バタバタと受付を済ませて

会場に入る



アパレルブランドのパーティー




さすがにオシャレな人達でいっぱい‥





思わず足が止まった私に






臣「大丈夫。堂々としてて。」



私にだけ聞こえる声で囁くと

そっと背中を押した










臣「お前‥‥離れんなよ?」




「え?」

臣「あぶねぇだろ。酒飲まされたりすっから‥‥」

「うん。‥‥」

臣はそう言ってたけど‥‥

私‥‥マネージャーだし。。

そう思って少しだけ臣と離れた。



「お前何のんでんの?」

「え?シャンパンもらったの。」




臣「は?ダメ。」

「え?‥‥」

没収されてしまう。

臣「はい。」

「‥?」

臣「ジンジャーエール‥」

「えー!!なんで。」

臣「後はノンアルコールでも飲んでろ。」

「‥はーい。」

お腹も空いてきたし可愛いオードブル達を
パクパク食べる。

「臣?挨拶行ってきていいよ?」

臣「あ?いいよ。仕事じゃねぇし‥‥」

「臣?行ってきて。いつでも見られてるって思ってないと。また言われるよ?」

臣「‥‥はいはい。」

「写真も‥気をつけてね。みんなインスタとかに載せたりしてるから。」

臣「わかってるって。」

「あたし飲み物貰ってくる!」



臣「お前‥‥ちゃんとここに戻ってろよ。」

「わかってるって。」

臣「一回りして戻ってくっから。」

そう言って私のストールを緩めると
胸元に掛かるように手直しをした。

「ん?」

臣「見えてる。」

胸元を指さす仕草の臣‥‥

「‥‥えっっ!!//」

慌てて胸元を確認

「‥‥///」

私を見てクスクス笑いながら

臣は楽しそうな輪の中に消えて行った。

もう‥‥恥ずかしい!

「すいませーん。。あの、カシスオレンジ下さい。」

バーテンの人に声をかける

バーテン「かしこまりました。」




男「こんばんわ。」









男「事務所どこ?モデルさんでしょ?」



「いや‥‥あの‥‥私マネージャーなんです。付き添いできてます。‥‥」


男「え?そうなの?ねぇ一緒に飲まない?」



なんか‥やだ。。

バーテン「お待たせ致しました。」

「あ‥ありがとうございます。」

急いで戻ろうとしてるのに話しかけてくる
この人‥‥

男「ねねっ!名前は?」

「‥‥マネージャーです。」

男「わはは!君面白いね!」

「‥‥すいません。急いでるので‥‥」

男「じゃあ君さ!俺のマネージャーにならない?
お給料も弾むよー!」  

「お断りします。私戻らないといけないので。」

私の行く手を阻んできた。

男「俺が話してやるよ!誰の付き添いできてんの?」

腕を掴まれた。

「ちょ‥‥やめ」

「何してんの?」

「おみ‥‥」

男「あれ?‥‥君の?」

「手‥離せよ。」

男「‥‥」

臣「いいから離せよ。」

私を引き離す

臣「いくぞ‥‥」




男「別にいいだろ?一人ぐらい貸してくれても。」

後ろからわざと聞こえるように挑発してくる男


臣「あぁ?」

臣の足が止まる

男「いるんだろ?他にも。」



臣「それ以上しゃべってっと後悔すんぞ。」

臣の表情が変わった

「おみ!」

男「‥‥なんだよ‥‥わかったよ。チッ‥」

尻込みしたのか

男は去って行く。


無言のまま私のカシオレを取って
ぐいっと飲み干す。

臣「はぁーー!!あっま‥‥」

お‥‥怒ってる?

「‥‥」

臣「だから言ったろーが。」

「‥‥」

臣「あんなん無視しとけ。」

「‥‥」

臣「はぁ‥‥」

「‥でも無視はできないでしょ?‥でも‥‥ごめんなさい」




臣「いや。。お前は悪くねぇし。」

バーテンさんにまたカシスオレンジを
頼む

私たちは同じ方向を見て話す。

誰にもわからないように。


ソファーに戻ると会場の
照明が少しだけ暗くなる。

音楽のボリュームも上がり
クラブみたいな雰囲気になってきた。

さっきの事があったからなのか
臣はどこに行くにもわたしを連れてく

中途半端な距離を保って
なるべく見失わないようにしてるけど。

テーブルに置かれたワイン‥‥

「ちょっとだけ‥‥んっ。美味しぃ♡」

臣は知り合いの雑誌社の人と話したり
友達らしき人達と談笑。


「‥‥あれ?広臣君‥‥」



‥‥





誰だろう‥‥


雑誌の編集部の人だろうけど‥‥

臣‥

「‥‥あ。」




女「お久しぶりです。」




臣「‥‥」



どうしたんだろう‥‥


初めて見る臣の

怪訝そうな顔




編集部の上の人達と話ながらも

あの女の人のことは見ようとしない。




上司の女「そうだったわね。あなたうちに来る前はLDHの‥‥」


女「はい。そうなんです。受付してたんです。」


上司の女「だったら登坂さんとも顔見知りって事かしら?」




臣「はぁ‥そうっすね。‥」





‥‥気まずそうにこっちを見る

‥‥


ざわつく会場でも

会話は聞こえるし


臣の表情や声色で

しなくてもいい想像をしてしまう。

私はそっと臣の傍を離れて近くの空いた椅子に座った。

「‥‥飲も‥。」

ゴクゴクッ‥‥





何杯のんだんだろ‥‥

3杯は飲んだよね‥‥。

クラクラしてきた‥‥。






受付の子か‥‥



綺麗な顔‥‥




ん?




もしかして‥‥


あの子が‥ヒロサンに写真を売った子?!



だとしたら‥‥





臣は大丈夫なのかな‥‥



またあの時のツライ気持ち
思い出してない?



そんな事を考えてモヤモヤしてると

さっきまでそこにいた臣を

見失ってしまった。




慌てて会場を探す。


外にでてみても


臣の姿は見えない。



あたしの事探してるかな。






「はぁ‥‥」


ホテルのフロントのソファーに
座り込む。



‥‥

なんか‥‥
眠たくなってきちゃった‥‥






このソファー気持ちいい‥‥




カツカツ







ん?


目の前に女の人が座った。


「‥‥初めまして。」




「‥‥初めまして‥」

女「あなた‥‥新しいマネージャーさんなんだってね。」




「彼‥優しいでしょ?」




「え?」


「それにしても‥‥」




私を下から上まで舐めるように
見ると

その女の人は



スッと名刺を差し出した。



「編集部‥‥」




あ‥‥さっきの。

女「付き合ってたの。広臣君と。」




‥‥


やっぱりそうだ。




「あ‥そうなんですか。。」



女「そうなんですかって‥‥それだけ?




「他に‥なんて言って欲しいんですか?」



女「‥‥」


「知ってますよ。あなたの事も‥‥あなたが臣にした酷い事も。」


女「‥‥そう‥‥マネージャーだからでしょ?」

「‥」



この人‥‥何が言いたいんだろ‥‥。




「何してんの?」



「あ‥お‥‥」

女「広臣君っ!」


臣「めっちゃ探したんだけど‥‥」



「あ‥‥ごめん。ちょっと酔い冷ましに‥‥」




臣「で‥何吹き込んでんの?」

その女の人をさめた目で見る臣



女「別に何も?マネージャーさんと仲良くしたいなぁって思って?」



臣「彼女だよ。」



女「え?彼女?マネージャーじゃないの?」

臣「どっちも。」

女「へぇ~。‥‥」



「臣‥行こう?」


臣の腕を掴む




女「ねぇ‥‥」


その女は立ち上がると
私の前まで来て

こう言った

「マネージャーと熱愛?大事な時期なのに?」






臣「言いたきゃ言えば?別に金にもなんねぇだろうけどな。」




「はぁ?」

臣「そのかわり‥‥お前んとこの雑誌の取材は一切お断りだわ」



そう言って

私の腕を引いて
その場を後にした。









「何もされてない?」


先に口を開いたのは臣

「うん。」

臣「LDHの受付してたんだ‥‥1年くらい前かな‥‥」


知らないと思ってるんだ‥‥

臣「びっくりした‥あいつさ‥俺の写真‥‥事」


「知ってる。」


臣「え?」


「全部聞いてるよ?」


「すごく‥‥好きだったんでしょ?」


だから
裏切られて
すごくつらくて‥‥心閉ざして

本当の自分が分かんなくなってたよね。







「ねぇ!私まだケーキ食べてないんだけど!」

「は?まだ食べんの?」


「パーティー終わっちゃうよ?早くいこ!」





臣「どれにすんの?」

「んー。チョコと‥‥そのイチゴのとピスタチオのムースと‥‥」



臣「結局全部じゃん‥‥」










「彼女」って


言ってくれたのが
嬉しくて




自然と笑顔になる。







女2「ヤッホー!臣くんじゃーん!」



ん?


またか‥‥



今度は何?!

女2「飲んでる~?この後二次会行くよね?」

臣「いやいや‥‥明日仕事なんで‥‥今日は無理っす!」

って‥‥

めっちゃめちゃ密着してるーー!!



女2「え~残念!また今度飲もうねぇ~!」


‥‥



‥‥









「で‥今のは?」



臣「‥さぁ‥」

「は?」

臣「覚えてねぇ」


「‥‥ふーん。あんなにくっつかなくてもよくない?」


臣「‥‥」



「なんか‥‥芸能人って‥‥アレだね。」

臣「アレ?」

「結構すごいんだね。」

臣「‥‥だから何が?」







「‥‥なんか‥‥やだなぁ。。」




そう言って俯いた私。

お皿のケーキをフォークでつつきながら
ちょっと横を見ると‥‥

ん?

なんか覗き込んでくる臣‥‥

「‥‥」

「なに?」

臣「ん?別に。」

「なんか付いてる?」

「付いてないよ。」



「メイク崩れてるとか?」

臣「いや‥‥」

「なに!」

臣「可愛いなぁって‥‥」

「は?」

臣「気づかない?見られてるの。」



「見られてないよっ!気づかないよ!だって臣しか見てないもん!」




‥‥




‥‥




しまった‥‥
何言ってるの私‥‥///


横を向いた私に

肩を揺らして笑う臣は


臣「俺もお前しか見てないし。」


って


小さな声で言った後

ぱくっとケーキを口にして

少しだけ耳を赤くした。





フォークを口にくわえたまま

子供みたいにモグモグしてる臣




やっぱり


臣には敵わない‥‥






臣「なあ‥‥」

「‥‥ん。」

お皿のケーキをパクパク食べる。

臣「それ食べたら部屋戻ろっか。」

「‥‥うん。」

臣「なんか飲む?」

「えっ?もう飲んでるよ?」

臣「それ何?」

「ん?なんか‥‥ノンアルコールなはずだけど‥なんだろ‥わかんない!」



臣「ちょっと飲ませて」





私のグラスを奪うとひとくち飲んで


臣「おい‥‥これ酒だけど‥しかも結構強め‥」

「へ?」

どうりでフワフワすると思ったら‥‥。



臣「部屋‥戻って休むか‥」



「‥‥うん。そうだね。」


歩ける?

って差し伸べられる手を‥‥
そっと握る

「飲み過ぎちゃった‥」

臣「だな。もう部屋もどったら寝ろ。」

エレベーターの中

最上階に向かう。

「見て‥‥凄い綺麗!!」

ガラス張りのエレベーターから
見下ろす東京の夜景

エレベーターの壁に背中をもたれてた臣

後ろから私の肩に顎を乗せてきた。

ぎゅ‥‥

「くすぐったいってば!」

臣「俺も飲みすぎたかも。」

「へ?大丈夫??」

「お前ほど酔ってねぇけどな。」

綺麗だな。

そう言ってふたりで景色を眺めてた。

チーーン

長い廊下

ここはどこかのお城かと錯覚をおこす。

「もう靴脱いじゃうっ!」

靴を脱いで裸足でフカフカの絨毯を歩く。

「きゃ‥‥」

臣「よっと‥‥」

「‥‥おみ?」

お姫様抱っこ‥‥///

臣「軽っ!」

お城みたいな廊下で

王子様にお姫さま抱っこ‥

1つだけ違うとするならば

私がお姫さまなんかじゃないって事かな。


部屋にはいると私をベッドに
優しく下ろす。




臣「大丈夫?」

「ん。大丈夫だよ‥///」




臣「はい、水」







「ありがと‥///」




部屋に置かれたグラスに
注がれた水

グラスのカッティングがすごく綺麗で



光を通すと


私の体にも落ちてくる。






臣「どうした?」

「‥///」

臣「ん?」

「キスして‥‥?///」

臣「‥‥」

「‥///」



少しだけかがむように
キスをくれる。

臣「チュッ‥‥」

「‥///」

足りない‥‥

「もっと‥‥」



臣「‥‥え?」







「‥‥足りないよ‥‥」



臣「‥飲みすぎだから‥‥」

「ねぇ‥‥」

臣「え?」


「脱がせて‥‥」







臣「ちょ‥‥何いってんの?‥」




「脱がせて‥//」






臣「脱がせるだけでいいの?」




すっと臣の手が頰に触れる

その手を掴んで見上げる

「ダメ//」



「脱がせて‥次は?」



「いっぱい‥キスして‥‥///」


臣「‥次は?」



「‥‥//」




臣「途中で寝るなよ‥」



「寝ないよ‥///」






なんでだろ‥‥

今日はどうしても臣に抱かれたい。

私の中の独占欲‥‥

全部お酒のせいにしてもいい?

「おみ?」

ベッドの端に座る臣の腕を掴んで

自分の方へ引き寄せた。

臣「わっ‥‥」

臣は体勢を崩して
私をベッドに押し倒した。



「‥‥///」

臣「‥‥///」

「‥‥///」

臣「そんな顔でみんなって///」

「おみ‥///」

私の髪を撫でて‥‥

唇に親指が触れる

臣「もう‥‥誘ったの‥お前だかんな‥」

私の頰に両手を当てて

大事そうに触れる

顔を横にして
私の唇に隙間をなくす



「んっ‥//ふぁっ////」

大好きな横顔

とろけそうなその視線

身体の奥が

彼を欲しくて欲しくて
たまらない。

私のドレスをゆっくりと脱がせながら



もどかしく体に触れる
臣の手







臣「お前‥身体‥‥熱いな。」

「や‥‥///んっ‥//」

臣「嫌っつっても‥‥もう知らねぇかんな‥‥」

何度も何度も

ついばむような臣のキス。

まるで私の反応を楽しんでるみたい。

「はぁ‥‥///
おみ‥‥キス‥‥気持ち‥‥いい。

臣「ちょ‥‥///やめて‥‥止まんなくなる」

いつもと違う私に
少しだけ戸惑う臣。

フワフワする頭で

頭に浮かぶ言葉達

臣の声をもっと聞きたい

私をもっと見て

私に触れて

私に溺れて

私の感触を覚えていて

私を
 わすれないで‥‥