惜しくない 君を失っても 本気で思った

いい気分で坂を転がり



30代は、
坂から転げ落ちるようなモノだった。


まずは離婚。

せっかくマイホームまで購入したのに、
離婚を切り出され、
協議離婚した。

親権は前妻が持った。

マイホームのローンは、
すべて俺。

通常だと
弁護士を挟めば、
協議離婚の場合、
家も車も共同の財産とみなされ、
夫婦で分割する。

しかし、
弁護士を入れて争わなかったのは、
もう、どうでも良くなったから。

そもそも、
多くの時間を共有し、
前妻の家の面倒まで見て、
離婚を切り出されるというのは、
俺にとっては
「死刑宣告」を受けたようなモノだった。

そして、
争う事に疲れた。

人と関わるのが
とても面倒くさくなった。

仕事も然り。

職場もクソみたいなトコだった。

自分に家庭が無かったら、
絶対に見切りをつけるような
職場環境だった。

もう、
精神的に限界だった。

いつしか
布団から出れなくなった。

この世から消えてしまいたくなった。

…うつ病だった。