これまで9割以上の開業医はコロナ医療と関わってこなかった。

いろな理由があるのだが、「保健所への遠慮」もあったはず。


しかし実質、医療崩壊そして保健所崩壊して、都内に2万人、そして

全国に数万人いる自宅放置者に関われるのは、もはや開業医しかない。



「僕は死んでもコロナを診ない!」という開業医もいるけども、

「困っている人のお役に立てれば」と内心迷っている人もいる。


「できることからやろう」とか「小さなことからコツコツと」

と思っている開業医の先生が、もしおられたらご一読ください。




まずは、開業医のコロナ診療、とは

1 診断

2 治療

3 自宅療養者の管理、

の3つに分かれます。



僕は、1年半前から、1と2と3を同時に、ずっとやってきましたが特別です。

1だけ、2だけ、3だけ、で全然いいので、どれかにトライしてみませんか。



【1 診断】

・ あらたに行政検査をやるには保健所に届けを出さないといけません。

・ 医師が診察(問診)して、「コロナを疑った」場合と保健所が「濃厚接触者認定」

  をした人だけに、公費による検査(行政検査)ができます。届け出が必要です。

・ 唾液PCRと抗原検査があります。唾液PCRの方が簡単ですが3~数時間かかります。

・ 抗原検査は15分で答えが出ますが、検体採取をする人はPPEが必要です。(暑いヨ)

・ 検査時には必ずパルスオキシメーターをビニール袋に包んで酸素飽和度を測定して下さい。

・ 「発熱外来」の多く、PCR検査を行っていますが、身近で受けることができれば便利デス。

・ 駅前PCRセンタークリニックみないなのは、自費の唾液PCR専門です。

・ 発症後速やかに検査をすることで早期診断、そして即治療につなげることができます。



【2 治療】

・ 僕は、感染者や疑い者には全員に最低、3~4つの薬を5~7日分出しています。

  クラリス、カロナール、ムコダイン、メジコン、など約束処方にしていますがこれも公費。

・ 高熱や全身倦怠感が強い感染者で、希望される方にはイベルメクチン(もう無いが)

  を、60kg以上の人には12mg、60kg以下の人には9mg出していました。

・ 酸素飽和度が93%以下の方には、さらにステロイドと酸素投与を追加します。

  デカドロン6mgを10日分と(糖尿病のある人は血糖がドカンと上がるので要注意)  

  在宅酸素を酸素業者に電話しますが、機械を室内に運ぶのは本人か家族か医療者です。  

  東京都では濃縮器が枯渇しました。関西も第四波の時は枯渇しましたが今は枯渇寸前。

・ 酸素飽和度は60%代の人には(第四波の時には救急車にも断られていました・悲) 

  亡くならないように、ソルメドロール500~1000mgを点滴するしかありません。

・ 悪ければ悪いほど、僕は使える武器はすべて惜しみなく使います。(後悔したくない)

・ 以上はあくまで入院までの「つなぎ」で、中等度Ⅱ以上は保健所への連日アピールする。


【3 自宅療養者の管理】

・ かかりつけの患者さんが「感染した」と耳にしたら、まずはこちらから電話しましょう。 

  首都圏では9割以上の確率で自宅療養になるので「10日間の在宅主治医」を買って出ます。

・ 在宅主治医と言っても、往診ゼロで在宅主治医になれます。95%がオンライン診療です。

  初診からのオンライン診療が認めらているので、2の投薬もできます。

・ 往診が必要な時は、点滴や採血時と在宅酸素導入時くらいで、そうはありません。5%以下。

  各地域に訪問してくれる訪問看護師がいるので、彼らに訪問&点滴を依頼すればいい。

・ 酸素導入時(酸素飽和度93%以下)の往診は必須だが、軒先や玄関先で顔を見るだけでもいい。

・ 患者からはショートメールしかしない(鳴らさない)ことを約束してから携帯番号を教えます。

  時間のある時にメールを読み、通話は医師からしかしないことを約束してから教えるのが重要。

・ ベテラン開業医なら、室内歩行時の息づかいだけでも酸素飽和度の大体の推定ができます。

・ 24時間管理加算を取れるそうですが(僕は一度も取っていません)全部公費で患者負担はゼロ。

・ 重症化因子(肥満と喫煙)が分かっているので、気になる人を重点的にフォローします。

・ 10日間も孤独と不安に押しつぶされそうになりながら療養している患者さんにとって、

  医師が24時間体制で伴走者になる意味はとても大きく、回復後にとても感謝されます。

・ 尼崎市には今日現在、約700人弱の自宅療養者がいるそうですが、もしも一軒の

  開業医が2人の在宅主治医になれば、すべての自宅療養者を24時間管理することが可能です。

・ 東京都においても、同様に1軒が5人も診れば、自宅療養者全員を24時間管理することができます。

・ 一人が沢山診ると負担になるので、5人までとか10人までとか、定員を自分で決めればいいだけ。

・ 叶うならば対応医のメーリングリストで情報交換すれば勉強になります。

・ 叶うならば医師のリストを医師会のHPで公開して患者が医師を選べるようにするべきです。




これくらいならできそうだな、と思って頂いた医師が増えることを期待します。



テレビは毎日、放置されて重症化した患者の往診シーンばかり流しますが、

今、必要なものは、そうなる数日前の診断と治療と24時間管理、なのです。


たとえばこんな感じ。

お盆の僕たちのテレビ映像 

210812 TV よんチャンTV 4m45s  →こちら

210817 TVバイキング 2m17s   →こちら



保健所の健康観察だけで病気がずべて治るのなら誰も苦労しません。

医師が診断時に即治療して、重症化しないか見守ることが大切です。


あと、中等症Ⅱ以上の人の在宅療養はあくまで「次善の策」であり、

入院加療が原則、であることを決して忘れてはいけません。


しかし、認知症の人や小さな子供がいる親御さんなど、

ほぼ入院できない感染者も世の中にはたくさんいます。


だから目の前の自宅療養者が「次善の策」なのか

「在宅でしか診られない人」かを区別すべきです。


日本在宅医療連合学会が作成した診療マニュアルを参考にしてください。→こちら



東京都医師会の尾崎会長が呼びかけられたように、

「やろうと思えばすぐやれる」と確信しています。


明日からでもいい。一人でも多くの開業医が

コロナ診療に関わったら、市民は安心する。


そのためにも「早く5類に!」なのですが、反対している医者も大勢いる。

コロナを診ている開業医は賛成して、診ていない専門家が反対している。


「5類落とし」は、「開業医参画」を促す。


鶏が先か卵が先か、ではないが、

とにかく「防波堤」を造るべき。


総理がいう「医療供給体制」とは「放置され重症化した人のベッド数」のこと。

僕がいう「医療供給体制」とは、早期診断・即治療、そして24時間管理のこと。


前者は、コロナ医療の「出口」を論じているが、

僕は、「入口」を充実させることを言っている。


感染爆発するじゃないか、と怒る専門家がいるが、もう立派に感染爆発していますよね。

たとえ感染爆発しても医療の入り口をしっかり造れば、理論的には死者はゼロにできる。



酸素ステーションも病床問題も、出口問題だ。

入り口政策を早急に制度化して欲しい、だけ。


「5類」や「イベルメクチン」という単語にいちいち拘っている時間など、ない。

それらは人を助けるための道具にすぎず、いちばん大切なのは実際に行動する事。



「できない理由ばかり探す人」が、会社で量産されるワケ  →こちら



コロナは救急医療なのだ。

つまり、時間との闘いだ。


早ければ早いほど、いい!

早急な医療処置が要るのだ。


分かる人と、全く分からない人が、いる。

ひとりでも多くの人に理解をして欲しい。




PS)

コロナチャンネル #465_


長尾は重症患者を診てないくせに!と揶揄する皆さんへ  →こちら


そういえば酸素飽和度60%の人を同時に数日間、自宅管理して救命した。

僕が自宅管理してきた300名以上の患者さんは、一人も亡くなっていません。


今日も在宅患者さん10名とコロナ患者さん2名を回っていた。

外来と多くの来客対応と2社の産業医業務などで忙しかった。



全国から毎日、数えきれない数のメールを頂くがお返事ができなくてごめんなさい。

昨日と今日のブログを、患者さんやお医者さんへのお答え、とさせてください。


・ 

http://blog.drnagao.com/2021/08/post-7682.html