さっきから
ケラケラと
無邪気な顔して笑ってるけどさ‥‥



どんだけ
俺がドキドキしてるか‥‥


わかってねぇな‥‥こいつ。




『あ‥もうこんな時間‥‥顔洗ってくる!』

『あ‥‥うん。』


『早く飲んでよ。‥‥まさか‥‥』


えっ‥‥

帰りたくないのばれるか‥‥


『猫舌なの?!‥‥(笑)』


『あ‥‥うん。』


そっかぁ
なんて納得して
顔を洗いにいくお前。



『ねぇ
顔洗うけど‥‥見ないでね!』


『別人になんだろ?(笑)』


『‥‥』

『いや‥‥元に戻るだけか。』


『‥‥いつもすっぴんじゃないけど?』


『仕事中ほぼすっぴんだろ?』


『‥‥けどすっぴんじゃないの!』


『でもそれ‥‥俺には見せてくれるんだ?』


ニヤニヤしてしまう。

『え‥‥見せないよ?』


『あ?』


『顔洗うから‥‥今から帰って(笑)』


『ひどくね?』


『どっちがよ。猫舌のふりして‥‥』

『え‥‥』


バレてたか!






『帰んなきゃダメ?


『‥‥ダーメ。』


洗面所からひょっこり顔をだす


ジャーーー‥‥



ガタガタ‥‥

顔洗い始めた。




『わかった‥‥。今日は帰るわー。』




『んーーん。』


なんて言ってっかわかんねぇけど(笑)


スマホを見ると
確かにもう遅い時間。


俺も寝ないとな‥‥


廊下に立って
出てくるのを待つ。


やっぱ‥‥抱きしめてから帰ろっ。



少しだけドアの開いた部屋。

寝室か?

さすがに覗かなかった。


この時覗いてたら
どうなってただろう。


まさか隆二のジャケットが
こいつの部屋にあるなんてな。




しかも俺が誕生日にプレゼントしたやつ。

たぶん俺はすぐ気づいたはずだ。



隆二のホステスと
エプロンさんが

一人の人物だってな‥‥





『‥‥もぅ‥‥やっぱりまだ居る(笑)』


タオルで顔隠して
大きな目だけ出してる。


『今日は帰るわ‥‥夜更かしはお肌に悪いしな』


『ねぇ‥‥なんか楽しかった。』



『そ?んじゃ‥‥来てよかった。』




『‥‥じゃ‥‥おやすみ。』




『あのさぁ‥‥』


『ん?』



『すっぴんでも十分可愛いのな♡

手に持ってたタオルで
また顔を覆う


『しまった‥‥///』


急に真っ赤に染まる頰




『じゃ‥‥』


『ん、バイバイ。』






抱きしめたかった‥‥



でも

なんでか
出来なかった。






駐車場まで下りてきて気づく



『げ‥‥鍵ねぇ。』


あいつんちのテーブル‥



エレベーターでまた戻ろうとした





反対の階段を
誰かが駆け下りてくる




『あ‥‥』


『はぁっ‥‥はあっ‥‥鍵‥‥忘れ‥‥てたよ。』





『わりぃ‥‥』




あ‥‥もうダメだ。







右手で鍵を受け取って


そのまま肩を引き寄せた





『っ‥‥///』






『もう‥‥バックに入れて持って帰りたい。』




『‥そ‥そんなちっちゃくないしっ///』



『ぶっ(笑)』


『と‥‥登坂さん!人来るからっ‥‥///』



 『うん。ごめん、もう少し‥』



こわばった身体が
少しだけ緩まって



おれの胸元に
耳を寄せる



たったそれだけで


俺の心臓は
大きく脈を早めた。






『ん‥‥じゃ‥行くわ。またな?』


『‥‥うん///』



車に乗って
発車する



しばらく走って
路肩に駐車





『はぁぁぁぁ‥‥///』


俺‥何びびってんだろ。。


拒否られるのが怖くて
なにも出来なかったとか‥‥


ありえねぇ‥///