R4年4月28日(木) 晴れ
北海道の知床半島沖で23日に、観光船が消息を絶ってから本日行われた運行会社社長の説明会・・。
飛び交う怒号・・マスコミの容赦ない質問責め・・そして言い訳の多い社長対応・・。
明らかになってきた「ブラック」体質も問題ですが、予想以上に観光客の方々の海知識は浅く、全面的に船長任せという気質が生む危険性は、今回改めて考えさせられました。
っと言いますのも、私も小型のレンタル船を操船しては愛媛の最南端付近で釣りをしていますが、波1.5m以上 風速6m以上 だと前日でも船宿と交渉し、場合によっては中止するようにしています。
「地上の天気」と「海の天気」は全く別物でして、雲一つない晴天であっても海上は大シケなんてよくある事。
その為、同船予定の仲間(素人さん)に中止連絡をすると、「こんなに天気が良いのに中止?」といった苦言が聞かれ、かなりの確率でブーイングを食らう事があります。
しかし、海の恐ろしさは操船をするものであれば誰もが一度は恐怖を感じた事があるはず。
急に荒れだすと舵が効かなくなる上、船体に横波を受ける体勢になれば、転覆の恐れがでてきます。
視界が悪化し、進路を見失った事もありましたし、浅瀬付近の岩礁帯にスクリューを擦った事もあります。
これまで何度も「ナムサン・・」と心でつぶやいた事があった事か・・思い出すだけでも十指に相応する程です。
でも同船者は私を信じ切っているのか、単なるパフォーマンスのように流します。
見知らぬ海域となると、いつ海難事故が起こっても不思議ではありませんが、船体から投げ落とされた場合、自力で海岸までたどりつけるのは3人に1人くらいのもの。足にロープでも絡まったら最後、残るは「死」のみです。
私も改めて海の恐ろしさを再確認しました。
また古い船体を放置したままレンタルされ、実際に海上でエンジンが停止したり、油漏れを起こしたケースも経験しています。
海に出る時は、エンジンの調子や船内外の状況確認、天気予報や体調を重視した日程を立てる事をお勧めします。
素人では難しい面もありますが、できる範囲で取り組む事、そして危険を察しした時は 「やめる勇気」が必要だと思います。
4月26日(火)伊予灘は突風と雨で大荒れ。視界も悪く漁船一艘も出ていません。
沿岸は浅瀬が多く、座礁危険があります。
こんな日、私なら絶対に出航しませんけど・・。