優しく素直で活発……。そんな女の子の行方を懸命に捜した人たちの思いは届かなかった。福岡県豊前市で起きた小学生女児の死体遺棄事件。県警に逮捕された同市の土木作業員、内間利幸容疑者(46)は女児と面識があり、殺害も認める供述をしているという。関係者の間に衝撃が広がった。
 福岡県豊前市の小学5年生、石橋美羽さん(10)の行方がわからなくなったのは1月31日。近所の人たちは女児の姿を追って近くの山や廃屋なども捜索した。
 同じ小学校に通う子どもがいる30代の女性は31日昼過ぎ、女児の母親から、「遊びに行っていたはずの家に行っていない」と相談を受けた。女児が持っていた携帯電話も通じないままだった。同日深夜、警察の事情聴取を受けている人間がいると聞いた。女性は「小さい子の面倒もよくみてくれる本当にいい子。どうしてこんな形で失わなければならないのか」と涙を流した。
 近所に住む50代の女性も、家の前の道で、年下の子らの面倒を見る女児の姿が印象に残っている。幼い子の三輪車を押してあげる姿も見た。「優しくて、素直で活発な子。あんなにいい子が……」と声を詰まらせた。
 女児とは家族ぐるみの付き合いという女子高校生は、女児が小学1年生のときに、上級生として「お世話係」をした。最初は人見知りだった女児も次第に「お姉ちゃん」となついてくれて、折り紙や鬼ごっこをして遊んだ。最近は、好きなアイドルの話も一緒にするようになった。
 31日、ツイッターで行方不明になったと知り、無事を祈ってきたが、かなわなかった。「まさかこんなことになるとは。ショックが大きくて、まだ実感がわかない」