大糸線の電化部分(松本ー南小谷)の想い出です。

 

この線の魅力もまた車両と風景になります。

景色としては、運転本数の少ない、信濃大町より北の方がいいんですが、さすがに本数が少なすぎて効率が悪いので走行写真としては、北アルプスをバックにとれる信濃常盤ー安曇沓掛のあたりで撮っていました。

 

電車の中の一つのジャンルに「旧型国電」というのがあります。

正式な定義があるのかどうか知りませんが、多分、皆さんの共通認識としては、

国鉄(JR)で言えば101系より前の、いわゆる「吊りかけ式」モーターで走る電車のことを指すと思います。

国鉄、JRは、今も昔も、山手線や中央線に最新の車両を投入し、古くなった車両を田舎の路線へと都落ちさせていきます。「旧型国電」も昔は山手線とか中央線とかで走っていたものが地方に飛ばされて走っているわけです。

私が鉄道写真を撮るようになったころ、旧型国電は東京近辺からどんどん少なくなっていたころで、首都圏の中でも比較的田舎の路線だった横浜線、南武線からもどんどん撤退していくころでした。

それらの旧型国電は地方へと新たな活躍の場を求めていくのですが、何分、直流電化路線でないとダメなので、そんなに活躍の場がたくさんあるわけではありません。

 

関東近辺だと、身延線、御殿場線、千葉ローカル、両毛線、新潟ローカル、飯田線、大糸線、くらいでしょうか、、。

 

旧型国電の魅力はこれらの路線の紹介とともにしたいと思うのですが、なにより大糸線の旧型国電の魅力というか特徴はそのスカイブルーのいでたちです。

地方へ都落ちしていく旧型国電は大体はスカ色と呼ばれる紺とクリーム色のツートンカラーのまま、なんですが、大糸線の旧型国電はなぜかスカイブルー一色に塗りなおされて走っていました。


ああ、先に飯田線とか身延線の「正統派」スカ色旧型国電を紹介した方がよかったでしょうか。

大糸線のスカイブルーの旧型国電を見てください。

御殿場線、飯田線の「正統派スカ色」の旧型国電を見慣れた目で見るとすごく奇異に映ったものです。なんでわざわざこんな色に塗りなおしたのか、、、と思ったことを覚えています。

 

でもなんか慣れてくるとこれはこれで似合っているように思えてきますね、、

北アルプスをバックに撮れる安曇沓掛のあたり、スカイブルーの旧国が入るのは少なかったものの木崎湖畔を走るあたり、慣れてくるとしっくりしてくるものです。

最初はあんなに違和感のあったスカイブルーの旧型国電もこれはこれでいいなと思えてくるのが不思議です。

木崎湖畔を走るスカイブルーの旧型国電

 

旧型国電自体の魅力は、「無骨さ」でしょうか。

一昔前に流行ったスタイリッシュな電車にはない、重そうな(本当に重量が)、古武士のようなイメージです(最近の量産車はまた部品の共通化、陳腐化による更新サイクルの短縮等の原因によりまた個性のない、箱型ののっぺりしたものになってきているのはちょっと残念です、、)。

リベット(ネジ)だらけの車体、サビの浮いたボディー、老体に鞭打って働いてる感があります。

そんなに車両自体については詳しくないので間違ってたらすみません。

 

安曇沓掛の駅は無人でしたが、扉が閉まる待合室があり、「駅寝」でお世話になりました。

(今は治安の問題もあり、勧められませんが、昔は宿代浮かしのため、よくやりました。朝、気が付くと周りにお客さんがいたりして、相当に迷惑をかけていたと思います。すみませんでした)

安曇沓掛駅

 

安曇沓掛駅付近からは背景に北アルプスを入れて旧型国電を撮れました。

いつもきれいにアルプスが見えるわけではないんですが、モノクロ(白黒写真)できれいに撮れたときには、自分で紙焼き(ネガに露光してポジの普通の写真にすること)するときに背景の山の方の露光時間を長めにして山をきれいに見えるよう頑張ったものです。

標準レンズ(人間の目で見えるのと同じように撮れるレンズ)で撮ったスカイブルーの大糸線旧型国電と背景の北アルプス

 

列車と北アルプスを望遠レンズで切り取るとこうなります。

 

最後はこんな写真。「さようなら、ゲタ電」のヘッドマークをつけた旧型国電です。この頃(1981年ごろ)になると、旧型国電もメシのたねにしようとしていたことが分かります。メシのたねっていうとちょっと失礼な言い方ですが、注目されていない車両が引退するからと言って何のセレモニーもしないと思いますが、この頃には旧型国電がいわゆる「ポストSL」の被写体の一つとして注目されていたのかと思います。

 

おまけ

たまたま撮れたと思われるED60+マヤ34(軌道検測車)。

大糸線でこの頃走っていたED60はいわゆる「青い機関車」(直流)で私の興味を全く引きませんでした。ただマヤ34はおそらくは2年に一度くらいしか走らないので、「お、これは!」と思って撮ったと思います。

 

今回ちょっと取り留めなくてすみません。

旧型国電、旧型の直流型機関車、地方私鉄、まだストックありますので日記つけていきます。