なぁ




おれ‥コレが食べたい







テーブルの上の残ったチョコ



食べます?

って聞いたのに


登坂さんは

聞こえないフリをした。











そのかわり


ガラスボウルの中の
溶けたチョコレート‥‥



登坂さんはそこに指を入れると

そのまま私の唇に

まるでリップを塗るように
チョコを引いた



「?!‥‥ちょっ」



ゆっくりとした
瞼の動きと

私に向けられる
淡い視線




あまりにも綺麗で

私は動けなくなってた






「食べてもい?」





「‥‥?!」






臣「ダメとか言わせねぇけど」





そう言ってる唇は
もう私の唇に触れていて

後頭部に添えられた暖かい手のひらが
少しだけ下がろうとする私の頭部を
寄せた





そっと触れたかと思ったら
唇に感じる舌の温度


‥‥‥‥チュッ‥‥



『‥‥な‥っ///』




臣「‥‥あっま」





チョコレートの香りと
登坂さんの香水が

私の脳の思考を止めた




『‥よ‥よよよ‥酔ってます?!』


登坂『ん‥飲みすぎかな‥』


登坂さんはそのままテーブルに置いていた
ミネラルウォーターのペットボトルを持つ



今のキスを誰かに見られてたんじゃないかと
慌てた私



『大丈夫、誰も見てないよ。』


『‥‥』



びっくりした



こんなに動揺した自分に。





脈の乱れる
自分の心臓に。






『あ‥‥俺直人さんに呼ばれてたんだったわ』

登坂さんは
そう言って何食わぬ顔して
リビングに戻って

メンバー達とケラケラと
笑って談笑に加わる













残されたのは

私と

まだ未完成なチョコレート




カチャン‥‥

道具から手を
離して




思わず触れた唇




‥‥///




さっきの‥‥なに‥‥‥///



唇に残った甘さと
登坂さんの唇の感触は


なかなか消えなくて


キスぐらい‥‥


あんな触れるだけのキスぐらいで


私の心臓は
どうにかなりそうで‥‥



静まれ、私の心臓



そう
胸に手を当てて
深呼吸をひとつ。





アルコールのせいなんかじゃない





どうしよう‥‥



私の中の兎が目を覚ましてしまった‥‥