はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。

私の記事の紹介です。メッセージボードとほぼ同じです。内容の振れ幅が大きいので、スマホユーザーでご興味を持たれた方はこちらをどうぞ。

アメブロさんのバージョンアップでリンクの貼り方がわからなくなりました。助けてー。前回までの話はあらすじでどうぞ。

前回までのあらじ。
マルコは18歳。母のアネモネをデモンのアレンにさらわれた。マルコは母を取り戻す旅に出た。旅の途中、母と再会を果たすも、またやアレンに彼女を奪い取られてしまった。

[マルコの冒険1‐3]

僕はパン屋のお姉さん達と別れ、苦しい旅を続けた。雨の日も風の日も歩いた。
ある昼下がり、山沿いの町外れを訪れると、澄んだ川べりで水汲みの女性が座り込んでいた。
「僕はマルコ。どうしたんですか」
「私はサリナです。足を挫いてしまって」
若い彼女は歳上で白い肌が素敵だった。僕は辺りを見回した。近くには川と山だけで、助けてくれる人がいない。
「困ったな。おんぶはできるけど、それじゃ水桶は持てないし」
「ありがとうございます。それでは大きめの木の枝を拾って来てくださいますか? 桶を持ってくだされば私は杖で歩きます」
「わかりました」
僕は彼女のために杖を用意した。彼女はそれで立ち上がり、僕は水を汲み直して桶を持った。二人で並んで町の中央に向かった。
「サリナさん、意外と歩けるんですね」
彼女は足場がガタガタしていても、苦にならない様子だった。
「ええ、このくらい大丈夫。それよりかわいい顔してらっしゃるんですね。あら」
彼女は足をもつれさせ、僕にタックルしてきた。僕たちは重なって見事に倒れ、桶の水も台無しになってしまった。僕が先に上体を起こした。
「サリナさん、大丈夫ですか? お水は残念でしたが、一旦ご自宅まで送ります」
次に彼女が打ち身を押さえて、苦労して身体を起こした。
「ありがとうございます。私、下着が濡れてしまって」
「そうなんですか?」
彼女は上着の背中をたくしあげて、両手を中に入れてる。
「ホックがかたくて……、ブラジャー外して下さる?」
むんむん迫ってきた。僕はその引力に抗えず、どぎまぎしながらおっぱいにタッチした。
ーーパン!
その時頭に何か降ってきた。振り返ると見たような顔の女性が立っていた。銀のトレイを持っている。ワカメロングヘア。
「母さん!]
「何をやっておんじゃ!」
彼女が歯をむいている。僕は真面目に説明した。
「ブラジャーが大変で」
「ブラジャーじゃない!」
「どうして脱出できるの?」
その時アレンが黒煙とともに現れた。母さんがトレイで一撃を放つと彼はまともに食らった。しばらく女座りでメソメソ泣いて、次に立ち上がる。彼は右腕を凪ぎ払った。
「じたばたしても無駄だ!」
たちまち竜巻が起こって母さんとアレンをかっさらった。僕の頭上でアレンが言い放つ。
「アネモネはもらってゆくぞ!」
「どうして逃がしちゃったんですか?!」
「はははは、悔しかったらデモンの山まで来るんだな!」
アレンと母さんはみるみる空へのぼっていく。僕は力いっぱい叫んだ。
「母さーん!」
「マルコー!」
僕らはまた引き裂かれた。
(続く)