ハイビジョンより画面が鮮明な「4K」テレビで、さらに画質やインターネットの使い勝手にこだわる新製品づくりを家電大手が進めている。日本では4Kの試験放送が始まった段階だが、テレビの価格競争は激しさを増し、メーカー各社は違いを出そうと懸命だ。
 米ラスベガスで6日から世界最大級の家電見本市「CES」が始まるのを前に、各社が現地で展示する製品を発表した。
 シャープは、画素数がハイビジョンの4倍ある4Kの液晶パネルを使いつつも、4Kより4倍画素が多い「8K」並みの画質を再現した大型テレビを4月以降、日本と北米で発売すると発表した。
 独自技術で一つの画素を四つあるかのように使ったり、映像の処理を工夫したりして、遠近感のあるきめ細かい画面を実現。価格は100万円前後を検討する。水嶋繁光副社長は「4Kはもう当たり前。次の時代をつくるテレビを積極的に提案したい」と話す。
 韓国LGエレクトロニクスは、有機ELを使った4Kテレビのラインナップを大幅に強化した。
 一方、スマートフォンに使われている基本ソフト(OS)をテレビに採用し、スマホのように使えるテレビの発表も相次いだ。
 ソニーは今年から発売する4Kテレビの全機種に、米グーグルのOS「アンドロイド」を採用すると発表。アンドロイドを搭載したスマホをテレビのリモコンのように使ったり、アプリをテレビの大画面で楽しんだりできるという。パナソニックも、米モジラ財団のOS「ファイアフォックス」を採用した4Kテレビを発表した。
 調査会社ディスプレイサーチは、薄型テレビの出荷台数全体に占める4Kの割合が、2014年の5・6%から、18年には31・5%に増えると予測する。価格競争も進み、試験放送が昨年始まった日本でも、約2年前は1インチあたり1万円以上したのが、最近は半分以下の5千円を切る機種も珍しくなくなっている。