家についたのが朝の6時



シャワーを浴びて

ベットに飛び込む‥‥

カーテンを閉めて

毛布に潜る

何も考えたくない‥‥

今日‥‥休みたい‥‥。



けど

絶対休まない。

あたしそんな弱い女じゃないし!

よく考えたら‥‥

告白したわけじゃないし


フラれたんじゃないし

ユキちゃんに取られた訳でもない




広臣が私を選ばなかった




と言うだけの話だ。




大した事ない。

泣いて騒ぐような事じゃない






私を心配した友達からのメールが
いくつも入ってきてたけど

ケータイの電源を切って

を失うようにいつの間にか眠ってた






ぱちっ

すぐに目が覚めた‥‥

バイト‥‥5時からだけど‥‥

少し早めに行くか‥‥



昨日泣きすぎたせいで

腫れた瞼を冷やし

いつもよりメイクをしっかりする。





いつもはしない顧客管理をする為に会社の事務所に行った。




おはよーございまーーす!

社長
各店舗の店長
ホールリーダー
バイトが数人

昨日の飲み会でみんな疲れた顔してる

そして

私をみて一瞬驚く‥‥

そんな視線を無視して

重い体を動かす



あんまり寝てないから
フワフワしてる‥‥

一通りの顧客管理をして

店に行く




店舗の事務所で
今日のシフト表を見て

ふぅーーーーーっ‥‥

とひとつ

呼吸を整えた



こんな日に限って

めったにない

3人が揃った




しかもホール‥‥

広臣はドリンカーで

ユキちゃんはホールで料理を運ぶ

わたしはインカムって言う小さいトランシーバーを使って外から来るお客様をテーブルに案内したり
ホール全体を見回すホールリーダーを任されてた。



え?私‥今日ホールリーダー?



キャッシャーと言われる会計専門のバイトの子が言った

「今日ちはるさん休みですよ?」

まじか‥‥

インカムの準備をしていると続々と
5時入りのバイトのメンバーがやって来る

「ちょっと‥‥」






広臣と1番仲の良い凉太君に呼ばれる


凉太「連絡あった?‥‥俺にも連絡なくてさ。電話かけ直すくらいでき‥‥

「ちょっとまって‥もう‥‥
今日は、その話‥‥しないでくれる?
泣きそうになるから‥‥

凉太「‥‥だよな‥。あーーー‥‥。ごめんごめん‥‥
お前‥‥大丈夫?

って目ぇ‥‥腫れてんな‥


「‥‥寝不足で腫れてんの。



いつもは余裕もって出勤する広臣

今日は
5時ギリギリになって朝礼でみんなが並んだ頃

着替えもせずに後ろからやってきた。



それも

ユキちゃんと一緒に‥。






背後にふたりの気配を感じたけど



あたしはいつも通り

むしろいつもより元気に振る舞った。



朝礼が終わり

制服に着替えに行く広臣





後ろ姿を見た





昨日と同じ格好だった。。







ユキちゃんちからそのまま出勤?


やってくれるね広臣‥‥



頭の中で言い聞かせる




こんなチャラチャラした男だったんだ
よかったー告白とかしなくて

昨日も帰って寝ればよかったよ
無駄な時間過ごしたな

あー
馬鹿らしいわ!




そうでも思わないと

平気な顔していられない‥‥







バイト中も

なるべく視界に入れないように‥‥

2人には近づかないように‥‥



他のスタッフも

ハラハラしてるのが伝わってきて。

気を使わせてるな‥‥って

また少し落ち込んだけど‥‥







大丈夫

大丈夫

ありがたい事に店内は満席

走り回って
大きな声でお客さんを迎える

なんとか‥乗り切れそう‥‥。


ドリンカーの所に今日は
広臣と凉太君


広臣「ドリンク上がりましたー」

近くにいたあたしはい

「あたしいくよ!テーブルどこ?」

広臣「あ‥B6‥」




なに‥‥


そんな顔しないでよ。





気まずそうな広臣‥








時間も過ぎて

時刻は10時‥‥
休憩を回す時間。

休憩場所は‥‥
ドリンカーの入口。
ひとつだけ置いてある椅子。


あたし‥‥今日は休憩したくないな‥‥






いよいよ‥‥

ユキちゃんに話しかける



深呼吸をひとつ



「ユキちゃん?今のうちに休憩入って!」



ユキちゃん「あ‥‥私‥今日は休憩いりません!先輩どうぞ!」



「‥‥いいから!ユキちゃんが休憩しないと他の人も出来ないでしょ?!
その頑張ってるアピールとかいらないから!

‥‥

ダメだ‥‥

言い過ぎた。

他のスタッフも固まる

ごめん‥‥後が詰まってるから‥‥
休憩してきて‥‥」



ユキちゃん「‥‥はい!わかりました!

いつ
何を言われるのかと
ビクビクしてるようなユキちゃん

15分ずつの休憩

店内が落ち着いた頃

休憩しないと
みんな気を遣うので休憩する事にした




狭い休憩室

カーテンの向こうの広臣

足元だけが見えてる

広臣「何か飲む?」



「いい、いらない」


そう言ったのに‥‥



あたしの大好きな




メロンソーダをカーテンの隙間から




「はい。」



と差し出した。




黙って受け取ったけど





その優しさ



今はいらない。









ほんの五分


椅子に座ってすぐにでた。


メロンソーダは口にすることなく


そのまま置いてきた











お客さんの出入りがまた激しくなる。

開いたテーブルの片づけ

食べ終わったお客さんを
他のチェーン店に回したりしながら




忙しく






走り回る






店内の角を勢いよく曲がった時だった




どんっ!!!





ガッシャン!





お互い走ってきたのか‥‥


派手にぶつかった


あたしは吹き飛ばされて
壁に体を打ち付けた





「‥‥いっ‥た‥‥」


頭も打ったのかチカチカしてる。


誰とぶつかった?







バタバタと聞こえる足音




顔をしかめて少し目を開けた




広臣「大丈夫?!」





駆け寄る広臣




優しく肩を抱きしめて




髪を撫でてる。




見つめ合って

ほっとした顔




広臣の手は

大事そうに腰に回されてる













その光景を



まるでスローモーションが流れてる
ように

あたしは

見ていた。






目の前の2人‥‥

広臣と

ユキちゃん。







 

ユキちゃん「あっ!大丈夫ですか?!」




「‥‥‥‥」




立ち上がった瞬間
肩に痛みが走る

  

「‥‥った‥」





もう‥‥

限界だ。


あたしは散らばった
メニュー表や
アンケート用紙を集めて

顔をあげぬまま

その場から逃げた。



途中

凉太君が何か言ったけど

それを無視して

また仕事に戻った。