ここ最近 家業のお手伝いに駆り出されていました
うちの実家の家業は大工なんです
和風建築を主とした建設業で
親父が戦後のドサクサの時に土建屋の若頭をしてて
日本全国を飛び回りながら建物を建ててたのだが
兄が産まれたのを機に地元に帰って大工を始めて50年
今は兄が後を継ぎ 1級建築士の免許を取りパワーアップしたかと
思いきや....
頑に和風建築一筋なんですわ
今の風潮としてプレカットっていう工場で材料をカットして
その材料を買って大工は組むだけって感じらしいんですが
うちでは自分で刻んだ材料で自分で建てる事にこだわってるので
時間がかかるみたい...
棟上げ(上棟式)が日曜日だったんですが
先週、先々週と遅くまで仕事してたので
お手伝いしてました
素人の僕は刻むのは無理なので外壁などの水がかかる部分の材料に
耐水性のインクを塗る作業を延々としてました
インクと言っても木目を損なわず染み込みタイプの
オイルステン風なやつなんだけど
ハケで塗るとハケ目がついちゃうのでウェスで
ゴシゴシ刷り込む感じで何十本何十枚の垂木や板に
雪の降る中で色を塗ってました
よく親父の手伝いをさせられて嫌々手伝ってたけど
今はなんとなくしっくり馴染んじゃう感じ
棟上げの日
僕は仕事で夕方頃に顔を出したんだけど
材料の墨付け&刻み担当のうちの年配の職人さんは
組み上げるのは若い衆に任せて 朝から飲みながら
現場監督をしてたみたいで かなり出来上がってた
現場から打ち上げの飲み屋までその職人さんの運転手を
任されて運転してると
「ヒロ君よぉ
わしゃぁ 一本でも墨を間違えて棟上げの時に合わないって事になったら
その時は仕事をぴしゃりと辞める覚悟じゃけぇの
棟上げの時に合わないっていう体裁の悪い事して
社長の顔に泥を塗る様なまねしたら
長島みたいにバットの代わりにノミを置いて”体力の限界”って言って
ピシャリと仕事を辞める覚悟じゃけぇのぉ」
っと話してくれた
棟上げが近づくと眠れない日が続くとも話してたなぁ
男の意地、職人魂を見せつけられて
ちょっと胸を熱くさせられた思いでした
少しだけだけど僕も関わったこの家に住む人達が
幸せで安らかに暮らせる事を祈るばかりです
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