2013年4月、生まれて間もない長男に暴行したとして、神戸地検姫路支部は6日、会社員柳大亮(だいすけ)容疑者(23)=兵庫県姫路市勝原区=を暴行罪で起訴した。柳容疑者は傷害容疑で13年7月に逮捕されたが、同支部はいったん不起訴(起訴猶予)とした。長男は脳に障害が残り、14年11月に死亡した。同支部は今回起訴に至った判断理由を明らかにしていない。
 兵庫県警などによると、柳容疑者は同県加古川市に住んでいた13年4月20日、生後約2週間の長男を自宅廊下の床にたたきつけて脳挫傷などのけがを負わせたとして、傷害容疑で同年7月に逮捕された。
 また同県警は、生後約2カ月の次女への傷害容疑で柳容疑者を昨年12月に逮捕し、送検したと6日発表した。同支部は同日付で次女の事件は処分保留とし、捜査を続けるとしている。
 捜査1課によると、柳容疑者は昨年12月14日夜、自宅アパートの居間で、次女の頭を片手でつかんだり揺さぶったりして、外傷性くも膜下出血などの大けがを負わせた疑いがある。次女は一時意識不明の重体となり、現在も入院しているが、命に別条はないという。柳容疑者は「あやしても泣きやまなかったのでやった」と容疑を認めているという。
 柳容疑者は次女への事件当時、妻(22)と長女(3)、次女の4人暮らし。妻と長女は入浴中だった。次女がぐったりしているのに気付いた妻が病院に運んだという。
 県姫路こども家庭センターによると、柳容疑者の一家は昨年8月に姫路市内に転居した。長男への事件があったため、複数回、電話したり訪問したりした。昨年12月上旬にも家庭訪問したが、「虐待の兆候はうかがえなかった」としている。次女が運ばれた病院から通告を受け、センターは柳容疑者や妻から次女のけがについて事情を聴いたが、「まったく理由がわからない」と答えたという。
 柳容疑者と同じアパートに住む住民は「午前0時すぎに帰宅しても、毎日のように子どもの泣き声が聞こえた」と話した。