章で、過去の伏線も一気に解決。ストーカーの正体も。『女か虎か?』の話が面白かった~
おじいちゃんの決めセリフ
『楓、君ならどんな話を紡ぐかね?』
『楓、タバコを1本くれないか?』☜推理を始める時
『僕には絵が見える』
とっても素敵な、きっと助かるって安心して読める話だったかな。
おじいちゃんも素晴らしかったけど、岩田先生と後輩の四季君のキャラがまたいいんだわ、これが。二人とも可愛くて
楓は好きな人が出来たようだけど、さてどちらを選ぶのか?とても気になるところ
続編『名探偵じゃなくても』も出ているとの事で、機会があったら読んで見るつもり。