あまり更新できず、すみませんでした

これからは、ちょいちょいブログにもグルにも顔出ししますので、
良かったら見守ってください( ノД`)
最近は進路のことばかり気にしているので、
更新が遅れています!
専門学校に行きたいので頑張っているところです
新しい小説のネタが思い付き次第、執筆し始めます、たぶん!
*いろは*

[試し読み用短編]
-Sunlight walker-
暗闇に光る星明り。俺はこれを、幼馴染の咲と一緒に見るのが気に入っていた。今となっては恥ずかしくて、二人きりでなんて無理な話だけど。
――上ばっかり見てて、首痛くないの?
一度だけ、咲にそう聞かれたことがある。多分、自分の首が痛かったからだろうと思った。
俺はその質問には答えず、頬杖をついた。
「俺さ、いつか絶対、月に行くんだ」
確か咲は、質問に答えてよ、と言わんばかりの顔で「ふーん」とつまらなそうに言ったんだった。また来ようと誘ったら、首が痛いからと断られたのも覚えている。
11年も前の事を、こんなにも鮮明に覚えているのは、こんなにも咲が輝いて見えたのは。俺が咲を、幼馴染以上の存在だと意識していたから。
* *
小さい頃からプラネタリウムが大好きだった。だって、自分の知らない、地球の外側の奥が目に見えたから。咲は首が痛い首が痛いと嫌がって、あれ以来プラネタリウムには行っていないみたいだった。今回の卒業送別会がプラネタリウムに変更になったのを知って、一番嫌がったのは咲らしい。
「朝陽、プラネタ好きだもんな」
「だって面白いじゃん。あの空気感もたまんね」
プラネタリウムの良さを伝えようとすると、いつも友達に「わっかんねー」と笑われる。
俺が本当に好きなのは、空気感もそうだけど、咲の顔。照明が消えて、真っ暗になる一瞬。咲はとてもいい顔をする。五感を研ぎ澄ませて、空気を感じているのがなんとなくわかる。俺はその一瞬、世界で自分が一人だけになってしまったような、とてつもない疎外感に襲われる。小さい頃は、この疎外感が怖くてたまらなかった。けど、見上げればそこには、きらきらと輝く満天の星があった。だから俺は、空を見上げることに希望を抱くようになり、それがいつしか、宇宙に行くという憧れに変わっていった。
「ねえ、朝陽は大学行くの?」
小さな声が前から聞こえてきた。心臓が大きく鳴った。咲と離れることを決意できていなかったから、咲にはアメリカに行くことを言っていない。実は、もう受ける大学は決まっている。NASAとの共同開発に力を入れていて、人工衛星やロケットの研究を行っている大学。のど元まで出た「アメリカに行く」は、咲の顔を思い出して、ひっこんでしまった。
けど、言わなくちゃ。このままじゃ、きっと後悔する。
「あさ――」
「俺さ、月に行くんだ」
昔みたいに。初めて咲に、夢を語った時みたいに。にっと笑って、頬杖をついた。
《月は恒星ではありません。太陽がないと輝けないのです》
そう、月は太陽があって初めて輝ける。咲が俺の隣にいるから、俺が輝けるように。
「な?俺、朝陽だから、月輝かせてやんないと。なんてなー」
冗談めかして言っても、やっぱり俺が咲を、月が太陽を輝かせることはできないんだと、咲の涙を見て実感した。
* *
空港には、いつもの顔が並んだ。咲だけは、目を真っ赤にしていたけど。
「朝陽、月行ったら地球の写メ頼むぜ」
「手紙とか書いてよ!」
「頑張れよな」
それぞれ皆、言葉で俺の背中を押してくれた。
「咲、なんか言わなくていいの?」
千鶴に促されてようやく顔をあげた。ぎゅっと一文字に結んでいた口をゆるめて、震える声を抑えながら、一言だけ。
「……首、痛くすんなよ」
拍子抜けしてしまった。もっとこう、期待していたものがあったりもしたんだけどな?
でも、咲なりの応援なんだと思った。俺にとって空を見上げるのは夢を追うことで、首が痛くなるのは夢を追うのをやめることだから。
「……、おう」
最後に、咲の頭に手を軽くのせて、踵を返した。
もう後ろは見ない。
上だけ見て歩いていく。
帰ってきたときに、咲を、太陽を輝かせられるように。
*おわり*
お読みいただきありがとうございました!
リクエストがありましたので、前作「Moonlight walker」の続編として「Sunlight walker」を書かせていただきました!微妙な終わり方をしてしまったような気もしますが……。
感想・リクエスト等お待ちしています!
*いろは*
[試し読み用短編]
-Moonlight walker-
真っ暗な中に、星の明かりだけがぽつぽつと光っている。
――上ばっかり見てて、首痛くないの?
誰かにそう、聞いたことがある。自分の首が痛かったから。
「俺さ、いつか絶対、月に行くんだ」
その人は頬杖をついて、私の質問には答えなかった。
「またここ、来ような」
「…首、痛いからやだ」
「ははは」
そんな、他愛もないことを話せていたのは、時間を無駄にできたのは。時間が有限だと知らなかったから。
* *
プラネタリウムなんて、全然面白くない。だって、首が痛いから。あんなに上ばっかり見てたら、疲れるでしょ。
「咲、早く!値引き、2時までだって!」
慌てて館内に走りこんで、高校生5枚、と書いたチケットをもらった。
今日は、親友の千鶴と部活仲間と幼馴染の朝陽の5人で、半年早い卒業送別会として、隣の市のアミューズメント施設に行く、はずだった。
「なんでプラネタリウムなの?」
「暑くて遠出すんの、めんどくさくなったから」
私は非難がましい目で千鶴を見た。千鶴に効果はないようだ。
辺りが暗くなって、室内が一気に静かになる。視覚が使えないと、他の感覚が研ぎ澄まされて、色々なものを感じ取れる、この瞬間が私は嫌いじゃない。室内だけでなく、館内、炎天下の道端、公園の噴水、プールの水しぶき。世界がこの室内を、もっと言えば私を中心に、止まってしまったような感覚に襲われる。鼻を突く埃っぽい匂い。しばしの、沈黙。辺りの暗闇に、千鶴の息遣いが聞こえた頃に、ようやく止まっていた時間が流れ出したような気がした。
《今月は、私たちのすぐ身近にある衛星、月についての知識を深めましょう。では、東の空をご覧ください》
棒読みな女性の声が、台本を読み上げる。
「ねえ、朝陽は大学行くの?」
小さな声で後ろの朝陽に声をかける。そういえば私はこいつの進路を聞いてなかった。でも朝陽は、答えなかった。
「あさ――」
「俺さ、月に行くんだ」
朝陽は、懐かしい笑顔で頬杖をついてみせた。
《月は恒星ではありません。太陽がないと輝けないのです》
「な?俺、朝陽だから、月輝かせてやんないと。なんてなー」
朝陽は、今も昔もこれからも、朝陽なんだろう。
* *
丸い天井を見上げ続けていたら、首が痛くなるように。高い高い空の向こうにある夢を見上げ続けていたら、首が痛くなる。未だに首は痛いし、プラネタリウムにも行かない。代わりに、月をよく見るようになった。アメリカに行った朝陽は、あの月に行くべく頑張っているのだと、信じたい。保護者に見せなければいけないプリントで紙飛行機を折ったやつだから、何かしらやらかすだろうと思うけれど。
今日も月は、太陽のおかげで輝いている。
*おわり*
お読みいただきましてありがとうございました!
短編は初めて書いたので、物語のきり方がわからなくて、危うく長編になってしまうところでした![]()
感想・リクエスト等お待ちしています!!
*いろは*