『優しい紅茶の入れ方』
~ヒョクチェと薬師~④
俺たちが住む村は森に囲まれ湖の畔にある。
俺の雇い主、ヒチョル兄さんはこの村の村長の息子、次期村長と言われている方だ。
兄さんは村長の息子とは思えない自由奔放な人だ。
「ヒョクチェです、ただいま帰りました!」
俺は馬から降り羊の様子を眺めていたヒチョル兄さんに駆け寄る。兄さんはとても絵になる美貌の持ち主、黙っていればの話だが。手前でお辞儀するとあの瓶を手渡した。
「おぉ♪薬師には会えたか?」
ヒチョル兄さんは意外と元気そうで、意地悪そうに笑い俺を呼ぶ。
「よろしくっと言ってましたよ・・知り合いですか?」
彼は瓶を見つめると一気に飲み干した。
「ぷは~!やっぱりアイツの薬が一番聞くな~♪二日酔いにはこれだよな。」
二日酔い・・・そのために俺はあんなに必死で走ったのか・・・
項垂れる俺にヒチョル兄さんは瓶を伸ばすと
「ヒョクチェ、返しといて」
っと華やかに微笑んだ。