──あなたサイド──



びっくりした。

岩田さんから連絡があって

明日の打ち合わせのつもりで来た居酒屋。



まさか広臣が居るなんて。

岩田さん何考えてんだろ。。



それより

別に悪い事なんてしてないのに

なんでか気まずい‥‥



目の前の広臣は
いつも通りの笑顔と
いつも通りの意地悪で



私だけが勝手に動揺してる‥‥

そんな感じ。


しばらくすると
広臣のお酒がなかなか進んでない事に
気づく。

『ねえ?‥‥体‥‥休めてる?』


広臣『え?‥‥休めてるよ?』



『顔色‥‥あんまりよくないね?
毎晩飲み歩いてるんじゃないの?』



広臣『うるせぇな。』


そう言いながら
やっぱり広臣は
元気がなくて‥‥


広臣『俺先戻るわ‥‥』


岩田『え?珍しい~臣さんが先帰るなんて‥‥』

広臣『たまには俺も1人で考えたい事があんだよ。』



『‥‥』




広臣『じゃあな‥‥がんちゃんのおごりね。ごちそうさま。』


岩田『えーっ!』



財布とスマホをポケットにしまうと
少し重そうに立ち上がる






帰り際
1度だけ目が合うと


広臣『明日な。』


広臣には珍しく
すっごい優しい笑顔。


たったひと言
帰らないでって言えたらいいのに。


 



岩田『俺達も‥‥帰ろっか。』



『あ‥‥はい。』





カウンターでオーナーと話す岩田さん


岩田『えー、まじっすか?』



ん?



『どーしたの?』



岩田『臣さんのおごりだって‥』


やられたね(笑)

って笑う 

『いちいちかっこつけだよね。』



岩田『ほんと、臣さんにはかなわないね‥‥』


そんな話をしながらも
やっぱり少しキツそうだった広臣が
気になる。




マンションまでつくと
そそくさと中に入ろうとする私を
岩田さんが止めた

岩田『時間ある??』


『?』


岩田『屋上』



上を指さしながら

いかない?

って言う






『‥‥いく。』


岩田『よし!』






マンションの裏のコンビニで
少しのおやつと
岩田さんのビール
そして
私はジュースを買うと

エレベーターは
最上階へ



岩田『ここね、誰でもは入れないんだよ?』



『え‥‥なんですか。恐いんですけど‥』


岩田『ぷっ‥‥恐くはないよ。』



『ふふっ‥嘘。‥楽しみ(笑)』




岩田『特別だよ?』




へ?



トン‥‥




さっきまで離れてた岩田さんは


なぜか
肩が触れ合う距離に‥‥




静まり返るエレベーター


早くつかないかな‥‥。。


何か話してよ、、岩田さん。。




岩田『ふふっ‥‥何か話してよって思ってる?』


『ええっ!?』



なんで?!

岩田『あ‥‥ついたよ?』


ほらほら‥‥早く!


困惑する頭で
岩田さんに着いていく


非常階段を抜けて
カギのついた柵



岩田さんの後ろ姿を見ながら



さっきのはきっと‥‥
偶然じゃない。


この人‥‥


人の心が読めるのかも‥‥



なんて
ありもしない事を考える。






柵を開けて中に入る



小さな階段を登ると

そこには

一面の夜景。




『うわぁ‥‥//』


凄い‥‥


岩田『いいでしょ?』


『高ーーい!』


岩田『そりゃ屋上だしね(笑)』


一通り屋上を歩いた。



足がすくむような景色



綺麗だけど

のみ込まれてしまいそうで

なぜか力が入る。


岩田『ここおいで。』


岩田さんの隣に座って

買ってきたおやつとジュースを並べる



『よく来るんですか?』


岩田『ん?‥‥そーだね。俺の秘密の場所。』



『ここで口説くんでしょ(笑)』


岩田『ははっ(笑)そーだね。』


『普通の女の子なら
自分は特別だって勘違いしちゃいますね(笑)』



岩田『勘違いしてよ』


『え?』


岩田『特別だよ。』


『‥‥またまた 』



岩田『ここに連れてきたの君が初めてだし』


『私達‥‥この前会ったばっかりですよ?(笑)』



岩田『そーだね(笑)』


『それに私‥』


岩田『臣さんの事でしょ?』



『まだ好きなの。』



岩田『分かってるよ?』



『だったらやめて下さい。』


岩田『やめない』


『‥‥』



変な人‥‥



岩田『そ‥‥俺変な人(笑)』




『 ‥‥』


岩田『俺に任せてよ。君と‥‥臣さんの事。』




『‥‥?』





岩田『君が臣さんの事好きなのはわかってるよ?それでもいいから
俺と付き合わない?って言ってんの。』





『岩田さん‥‥その冗談面白くないです。』


岩田『臣さんが奪い返しにくるかもよ?』


『‥‥来ませんって‥‥。』



岩田『ま‥‥奪い返しに来ても、
その頃には君は俺の事好きになってるかもしれないけど。』



『ならないです(笑)すごい自信ですね。』




岩田『いつでもいいからさ、
俺の事頼っていいよ。



都合良い時だけ
俺と居たらいい


さみしい時に
一緒に居たらいい。』









なにそれ‥‥








『私‥そんな女じゃないです。


帰りますね。』





たち上がると


岩田『またね?』





暗い屋上に岩田さんを残して
部屋に戻る






岩田『足元危ないから気をつけて帰んなね。』





『‥』



ガチャガチャ‥‥



ガチャガチャ‥







女をバカにしてる。



誰でも堕とせると思ってる。



ガチャガチャ‥




協力するとか言って


岩田さんの手には乗らないんだから。



‥‥




『あー!もぅ!!』


鍵開かないし!!!

岩田『ぶっ(笑)』


『ちょっと!開かないんですけど!』


すぐ傍に岩田さんの気配


カチャッ‥‥




影でしか確認出来ない。




岩田『ほら‥こっち』



おそらく私に向けられてる手


『‥‥』





岩田『意地っぱりだね(笑)』


フェンスに手をついて出口まで‥‥


『大丈夫です。自分で行けま‥‥』





後ろから私の手首を掴むと
うっすら明るい場所までひいてくれる




『‥‥ありがとうございます。』


そのまま後ろも振り向かず
私はエレベーターに乗る




閉まる寸前


ふっと振り向いた



岩田『さっきの本気だから。』


パタン‥

ウィーー‥‥‥‥


動き出したエレベーター



なんだかややこしくなってきた‥‥。