統一地方選前半戦の特徴は、民主党が全国的に総崩れになったことだ。

自民党は復調した。

東日本大震災への対応で失政を続け、国難克服に指導力を発揮できない菅直人政権に国民が不信任を突きつけたといえる。

首相の責任は極めて重大かつ明白だ。

信任されていないことが明確になった以上、首相は自らの進退を決断すべきだろう。

与野党対決の構図となった3つの知事選で民主党は惨敗した。

東京では自民党などが支援した石原慎太郎氏が4選を果たし、北海道では自民などが推す現職が民主の推薦候補を破った。

岡田克也幹事長の地元、三重県でも民主の推す候補が敗れた。


とくに、首都決戦で候補を擁立できなかったことが民主党の退潮を象徴する。

告示段階で新人候補への支援を都議会民主党で決めたが、中途半端な対応では支持を広げることはできなかった。

東京都は首相が選挙区を置くおひざ元でもある。

「不戦敗」は民主党が政権与党の機能を果たし得ないことを認めたに等しい。

民主党は昨年末まで、「日本で最も大きな自治体で、民主党の候補者が出ないのは考えられない」(岡田幹事長)として、候補擁立を当然視していただけに、なおさらである。

民主党は12都道県知事選のうち、10の知事選で独自候補を立てなかった。

党公認や推薦辞退も相次いだ。

41道府県議選では、民主党が改選時勢力(415議席)を大きく下回った。

政権交代への失望が民主党への拒絶反応につながり、「民主党の看板」では戦えない状況が全国に蔓延(まんえん)していることを証明している。

党の溶解といってよい。

原因は明らかだ。ばらまき政策を並べたマニフェスト(政権公約)の見直し一つとっても異論がくすぶり、党内がまとまっていない。

首相は意見集約に動くこともなく、問題を棚上げしている。

震災対応でも、「政権延命を優先させている」と自民党に判断されたために、党派を超えた協力関係をいまだに構築できない。

首相の失態ははっきりしている。

岡田幹事長は前半戦の結果を受けた自らの進退について「辞任は全く考えていない」と語ったが、菅氏も含めた党執行部の責任に知らん顔をするのだろうか。

一方、菅首相が在日韓国人の男性から104万円の献金を受け取っていた問題で、首相は3月14日に男性に全額を返還したというが、何ら説明をしていない。

政治資金規正法は外国人からの献金を禁じている。

前原誠司氏はこの問題で外相を辞任した。

違法性や政治的・道義的責任が厳しく問われる局面である。

4選された石原氏は、選挙期間中も公務を優先させ、東京を起点とした復興支援活動の陣頭指揮をとってきた。


震災被害の緊急対策事業として1千億円の財源を確保し、都内の建築物の耐震化、高潮対策、震災時の帰宅困難者対策などを強化する方針を打ち出した。

現職の強みとはいえ、大震災に対する対応が「頼れる強力なリーダー」を求めた有権者に評価されたとみられる。

その首都・東京が大災害やテロに襲われた場合に備え、都民の安全と首都機能をいかに守るかの危機管理・防災対策が、4期目の石原都政の最大の課題である。

都市機能の集中による壊滅的な打撃を避けるために一部の機能を東京から移すことなども、都と国で検討が必要になろう。

3期12年の間に行われた都立高の学区全廃、道徳教育の充実、国旗・国歌の指導徹底などの教育改革はさらに進めてほしい。

石原氏の強い指導力を期待したい。

注目された地域政党では、橋下徹大阪府知事率いる大阪維新の会が大きく議席を伸ばし、府議会、大阪市議会ともに第一党に躍進した。

市議会では過半数に達せず、府市を再編する「大阪都構想」の実現にはなおハードルがあるが、弾みがついたといえる。

自民党は公明党の協力などを生かし、知事選などで勝利を重ねたものの、政権交代の受け皿として国民の信頼を完全に回復したわけではない。

国家の危機を乗り切ることができる責任政党としての存在感を、いかに示すかが試されている。

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