R3年8月22日(日) 曇 時々 晴れ

西予市宇和町の用水路で捕獲した 「コシマゲンゴロウ」 です。

” レットデータブックまつやま2012 ” を参照に、愛媛県内での生息状況を調べた結果、近年、水田畔のコンクリート化や農薬が原因で、松山市周辺では姿を消し、その他の地域でも減少著しい種である事がわかりました。

 

★種の特徴★

体長9〜 11㎜の中型ゲンゴロウ。体型は卵形で、背面には細かい縦縞模様を持つ。主に水田で繁殖を行い、水田に水が無くなると池などに分散する。灯火に飛来することもある。シマゲンゴロウと同様に、冬期には水辺でほとんど見られなくなる。

 

★生息状態★

かつては市内どこにでも見られる種であったが、近年の減少傾向が著しく、現在は局地的にしか生息が確認されなくなった。生息地の個体数は少なく、昔のように多数の個体がまとまって採集されるような場所はほとんど残っていない。水田に依存しているため、水田農法や農薬の変化により、さらに激減してしまう恐れがある。

 

★減少の要因★

開発による生息環境の激減、水田農法の変化、農薬散布、灯火の設置などが要因だと考えられる。

 

私は生き物全てに社会的役割があり、その時代や環境に応じて、役割を終えた種は絶滅していく運命にあると考えています。

ゲンゴロウは雑食かつ肉食で、時には生きた虫や小魚も食べますが、基本的には死肉に群がります。

小魚や水中にいる虫類が増え過ぎないよう、自然界は多種多様な肉食性の生き物を生み出しました。

タガメ、ミズカマキリ、タイコウチ・・ は捕まえた小魚に溶解液を流し込み、溶けた体液を吸って生きています。

体液を吸われた小魚は死んで水底に落ちますが、それをゲンゴロウが食べる事で浄化され、水辺の生態系が保たれていきます。

でも水路がコンクリート化されると、この生態系の必要性が失われます。

本心では、ゲンゴロウは水田の畔等に卵を産む為、泥の畔がコンクリート化で消えた事が、ゲンゴロウ減少の大きな原因だと思っていますが、社会的な役目が終わった種という神がかり的な発想も、ある意味当たっているのではないでしょうか?

 

子供の頃(約45年前)は、プールや水田に行けば、いくらでもいました。

あれから半世紀・・ ゲンゴロウは一部の種を除いて絶滅にむかっています。

世の中の大半の方が知らない(気が付かない)うちに、蛍同様、身近にいたはずの生き物が姿を消しています。