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去年の12月





大学の同級生で
ダンスサークルの仲間だった

たかのりと偶然バーで再会した







仲間って言っても
ダンスサークルに所属してただけで

たかのりとすごく仲良しだったって訳でもない



いつも仲間に囲まれてた彼は
わたしにとっては
遠い雲の上の存在

私の存在すら知らないのかと思ってた





だけど

卒業する少し前
住んでるマンションが同じだった事から
少し話をするようになって



飲み会の後



飲み過ぎた彼を部屋に送った時




そのまま


たかのりの部屋で

一晩過ごした。





彼にとっては

ちょっとした遊び



なんてことないスポーツみたいな‥‥



かるい運動みたいな‥‥




そんな感じ。


でもね

私は違った。



私は


まだ男を知らない体だった。




行為に夢中なたかのりは

私が痛がってる事にも気づかなかったし



もちろん

憧れてた事にも

気づいてなかった。



今思えば

初めてだったなんて‥


逆に気づかれなくてよかったけど‥








この一件で


私の処女喪失と

大人の恋の夢は


あっけなく散った。







大学を卒業した後


好きだったアパレル関係の会社に就職


デザインから縫製
スタイリスト‥‥


ファッションビジネスを一通り覚え


トータルスタイリストとして

がむしゃらに仕事をした。


大きな仕事も任せられるようになって

そこそこ上の方まで来たけど‥









何度も社長とぶつかって

啖呵を切った私は
10年務めた会社に

退職願をたたきつけて辞めた。




 



若い人材に力を入れ始めた事はわかってた



だけど許せなかった

あんなに私を贔屓にしてたくせに‥‥

この会社にも
社長にも

尽くしてきたつもりだったのに






若い新人の子に新しい企画を取られた‥‥




ソレと同時に
社長の愛人という居場所も。









分かってる




頭では分かってるよ‥‥



社長にも
会社にも
捨てられた事ぐらい‥‥。




社長の事は
別に好きでも嫌いでもなかった。

興味がなかったと言ってもいいぐらい。




許せなかったのは
私を捨てたということ。


若い無能な女に
見下されたこと言うこと。





そんなプライドズタボロの私を



都心に珍しく雪がちらついた
あの夜



たかのりが拾ってくれた。





『スタイリストしてみない?』



ちょうどスタイリストのアシスタントがやめて

困ってるって話聞いたばっかでさ!






そう言って私の返事は待たず


スマホで誰かと話始める。





『あーもしもし?
さっきの話ッすけど!
見つけました!





とんとん拍子で決まったのが


三代目の衣装アシスタント




スタイリストじゃないの?

この私がアシスタント?




『すぐ慣れるよ!
とりあえずアシスタントからって事!』




うーん‥‥

ま、悪くないか。



すごく久しぶりに会ったというのに
友達のように話しかける無邪気な男

岩田剛典




きっと何もかも忘れてる



何にもわかってない



あの事がきっかけで

わたしは酷く幻滅した


男にも
恋愛にも





酷く荒れた青春を送った。





その原因を作ったなんて



微塵も思ってないんだろうな。





ま、今となっては

どーでもいいけど‥ね。





‥‥


‥‥


そんな調子で
次の日面接
即日採用
翌日から勤務









舐めてた。


完全に舐めきってた。





睡眠時間も少ないし
出来ないとか言えないし言いたくない私は

手当たり次第に仕事をこなすうち


うっかりミス‥‥






今日のは致命的。




生放送の歌番組

ちゃんと出番前にチェックしたはずなのに



エリーさんのチャックが‥‥




まさかの



全開。





本人は怒ってなかったけど


怒ったのは登坂さん

臣『浮かれて仕事してっからだろ』




いつもにまして風当たりが強い



私の事が気に入らないのは初めから

『‥‥すいませんでした‥‥っ』



登坂さんは私の事が

嫌いだ。

臣『やる気ないなら辞めれば?』

たかのり『ちょ‥‥臣さん言い過ぎ‥』



私だって





私だって嫌い。


こんな意地悪で


傲慢で

高飛車な男‥。