ハンドが天文台に向かおうとした時に訪問者が来たことを教えるチャイムが鳴った。出てみると布にくるまれた子どもと男女が立っていた。
「なにか?」
ハンドが不審そうにたずねると
「わたしたちはケートアンとターバ。ドクターから連絡を受けていませんか」
「ドクター、あっ、兄か。ちょっと待って」
ハンドは肩にかけたバッグの中からパッドを取り出し指を動かした。
「はあっ。事情は分かりましたが天文台に行くので今からは無理ですよ」
ハンドは困惑の表情を浮かべこたえた。
「ええっ、ではいつなら」
ターバが甲高い悲痛な声をだした。
「早くこの子をもとのルルシャに戻したい」
ケートアンは言い、ターバとケートアンは一歩進んでハンドに近づいた。
「ち、ちょっと」
ハンドはこれ以上近づくなと両手を伸ばして止めた。
「明日休めるように話してきますから。Wフレアが沈むころの時間でどうですか」
ハンドは提案した。
「Wフレアってなあに」
ルルシャの体を借りてはいるがなんなのことかここのことはかわからない。
「二つの太陽だよ」
ハンドがおやっという顔をして言った。
「太陽が二つ!」
ハンドを驚きの目を見開き見上げて言った。
「この星に生まれた子がWフレアにどうしてこんなに驚きの表情を浮かべるの」
ハンドが首をかしげた。
「だからルルシャがルルシャではないんです」
ケートアンが叫んだ。