夫は結婚してから、私と親の関係を間近で見ることが多くなり私の話した内容に驚きはしたが疑うことはなかった。こんなに人に自分の気持ちを委ねることができたのはいつぶりなんだろう。頭の中がクリアになっていくのを感じた。

このとき私は働いていたので、仕事の忙しい月末に数回、母に娘を預けることがあった。私には常に母に娘を預かってもらうという負い目があった。母もそのことで優位に立っているふしがあった。夫と預かってもらわなくても2人で協力してやっていこうと話をした。もう、あの頃のように1人じゃない。私には夫も娘もいる。

あの日も、同じように母は姉の娘と比較して私の娘のことを扱いにくいと言い始めた。私はいつものように母に同調することはしなかった。私は母に「娘を私たち姉妹と同じように比較して悪く言うのは辞めてほしい、私もずっと姉妹で比較されてきて嫌だった。それを孫でもするのは辞めて。」と話した。

「何ムキになってんの?」ニヤニヤしながら母はそう言った。