18才の夏
おこづかい稼ぎにはじめた
居酒屋のバイト

そこで出会ったのが


登坂広臣

私より半年早く入った広臣は
大学生

明るくて
独特の笑いのセンスを持っていた

そこの居酒屋は

元々ディスコだった所を
アミューズメント居酒屋に
改装していて

玄関から案内されると
回転テーブルに乗せられ
真っ暗な洞窟を抜け
檻のドアを開けて
薄暗い店内に入るという

ちょっと変わった店だった



トイレにも仕掛けがあり
女子トイレは
便座に座ると
前のドアが開いて
虫眼鏡をもったでっかいブタが出てくる

男子トイレは

立ってする所に

M字開脚の天女

的を外すと

スピーカーから

やらしい声が聞こえる‥‥





チェーン店に
居酒屋数店
カラオケ
バー
焼肉店
ガールズバー
クラブ

この近辺では
有名なグループが経営していた。



12時閉店で後かたづけをして

厨房で

ご飯を食べて帰る



広臣とは帰りの方向もおなじで

お互いのアパートも近かった事もあり

予定のないときは自転車で一緒に帰っていた


広臣「ねぇ~今日帰りに海行こうよ!」

はぁー?夜中の海はちょっと嫌!

広臣「明日遅番やん?」

‥‥うーん‥‥

広臣「んじゃ帰りね!!」

話聞いてない‥‥

帰りに寄り道して帰るのが
当たり前になってきた頃

私の心も
少し変化をみせた

やばー!自転車‥‥パンクしてる!

広臣「まじ?」

いいや‥‥歩いて帰る‥‥

「‥‥だね!」



え?
いいよー!先帰っても。

「いやいや‥‥オレ様が送ってやるよ!」

んー‥ありがと

広臣「ねぇ!後ろ開いてるよ~」

広臣「乗ってもいいよー!」

ちょいちょい上から目線よね‥
いい‥‥
歩きたいから!


結局しばらくして
広臣の自転車に乗ったんだけど‥‥


広臣「タイタニック!」

後ろで手を広げて
いわゆる

立ち乗り



してるのは広臣。




そう‥‥私‥‥
後ろに乗るのがはずかしかったから

広臣を後ろに乗せ




広臣は慣れてるのか‥‥

わりとボディタッチが激しく

平気で後ろから抱きしめてきたり

頭ポンポンしてきたり‥

話とかしてても気づくとすっごい
近い!


仲の良い友達‥

思えばこの時

私はもう広臣の事好きだった。


だけど

安心しきっていた


どこにもいかない


急がなくていい


ゆっくりでいいよね

毎日が楽しければ‥‥










ちゃっかり私のアパートまで
タイタニックを楽しんだ広臣は

また明日ね!!

って帰っていく。









だいたい毎日10人くらいバイトがいて
そのまま遊びに行って朝方まであそんだり

他のチェーン店に飲みに行ったりするんだけど


私の気持ちに気づいてる友達も

いて

友達「もう付き合えば?」

えっ!!

友達「めっちゃ仲いいやん!」

そんなんじゃないよ‥‥
広臣とあたしは。






相変わらず‥‥自転車を買った後も
広臣と仕事帰りにウロウロして
帰る日々


ふたりで漫画喫茶行ったり

ビリヤードしたり

ホストクラブいったり

キャバクラいったり

休みの日には

カップルのふりして
ジュエリーショップに行ったりもした‥‥

散々悩んで
買わないという遊び‥‥

わりと中性的な広臣は
メイクの話や
髪型の話も
ノリノリで聞いてくれた

メイクしてる仕草が好きだといって

私がメイク直ししてるのを

横からジーーっと見てたな。






そんなある日

新しく新人のアルバイトが入ってきた

名前はユキちゃん

小さくて

しっかりしていて

笑顔のカワイイ短大生

入ってきてすぐから
よく私に話かけてきてくれてた

1週間した頃

ユキちゃん「一緒に帰りましょー!」

あ‥えっとー

広臣「おっ!いいよー!」

‥‥

家が逆方向のユキちゃん‥‥

遠回りしてまであたしと一緒に帰りたかったの?

それとも‥‥












ユキちゃん「広臣さん面白ーい!」

広臣「いやいや!」

ユキちゃん「今度ユキも連れてって下さいよー!」



広臣よかったねー!
ユキちゃんがなついてくれて!

今度からユキちゃんといきなよー。

ユキちゃん?バイトしたあと朝まで
カラオケとかすっごい疲れるよ-!あたしもホントは帰って早く寝たいし!








広臣「へぇ‥‥そんな思ってたんだ。
‥‥ユキちゃん今度海行こうなー!



やだ‥‥

こんな事言うつもりじゃなかったのに‥‥

一ヶ月を過ぎた頃には
ユキちゃんは持ち前の明るさで
みんなに可愛がられる存在に。

仕事も真面目
たまにおっちょこちょい

男の人はこんな女の子には
弱いんだろうな。

たまたまユキちゃんと二人きりになった
更衣室

ユキちゃん「せんぱいってぇ‥‥‥」

ん?

ユキちゃん「広臣さんの事好きでしょ?」

‥‥

そうだよ。よくわかったね~。

ユキちゃん「えーやっぱりぃー!ユキ応援しますね!」

この頃から

偵察と言っては

広臣のタイプはどんな人とか
昔の話とか
元カノの話とか
最近コンパ行った話とか

ユキちゃんは広臣にべったり張り付いて
いろんな話を聞いてきては

私に報告していた


そんな事聞いてなんて
頼んでないのに‥‥









続く