定期的に聞き直したくなる曲がある。



それは私にとって



松たか子の「明日、春が来たら」であり



中島美嘉の「STARS」であり




神田沙也加の「ever since」だった。





神田沙也加がまだSAYAKAと名乗っていたのは2001年。今からちょうど20年前。



美男美女の親から生まれたのだからビジュアルは当然かわいい。

しかし、また2世タレントの登場かと思っていた人々に衝撃を与えたのは(少なくとも私が衝撃を受けた)そのビジュアルではなくデビュー曲だった。



ever since



 高音ファルセットが連発するサビも難なく歌いこなす歌唱力。

それよりも何よりもアイドル界の歴史の中で随一であると断言できる松田聖子のクリスタルボイスに勝るとも劣らない声を披露した。

いま、この気分で聞いているからかもしれないけど、母にも勝ってるよな。







親の七光りだと言われたくなくて、



自分の実力で勝負をしたくて、



それこそ「ever since」、タイトルのように

デビューしてからずっと努力をし続けてきたんだろう。



そんな彼女に天はアナを与えて、呪縛から解き放った。

ミュージカル界で無双の活躍。

これからのスケジュールもびっしり埋まっていたという。



それなのに、なんでやろ。

若い人が死んじゃうのは堪えるのよね。

もっと素晴らしい歌声を聞かせて欲しかった。

会社でひとり歌声を聞いてると悲しさよりも、もったいないって思ってしまった。



「ever since」の作詞は彼女。

(作曲はブリグリの片割れ。どうりで名曲なわけだ)



あの時咲いた花を 胸に抱いたまま
歩き出せずにいた 道が見えなくて


いつの間にか この街から 光は姿を消して
どれだけ願っても また その夜が 訪れるのなら


壊れかけた夢 広い集めたら そう 立ち上がって
ずっともう前だけを見て 進んでいけばいいよ
そして僕らのあいだを 駆け抜ける”夜”は今
確かに何かの意味を持って僕らを 強くしていくんだ
きっと そんなものだから


あの夜独り言のように つぶやいた
君の言葉を忘れられなくて


”目指す場所は遠くじゃなく 案外近くにあるね
何でもない明日 大切だって やっと 気付いたから”


どんなものにだって 耳をすまして歩く あらゆるものに
気付くことができるように 失わないように
きっと胸の奥にある ほんの小さな勇気
強く抱きしめて僕は どんな雑踏も 時代(とき)
生きていこうと思う


どんな夜も
ひとりじゃない
もう一度だけ一緒に始めよう
”間に合わない”なんてない


壊れかけた夢 広い集めたら そう 立ち上がって
ずっともう前だけを見て 進んでいけばいいよ
そして僕らのあいだを 駆け抜ける”夜”は今
確かに何かの意味を持って僕らを 強くしていくんだ
きっと



壊れかけた夢

広い集めたら

そう 立ち上がって

ずっともう前を見て

進んでいけばいいよ



そして“夜”は確かに意味を持って僕らを強くしていく



遠い昔にこう書いた自分の歌詞を思い出して欲しかったな。





神田沙也加さんのご冥福をお祈りします。

ほんまに悲しい。